この争い起きた戦場で ダブモン!!8話/04
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バトル-2
「さぁ、どうした小娘!」
何よあの大声と威圧は・・・ダメージ与えたのはこっちだってのに・・・!
「リチャージ!」
「リチャージ!」
「ドロー!」
「ドロー!」
引いたカード・・・これなら・・・!!
「そんなコスト0の奴なんて粉砕してやるわ、セット!」
「セット!!」
「オープン!!」「オープン!!」
「次は我から行かせてもらおう・・・現れろ、サイコボア!!」
「ダブモンNo.235、猪突猛進の岩壊し、サイコボア!!」
向こうより、一頭の猪が駆けてくる!
赤多色の毛皮に鉄の牙、まわりにそこそこの大きさの岩が浮かばせ、向こうの将軍の前で立ち止まり、
前足を地面にたたきつけ、鼻を鳴らしてこちらの様子をうかがいながら今か今かと突進の時を待っている・・・
だが、それよりも私が驚いたのは・・・
「なっ・・・コスト3!?コスト0ばっかり使って来るんじゃないの!?」
「笑止!弱きものも強きものも使いこなせなければ将とは言えん!!」
鋭くにらむ向こうの目、でも・・・
「というか、チャージゾーンにまだ2枚しかないじゃない!!」
「『先ほどのターンで我はウーヤーマの効果を発動した、これにより、次のターンのモンスター召喚のコストが1下がったのだ!!』」
ぐ・・・なるほど・・・
「いいわ、とにかく、そっちの頭数を減らしてあげる、現れろ、プーマヤ!!」
「ダブモンNo.266、宣託審の念降ろし、プーマヤ!!」
しなやかな四肢をくねらせ、灰色の山猫が私の前に躍り出た、
と同時に、高鳴きその声を上げると、周りに何かの霊魂のようなエネルギーがまとわりつき、
その体に額から顔横を覆う鉄兜と体から足と尾の付け根辺りまで覆う鉄鎧が現れる、
右肩にはまっすぐに向く剣が、左肩には四角形の後ろ側を伸ばした五角の盾が配されていた、
「私はコストにウィルピーキラメントとシャインエレメンタルパワーを指定!!」
「ならば我は地力恩恵エレメント!!とアースプルダウンエレメントを指定、そして、アースプルダウンエレメントでウィルピーキラメントを封じよう」
ウィルピーキラメントまで対策してきた!?
「でも、こちらの勝ちは揺るがない、1番戦闘、行って、プーマヤ!」
プーマヤが走り出し、ウーヤーマに飛びかかる、右肩の剣を前に出し突いていくものの、ウーヤーマが後ろに跳び避ける、
すかさずにプーマヤが着地しつつばねのように飛びかかる、ウーヤーマは右跳び避けるも、その腕に剣の刃がかすった、スピードはプーマヤの方が速い!
さて、向こうの将軍が、戦線維持のために何かのカードを発動・・・してこないな、こういう無駄に動かないのが一番厄介なのよね・・・
と、プーマヤが三度すかさずに跳びかかる、今度は剣を後ろに回し下げ、その前足で飛び掴む気である、
すると、ウーヤーマが先ほどと同じように巨大化、プーマヤを弾き飛ばす!
まだ力が残っていたのか!?
山猫特有のしなやかさで着地するプーマヤだが、ウーヤーマはそのままその拳をプーマヤに叩きつける!
しかし、プーマヤは堅実に左肩の盾で防いだ、
当てたこぶしで吹き飛ばすが如くに力を込めるウーヤーマだが、プーマヤが盾を大きく横に斜めにして受け流すと、その拳が逸れ地面を穿つ、
やはり、パワーの差は返せない!
そこから一気にプーマヤが跳躍してウーヤーマの腕に乗って腕を伝って走りだし、
ウーヤーマの肩まで到達、跳躍突進して閉じようとしていた目を一気に剣で貫きウーヤーマーを大きく後ろに倒して爆発、消滅させた・・・
「だが、まだ2番戦闘があるぞ!!」
サイコボアが岩を伴い私に向かって突進してくる
と、突如サイコボアが先行して三つ岩を飛ばしてきた!!
「うどわわわ・・・」
連なるように少しばらけ迫りくる岩を慌てて右手に左手にまた右手にと飛び避ける私
「どうした、その程度か!」
向こうの将軍の尊大な言い草に私は、着地しつつ声を荒げる!
「そんなもん、そんな簡単に受けられるわけないでしょ!!」
そこにボアが猪突猛進に突っ込んでくる!
「こんなもん!」
そこで少し上に跳躍しつつ右手をサイコボアに叩きつけ跳び箱の要領で飛び着地!大きく体をYの字に伸ばす!
う~ん、100点!
「それならば・・・サイコボア!!」
え?まだ何かしてくるの!?
向こうの将軍の声に反応し振り返る中、サイコボアが新たにそこらの大地よりいくつもの岩を地中より浮かべているのが見えた、ええ~まだ来るの!?
と思ったら、それらの岩を組み合わせ、サイコボアが胸部となる頭無しの巨人と化した、
えええ・・・
そこで一歩前に出ながら真上より大きな岩拳を叩き込んでくる、
こんなもんとっとと逃げ・・・ああっ!さっきの三連発の岩で左右の逃げ道が、西湖ボアの足で前の逃げ場が無いっ!?
後ろに後ずさるも修正してくる!
振り返り逃げようとするもその前に岩の影がかかり目前まで岩の手が、思わず岩の拳に釘付けになりながら目をつぶる私
ガッ!
が、岩の拳が降り注いでくることはなかった・・・
恐る恐る目を開けると、そこにはウィルピーが、槌と鋏を交差させ、拳を受け止めている所だった・・・
「ウィルピー!」
「まったく、おちおち寝てもいられない・・・早く逃げて!」
しかし、それはすぐに弾き飛ばされるも、その間に私は後ろに逃げても一緒に拳を喰らうだけだと判断し、右手の岩をよじ登り何とか脱出!
ズドン!
私のいた場所に巨大な岩拳が降り注いだ、
「ふむ、避けたか、まぁいい」
向こうの敵将が何か言う間にも、私は上から地面少し上にまで降りてくるウィルピーの方を向き、
「ウィルピー、ありがとう、大丈夫?」
「ええ、何とか」
「このまま行ける?」
「もちろん!!」
そして、私とウィルピーは再び敵将と対峙する・・・!
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