バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

御前教会の真実 ダブモン!!2話01

 

御前教会の真実 ダブモン!!2話/01
 

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 目の前には大きな洞窟が一つ、
 といっても岩壁にあるようなものではなく、石を積み上げられた人工的な入口の洞窟だ、ただし、下に覗く内部は半分天然の洞窟らしい、
 俺は、気合を込め、後ろに続く二人に声をかける
 「行くぞ、鼓動、蜜羽さん」
 「おぉ~!」
 「いや」
 ・・・
 思わず右後ろの方に振り返る
 「蜜羽さん、あの・・・」
 金髪ツインテールが風に揺れつつ白皙青眼の、一応可憐な少女がこちらの方を見据え直す
 「いやだって言ってんでしょ、大体、なんで私が裏方、予備戦力なのよ」
 「まぁまぁ、四葉さん・・・」
 蜜羽さんの外側から炎の様に揺らめき立ち光る、両目の付いた光の炎のような見た目のウィルピーが白い両手を使ってなだめ、続けて鼓動が蜜羽さんの方を見て少し力が抜けたように口を開く
 「兎白がジャンケンに勝ったからでしょ・・・」
 「そうだぜ、俺だってジャンケンに勝ったからこうやって・・・」
 「とりあえず、前向け、前」
 後ろの方からカンテーラの声が響く、
 急いで後ろに振り返ると、洞窟から一匹の小熊が出てきたところだった、
 全身を覆う茶色い毛皮、頭の上には丸耳、幼いが少し太い四肢に短い尻尾を持ち、つぶら黒い瞳があって、口は黒い鼻ごと少し前に伸びており、
 その口に、木で出来た棘の方が平らなしずく状の棍棒を咥えている
 と、その棍棒を右前足に持って立ち上がり、こちらを口を開いて威嚇する
 「グワッ!」
 ええっと・・・
 「あれはガベアックだな、どうやら、こちらを通さないつもりらしい」
 「話し合いでどうにかできないのか?」
 「一応やってみよう、」二歩程、カンテーラがガベアックに近づき、
 「すまないが、ここを通してくれないか?」
 「グワッグワーーーーッ!!」
 ガベアックが大声を上げ、威嚇し返す、通じてるのか・・・?
 「何人たりとも通すなと言われている、だとさ、やっぱりやるしかないようだ」
 うう・・・しょうがないな・・・
 「いいか、教わった通りにやれよまずは・・・」
 「わかってるって、せーの、リチャージ!」
 革調の黒い板右手側のチャージゾーンに向かって宣言、続けて、右の手で板左手側中程の山札の一番上のカードを引きながら
 「ドロー!」
 ええっと、これはモンスターカード・・・よし!
 このカードを板の中央少し奥の1番に裏側で置き、左手手札の一枚をチャージゾーンに同様に裏側で置いて、
 「セット!」
 「そのまま行け!」
 カンテーラが正面に向き直り、俺は、1番で裏側で置いたカードを表にする、
 「オープン!召喚、錘点の抜歯士 クリオネシン!!」
 「ダブモンNo.63、錘点の抜歯士 クリオネシン!!」
 どこからともなく男の声が聞こえると、俺の前に白透明な軟体妖精が現れる、
 といっても、透明な軟体生物なのだが・・・
 透明な丸頭に透明な体は下左右の三方に滴の上先の方が向いたような構造で、
 頭には中に赤い何かがあり二つの丸い黒目が存在し、上に二本の小さな角が付き、
 左右の滴状のそれはまるで羽のようにひらひらと動いている、
 と、左手奥の緑の電子画面にカードが映る、あれは・・・なるほど、ガベアックのカードか、
 「ダブモンNo.43、犬払いの小熊 ガベアック!!」
 遅ればせながら男の声が響く、何なんだろうなこの声、デッキケースの声みたいだけど、
 で、こっちのクリオネシンのパワーやら効果やらと考え合わせると・・・よし、このまま行けそうだ!
 で、コストを表にっと、マルチエレメンタルパワーだ!
 と、画面にも一枚のカードが・・・なるほど、ガベアックのコストは1だから、1枚表示されたってわけだ・・・
 表示されたのはケイブエレメンタルパワーって、カード、なるほど、洞窟だけにケイブか・・・洞窟って外国語でケイブともいうんだ
 「グルピヤァード!!」
 そんなこんなしてる間にも、ガベアックが棍棒を口でくわえ、四足でこちらに向かってかけてくる
 「お、おい、カンテーラ・・・」
 「なに、クリオネシンに任せておけば大丈夫だろう・・・」
 不安な俺の声をカンテーラは一蹴して後ろに下がって代わりにクリオネシンが前に、そのままガベアックがクリオネシンの元に到達、
 ガベアックが右前足に棍棒を持ち替えつつ振りかぶりクリオネシンに殴り掛かる、
 クリオネシンはこれを左半身を後ろに傾けて避け、続き、振りかぶって撃ち込む一撃も反対の方を後ろに傾け避け、
 ここでガベアックは棍棒を両手で持って思い切り頭上に振り上げ、振り降ろしてくる!
 が、次の瞬間、クリオネシンの頭が上から割れ、内部の赤い物が三本の触手へと変わりつつ、
 ガベアックの右下犬歯を抜き去り、その歯を触手ごと割れた頭の中に入れ、まるで咀嚼するかの如くもっちゃもっちゃと動かし、あげく、げっぷまでかましたのだった・・・
 あわれ、ガベアックは涙目となり、洞窟の方にぐるりと回って一目散に退散していった・・・
 「おし、障害は取り除かれた、先に進むぞって、お前ら何してるんだ?」
 カンテーラが振り返って俺達を見た時、その目に映ったのは、腰を抜かして引きまくった俺達三人の姿だろう・・・
 「お前ら、何してんだ一体・・・」
 「い・・・いや、別に・・・」
 「そ、そうだよ、何でもないよ・・・」
 「そ・・・そうよ、別に怖いだなんて思ってないんだからね!」
 慌てて取り繕う、俺、鼓動、蜜羽さん、
 「別に恐がる必要ないだろ、人間は一回歯が抜けても生え変わるっていうし・・・」
 「俺ら全員、とっくに永久歯に生え変わってると思うんだが・・・」
 「だね、」
 「そうよ」
 カンテーラがすかさずウェルピーに目線を向け
 「そうなのか?」
 尋ねる
 「そうだと思うですよ」
 が、返ってきたのは少しあきれたようなウェルピーの声である
 「ああ、そうなのか、すまんすまん、勘違いしてた、じゃ、勘違いも解けたところで、追手が来る前にとっとと進むぞ~」
 カンテーラはそう言って洞窟の方を向き、進む、
 まったく、こんなんで本当に大丈夫なのか・・・?
 
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