森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話/21
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
おいおい、ありゃなんだよ・・・
ゴリアゲルについて行ってみりゃ、
森の茂みの中に犬にイグアナに蟹にイタチにダンゴムシ、見て感じたところ全員火属性じゃねぇのかよ、森を燃やす気かっ!?
というかあの数は間違いなく・・・
思わず、森中で立ち止まってこちらを向いたゴリアゲルに向かって叫ぶ、
「俺達を罠にはめたつもりか!?それなら俺達にも考えがあるぞ、」
「まぁ待て、」ゴリアゲルが俺の叫びを右手の平で制止「こちらも多人数でいきなり攻撃はしない、デッキケースが出た以上、無闇に攻撃したとして、その分幻影を召喚されるのがオチだ」
「へぇ、それで、この俺が納得するとでも?」
「だから、こちら側も利用させてもらおう、」ゴリアゲルが俺右手を下ろす「せっかくだ、デッキケースを撃破するために、一体一体、希望する者を出させてもらおう」
デッキケースデッキケースってお前なぁ・・・思わず呆れてしまった、
「何か知らないけど、デッキケースって、そんなに厄介な物なのか?」
「そんなに厄介ではないよ、しかし、周囲の法則を自身の法則に無理やり乗せて行くからな、闇雲に攻撃しても、その分そちらの法則によって力が増す、というものだ、だが、どうやら最近出てきたばかりの物のようでな、こちらもよくわかっていない、以前のものは戦闘能力を持つものではなかったのだが・・・、と、まぁ、こういうわけでだ、こちらは、知っている情報の限りで出来る限り慎重にやらせてもらう・・・」
厄介ではないって言われても、そもそも、デッキケースって何なんだ、教会に訊いたら教えてくれんのか・・・?
「そんなわけで、こちらは貴様らを倒せそうなものを一体一体出させてもらおう、で、お前達はどうする?」
「鼓動、準備だ、」と、フードつきマントを付けた奴が前に飛び出して着地、それがチラリと微小に右肩の方から子供たちを見る「他の奴はあちらが変な動きをしないように見張っていてくれ、鼓動、やり方は、知ってるだろ?」
「わかってる!」
威勢よく少し太った子供が返事をして前に出て、右手に持つ何かのケース、あれがデッキケースだろうか、をゴリアゲルに向ける、
けど・・・準備って、あの出てきた板にケースを置いてケースが右に移動し始めた事がか?それが終わったらあいつらどうにかしてくれんのか・・・?
ま、いいか、じゃ、とりあえず、俺は後ろの方に下がって、この戦いを見守らせてもらいましょうかね・・・
振り返って子供たちの方に下がり、彼らのそばより、再度ゴリアゲルの方に向き直る・・・
にしても、あの返事をして前に出た子供、準備とか言って、出てきた黒い板の上でケースが裏返ったりシャッフルされたカードいじったりしてるようにしか見えないけどなぁ、俺には・・・ケースが勝手に動くのはすごいけどさ、それが戦いに何の役に立つんだ?あのカードも・・・
「お~っしそれじゃあ、カードバトル・・・」
「スタートッ!「スタートッ!「スタートッ!「スタートッ!」
「それじゃあ、行くぞ!」
構えるマントの奴に対し、ゴリアゲルの眼光が光る、
「お前ら・・・本当に引く気はないんだな・・・?」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――