バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話10

 
森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話/10
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 「リチャージ!」
 ううぅ・・・イクイップなんて手が手札にあるなんて・・・でもまずは進まなきゃ!
 「ドロー!」
 これは・・・ORのカード!?
 でも、このカードじゃ向こうにたちうちは・・・そうだ!
 ともかく、これを1番に裏側にもう一枚をチャージゾーンに・・・
 「セット!」
 表に!
 「オープン!!OR、エレメンタルフレイムバースゾ!!」
 同時に、山札が僕の前に浮かび上がり、一枚一枚、巻物の様に移動していく、
 確かこの中に、こういった状況を返すカードが・・・あった!
 「僕は、エレメンタルフレイムバースゾの効果によって強度を1上げ、鴨嘴のハイ乱打、ハイランガモ・オーバーを指定し、召喚!!」
 「ダブモンNo.107EX、鴨嘴のハイ乱打、ハイランガモ・オーバー!!!」
 僕の目の前に溶岩の川が流れ、その中からひょいと、糸目のカモノハシが顔を出す、
 ずんぐりの赤い体に白い糸目、間抜けに広がった嘴に、頭の上には緑の宝石の付いた金の冠から炎が噴き出している
 「よし、こいつに憑依だ!」
 カンテーラが憑依するも首にカンテラとマントが現れず・・・
 「グワァーーーーア!!」
 いきなり溶岩の川から飛び出すと、ヒレ付きのその右手に無骨な鉄の両刃大剣を、なぜか左手に中程から散髪ばさみを持っていきり立った!!
 「グワッ!グワッ!グワーーーーァ!!」
 「カ・・・カンテーラ・・・?」
 「お前、喋れないのか・・・?」
 「どうなってるんだ・・・おい・・・?」
 「ウィルピー、こういう事ってあるの?」
 「ええっと・・・どうなってんでしょ・・・?」
 「グワッ!?グワグワグワッ!?グワッ!?グググワッ?!」
 何を言っているのかさっぱりわからない・・・
 そこでカンテーラの憑依のせいか、ここで首にカンテラ付きの紺色のマントが巻きつき
 とそこでゴリアゲルの前に向かって、一匹の蟹がガシャコガシャコと金属のような足音を立て歩き出す、
 全体外側が赤く下内が白い丸みを帯びた甲殻で覆われ、
 四対の足が周りに付き、前に鋏の付いた一対の足、
 頭には短めな大きく回るくせっ毛の髪の毛を持ち、その下につぶら黒い瞳が垣間見え、背中にはいくつもの刃のような棘が生えている、
 その蟹に対し、ゴリアゲルが見降ろし声をかける、
 「おお、ハサミを見て敵対心を燃やしたか?行って来い、カミキリガニ!!」
 「ダブモンNo.82、整髪甲殻整鋏の研ぎ師 カミキリガニ!」
 と、画面に二枚のカードが写る、ホットエレメンタルパワーと、炭焼きエレメンタルパワーだ、
 なるほど、この二枚があの蟹のコストか・・・
 と、いきなりカミキリガニが四対の脚で跳躍、その背の剣棘を憑依ハイランガモに向け
 「グワ!グワグワグーワ!!」
 慌てた様子でハイランガモが右に跳びかわす、カミキリガニは地面をバウンドして反転し、
 「おっと、こっちもいるんだぜ?」
 そこにベロシタンが鋭く舌を伸ばしてくる、
 「グワグワグーワ!!」
 そこでハイランガモが左手の鋏を少し開いて真正面から突き立てて行く
 しかし、寸前で舌が止まった!?
 「っつ!あぶねぇ・・・」
 攻撃、届かなかったな・・・やっぱり、ちゃんと宣言しないと・・・
 「僕はハイランガモ・オーバーの効果を発動、ハイランガモ・オーバーのパワーを500上げ、ベロシタンがイクイップを装備していることにより、更にパワーを300上げる!!」
 「グワーーーーッ!」
 そこでハイランガモが大剣を振り上げ、舌を切り裂きにかかる!
