バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話18

 
森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話/18
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 ん・・・?人の気配・・・?
 ぷらんばにつを見送ってから幾数日、木の下の洞の中で腹を上に向け寝ていると、突如として人の気配を感知する、
 これは・・・一人じゃないな、複数人?ダブモンも一緒にいる・・・?
 思わず体勢を立て直し耳をそばだてる
 「どっちが「そうそう、「そっか「そうなんだ」
 子供の声・・・?四人ほど・・・?いたずら小僧どもでも迷い込んだか・・・?
 ともかく、警戒しないと・・・
 「あの木から気配がするな・・・」
 ん?ダブモンの声・・・それに賛同する声も・・・?それに・・・気配達が徐々に近づいてくる・・・?
 っち、しょうがないな、家の場所はちょいと知られたくはないな・・・
 ここは俺が出て行って気を引くか・・・?仕方がない・・・!
 洞から飛び出し、目の前の茂みから人間の気配がする、向こうの道に飛び出す、
 左手に見つけたのは奇妙な四人、いや六人組、
 一番前にいたガキは生意気そうで黒いバンダナで立った黒髪を持ち、黒い瞳で、身体には赤銅色の袖なしシャツを着て左肩後ろには変な炎の翼の飾りをつけ、
 下半身にはジーパンをはいて腰に鞄のような大きなポケットをいくつも縦にぶら下げた革製品の付いたベルトを通している、
 その後ろには少し身長高めのガキ、ぼさっとした黒髪、獰猛そうな魚類が波から飛び出すさまが描かれた上着
 ポケットのいっぱいついたジーパン
 三番目のは少し太ったガキだ、短めの黒髪に草原の描かれた長袖の、上が橙と下が緑の上着ジーンズをはいていて
 腰左右にボックス状のポケットが一杯ついた膝上までの、皮で作られた物を一対垂れ下げている
 さらに続けては女の子だ、金髪のツインテールで上半身を高級感ある白シャツに包んで左胸に意の文字の黒字金ふちバッチを付け、下半身は黒タイツにヒラヒラの黒スカートを穿いている、
 また、その後ろには両手と目のある白い炎の発行体のようなダブモンがいた、背中に鍛冶に使うようなハンマーと前が輪っかのペンチを交差にして背負っている、
 「おい、お前がこの辺りの薬草畑のある場所を知ってるプランバニツってやつか?」
 そして、上から話しかけてきたのは、
 フードつきの濃紺の袖付きマントに身を包み、左手には黄色い色の燭台カンテラを持っていて、中は黒いもやのようになり、
 フードの中には黒の両瞳が除き、フード左上の所に太陽と流星の中間のような少しの楕円にいくつもの線を放射状に付けたような薄紫の装飾があるダブモン・・・
 こいつら何もんだ・・・?
 「そうだけど、お前、何もんだ?何の用なんだよ?」
 「そうだけど、お前、何もんだ?何の用なんだよ?と、言っておりますです」
 一行の一番後ろの光の炎の塊のようなダブモンが俺の言葉を通訳した、いちいち通訳してくれんのか・・・テイサバーンと違って意訳無しなのがいいな・・・
 と、上の奴が俺を見おろし、
 「俺達は教会の方から薬草持ってくるように言われたんだよ、ほら、誰か、メモ」
 「ほい」
 ガキの一人が渡してきたメモを、移動して受け取ると俺の前まで降りてきて、そのまま俺に渡してくる、
 両手に受け取ってみると、そこには大量の薬草の種類と量が、見たことある人間の文字で書かれていた・・・
 「これは確かに婆さんの字だな、しかし、ずいぶんな量だ、でも、婆さん、なんで代わりの奴なんて寄越したんだ」
 「腰を痛めてここまで来れないそうだ、だから、俺達が代理で来た」
 代理って・・・ガキ引きつれてかぁ・・・
 「教会の奴らじゃなくてか?見たところ、そうは見えないが・・・」
 「他に行ける奴は出払ってるんだと、」
 「そうかいそうかい、じゃ、さっさと薬草畑の方に行くかね・・・」
 「そういえば、俺達、薬草の見分けなんてつかねぇよな?」
 おい・・・
 「ない」
 「無理」
 「ウィルピー達は?」
 「つかないです」
 「俺もだ」
 ガキどももダブモンも誰一人薬草の区別つかねぇのかよ・・・はぁ、しょうがない・・・
 「それくらい、俺が見分けてやるよ、俺の畑だしな、そのかわり、薬草持ちはお前らがやれよ、この量は一介の兎にゃ荷が重い、お前らはそれだけ人数いりゃどうにかなるだろ、後は・・・」
 「わかってる」「薬草畑の場所は」「秘密でしょ」
 「んな簡単に喋んないわよ」
 なるほど、教会から必要事項は聞いているようだけど、ガキどもねぇ・・・
 「こいつらに場所教えんの不安だなぁ・・・ま、いいや、何があっても教えられないってわけじゃなし、何かあったら教会側の責任ということで」
 じゃ、ちゃっちゃと薬草畑に行きますか!!
 後ろに振り返り、森の奥の薬草畑に向かって駆けだす、
 道をしばらく行って家を避けた後、右手の茂みに跳び込み、その先に着地して、そのまま先の方まで走って行く、と、後ろから追ってくる声が聞こえる、
 「おい!」「待ってくれよ!」「待ってよ~」「しょうがないわね」「行きますですか・・・」「・・・」
 そらそら、速くしないと追いつけなくなるぞ!!・・・ん?森の先の薬草畑に誰かいる!!スーツ着た・・・ゴリラ・・・?
