岩で鳴く音 ダブモン!!17話02
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「なぁ、カンテーラ、本当にこっちでいいのか?」
「あぁ、こっちから魔の匂いがする・・・」
本当かよ・・・
遺跡での一件から、森の方から魔の気配を感じた、
等とカンテーラがのたまい、それにみんなでついてきた
無論、今歩いているのは昼間の深い森の中である、
・・・他に行く当ても無いしなぁ・・・
一応、四葉山を踏破する、などという選択肢もあるにはあるのだが、
両方を兵士が見張っている、出来たばかりの山なのでルートが確立されている可能性が極めて低い、手助けしてくれるダブモンがいる可能性も同様、
等という理由で却下である、
俺の名前は双運 良星(そううん りょうせい)、
頭には黒いバンダナを巻き黒い髪の毛は立ち、黒目に胴には赤銅色の袖なしシャツ
ジーパンに左右にポケットを大量に垂れ下げたベルト、左肩後ろには炎翼のブローチを付け、
腰掛には袋、
「妙な気配がするな・・・」
マジかよ・・・
今つぶやいたこいつはカンテーラ、案内役の称号を持つダブモンだ、
袖と濃紺のフードの付いたマント、黄色の燭台カンテラを左手に持ち、黒の両瞳のみを覗かせている黒いもやをマントの中に持ち、
フード左上には太陽と流星の間のような、少しの楕円にいくつもの鉄棒の線を放射状に付けたような装飾が付いている、
「フリィジアは何かわからない?」
と、後方で肩辺りの横にいる自身のパートナーに問いかけたのは稲走 兎白(いなばしり とはく)、
俺より高い身長にぼさっとした髪、波から飛び出す鮫の絵が描かれた長袖Tシャツにポケットのたくさんついた青いジーパンをはき、
背腰掛けの袋を持つ、
「全く分からないわ、ここまで感知できないとはね・・・」
と訊かれやる気の無い力無い表情で愚痴るのはその兎白の相棒、氷の精霊のようなフリィジア、
身長は俺達の3分の1くらいで、氷の鎧の意図を両肩に持ち、液体状の氷の様な髪に上の方に流線状にクリスタル状の氷がオールバックの髪のように並んでいる、
「イグリードは?」
とまたもさらに後方でやはり肩辺りの横にいるパートナーに向かって言い出したのは海象 鼓動 (かいぞう こどう)、
少し太めの体、短めの黒髪、
橙と緑の長袖サバンナ草原シャツに長ズボンのジーンズを着て、
腰にはボックス状のポケットたくさん付いた膝上までの皮を左右に垂れ下げていて、
背腰掛けの袋がある、
「俺もわからん、魔力も一応わかるつもりなんだが、カンテーラの奴にはかなわん・・・」
と、少し悩んでいるような納得しているような顔に普段通りの力の入った表情で返しているのは鼓動のパートナーの炎の精霊のようなイグリード、
俺達の三分の一程度の身長を持つ燃えたぎる髪の毛とこわもての顔、灼熱の筋骨隆々な肉体を持つ、
「ウィルピー」
と一番後ろで億劫そうに声を上げたのは蜜羽 四葉(みつば よつば)、
少し気の強そうな見た目に金髪のツインテにヒラヒラが真ん中に縦に着いた高そうな白シャツ、黒スカート、黒タイツ、首に黒リボン、
左胸に筆記体で黒字金縁で意と書かれた金バッジを付けている、
「無理っすよう・・・」
とその横で愚痴の様に返したのがウィルピー、
光の火の玉に黒い両目と両腕両手を持ち、その背にハンマーと鍛冶鋏を斜めに交差させ背負っている、
「裁定の剣の時はあれが特殊な剣だから察知できただけで、漠然としたわずかなの魔力なんて、カンテーラ程感知できないですよう・・・」
感知自体はできるのか・・・
あれ、周りが白く、っていうかこれは・・・
霧・・・?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――