 「やらせるかぁあああ!!」
 舌を回収しつつ守るようにベロシタンが前方に猛ダッシュ、舌は回収しきれなかったもののその右手で何とかハイランガモの大剣を受け止める、
 相殺されたけど、まだこっちもある、
 「僕はドキサンショの効果を発動、ベロシタンのパワーを800分下げる!」
 ドキサンショが土器の手裏剣を投げる、
 「うざっっってぇええ!」
 左腕を振るってベロシタンが弾こうとするも、しっかりと手裏剣がその腕に刺さる、
 「ぐっ!?あんにゃろ!」
 そこにダンゴォラが熱を帯びながらこちらに走ってきて、手裏剣を投げた直後のドキサンショを潰そうとするも、ドキサンショは何とか両手を前に出し受け止めた、
 あっちはあっちでどうにかできる・・・?と思う、パワーも体格も違うし・・・まずはこっち、カンテーラの援護!
 「僕はマルチエレメンタルパワーの効果を発動!」
 これでパワーを超えられるはず・・・!
 「グッワァアアアア」
 ハイランガモが今度は左手の鋏をベロシタンの顔に突き立てて行く!
 「いい加減しつけぇんだよ!」
 が、これを左手の指の間から伸ばした串を鋏の間に入れ何とか受け止めた、ハサミに力を入れてるが、つばぜり合いをするように拳をつき合わされ邪魔されている・・・これで大剣も鋏も止められたことになる上、効果も相殺されたことに・・・
 でも、相殺されたけど、続けて行く、
 「僕は火と大地と水の土器パワーの効果を発動!」
 すると今度はハイランガモが火を纏って行き、それでパワーが上がったのか、次第に鋏が閉まって行く・・・
 「オラァ!」
 が、ベロシタンが蹴り飛ばしてハイランガモを吹き飛ばす、が、その右足に土器の手裏剣が突き刺さった!
 「がっ!?」
 見ると、ダンゴォラの隙を突き、ドキサンショが手裏剣を投げてきていたのだ
 「このぉ・・・!」
 そこに憑依ハイランガモが走る
 「グワワワワワワワ!!」
 「仕方ねぇ、蟹さん!」
 カミキリガニが両のハサミを開けて憑依ハイランガモの行く先に走り迫ってその両のはさみを上から突き立てていく、
 しかし、憑依ハイランガモは蟹さんの声を聞いたのか、素早く大剣をそちらに向け、ハサミを受け止める、
 「おっと!」
 手裏剣ささった足を引きずりながら串を投げるベロシタン、しかしながら憑依ハイランガモは左手のハサミを器用に振り回して自分に当たるはずのみの串を弾く
 「ならこれで・・・」
 ベロシタンが小声で何か言う中、チラリと憑依ハイランガモが僕を見る、ここでか・・・!
 ベロシタンが唐突に大口開け憑依ハイランガモに舌を伸ばす中、僕は宣言!
 「僕はメラティカルエレメンタルパワーの効果を発動、これは相殺できないはず・・・!」
 と、憑依ハイランガモの目がキラリと光り、カミキリガニを大剣で吹き飛ばし、その反動で後ろに跳ぶハイランガモ、
 「しまっ・・・」
 寸前で狙った場所とタイミングを外され驚き目を見開くベロシタンの舌に、憑依ハイランガモはそのハサミを突き立てた!
 「がぁああああ!!」
 舌を戻そうにも、憑依ハイランガモと鋏に引き戻される格好で一向に動かせないベロシタン、口を開けたままうまくしゃべれず
 「こうさぁん、こうさぁんだ、おれはひく!!」
 そこでハイランガモのハサミが舌から抜かれ
 「ひゃあああああ!」
 ベロシタンが舌を戻しながらゴリアゲルの方に去って行った・・・
 「情けない声を上げるな・・・」
 ゴリアゲルが声をかける中で、涙目で、立ち止まり、ゴリアゲルを見る、
 「だって舌が痛い・・・」
 「後で病院連れてってやる」
 「ひぁい・・・」
 うわぁ・・・もう涙が目からあふれそうだよ、なんか、かわいそうになってきた・・・
 と、そこでいきなりカミキリガニがダンゴォラに向かって跳ぶ!
 一体何を・・・?
 そう思った瞬間、背の刃棘でダンゴォラの炎の車を切り裂き、その先のドキサンショを貫いた、
 げぇえええ
 さらに、ドキサンショが驚きで目をあわただしく目を見開いている間にそのハサミで胴と首を同時に挟み切り、ドキサンショを爆発、消滅させた、
 これは・・・カミキリガニの戦闘後効果でドキサンショをトラッシュに送ったのか!?
 そこで、続けてダンゴォラがこちらに向かってくる、
 「グググワグワー!!」
 慌てて憑依ハイランガモが僕の前まで来て大剣を横に出した防御の姿勢で受け止め、弾くも、その言葉はやっぱりわからずじまいだった・・・
 
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