 おもわず、薬草畑を飛びだした後、そのゴリラに近づき、立ち止まって背を伸ばしてゴリラを見据え、声をかける、
 「おい!そこで何してるんだよ!!」
 俺の掛けた声に、そのゴリラがこちらの方に向く、いや、ゴリラじゃない、ゴリラ型の・・・ダブモン!!
 そいつが俺を見降ろし、
 「貴様は何だ?ここは私が見つけたのだ」
 話しかけてくる、おいおい、残念だが・・・
 「あいにくと、ここは俺の先祖代々からの土地なんだよ、盗らせるわけにはいかねぇや、なんなら、教会に訊きに行くかい?」思わず右手を上外側に出して少し気楽っぽい雰囲気を出そうとしてしまう
 「私の名はゴリアゲル、不動産業を行っている、残念ながら、今日からここは私の土地だ」
 は・・・不動産業・・・?、思わず右手を下げ、息を荒げてしまう、
 「何を言ってるかしらねぇが、子々孫々ここは俺の、俺達の土地だよ!大体、この土地を手に入れててめぇ、どうする気だ!?」
 「ふん、先の見えない俗物が、決まっているだろう、この辺りの薬草管理を一手に引き受け、薬草流通業界を我らが手にするのだ!!」
 薬草流通業界て・・・おい、
 「薬草流通?あんた、人間の考えに染まりすぎだ、この土地の薬草は、必要な時に必要な分だけ供給するんだよ、先祖代々、そうやってきた、種でも株でも分けてやるから、商売の話はよそに行ってやってくれ」
 「ならん、薬草を育てるのはこの土地が最適なのだ、この土地ごと渡してもらう、そもそも、教会に行ったとて、土地の権利を証明する書物も何も無いだろう?」
 「あのな、それはあんたも同じことだ、先祖代々ここで暮らしてきた分、理があるのはこっちだよ」
 「理があろうとなかろうと、ここは私達に渡してもらう、なに、欲しいのならば金も渡すぞ」
 金ねぇ・・・一昔前なら、それに惹かれたかもしれない、でも、今は!!
 「いらねーよそんなもん、子々孫々まで習慣をこなすだけで楽して食べていける上、教会や街とのつながりだって強くもてる、そんな土地を、一時的な金だけで渡せるかよ、金が欲しいなら、ここの薬草ちょっと街に降ろせば必要な分はすぐに手に入るわ!!」
 「一生遊んで暮らせるだけの金だぞ、欲しい物も何でも手に入る」
 再度の勧誘に、思わずイラつく、むかっ!
 「いらねーっつってんだろしつけぇな!!この土地はな、俺だけじゃなく、俺の子供達のもんでもあるんだ、俺の一時的な欲のために、誰かになんて渡せるかよっ!!とにかく、そこまで言うなら交渉は決裂だな、俺は、ここを命を賭しても守るぜ?」
 もう俺だけの土地じゃねぇんだよ!ここは絶対に、渡さない!!
 「強情ぱりが・・・いいだろう!!」
 だが、向こうは強力そうなダブモン、俺だけで勝つことは難しいだろう、だが!!
 ゴリラが右拳を握って振り上げる中で、俺は右肩の方から微小に後ろにいる奴ら、俺について来ていた子供とダブモンの混合群の方を向く、
 「お前らは教会まで助けを呼んでくれ、何、逃げ回れば時間稼ぎぐらいは出来るさ」
 「ええっと・・・どうしよう・・・」
 しかし、そいつらは俺の言葉にもかかわらず、なぜか向かい合って話したり、それぞれの手を前に出して何かをし始める・・・
 おいおい、何をわちちゃわちゃやってるんだ・・・?
 とすると、少し太ったガキがこちらを向いて前に出てきて、右手に持つ立方体の物体をゴリアゲルの方にかざす、
 あれは・・・デッキケースか!?
 ダブモンの力を増し、幻影を召喚するという・・・
 「お前ら、助太刀してくれんのか・・・?」
 「それは・・・デッキケースか!?」
 ゴリアゲル、向こうもあれの正体に気付いたようだ、驚愕しつつも冷静に本物か確認をするかのような表情をしている
 確かに、あれは自身の法則に周りを無理矢理引きずり込む特性を持つ、
 あれの前では、いかに強力なダブモンと言えど、一筋縄ではいかないだろう・・・
 「また厄介な物を・・・いいだろう、森まで来い、そうでないなら、この辺り一帯を焼き尽くすぞ」
 は、何言ってんだ、あのゴリラ・・・、思わずゴリラの方を見る、
 「おい!あんたにとってもこの辺りは大切なんだろ!!」
 「別に、この辺りが手に入らないのならばそれでもかまわんさ、そのかわり、誘いに乗ってさらに戦いに勝てればここからは手を引いてやろう、どうだ?」
 「ぐぐぐ・・・何か釈然としないが・・・」
 「こっちだ、付いてこい、なに、すぐそこだ・・・」
 ゴリラの奴が左の森の方に向かって行き、森の中に入って行く、
 一体どうするつもりだ・・・?罠のにおいがプンプンするが、暴走されても厄介だ、ここはとりあえず従うしかあるまいが・・・
 渋々ながら、俺達は、ゴリラの後を追って歩き出す・・・
 
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