我はダブモン!我こそがダブモン!! ダブモン!!16話02
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広い草原の中の一本道を俺達は歩く、
アグニスと言いう魔族を追っているのだが、一向に追いつけない・・・
俺は先頭で先導する黒い布を見る
「なぁ、カンテーラ、こっちで合ってるのか?」
「ああ、多分な」
多分かよ・・・
目もくれずに答えた言葉に、疲れが増す・・・
俺の名前は双運 良星、立った黒髪に黒い目、黒いバンダナを巻き、
赤銅色袖なしシャツには左肩後ろに炎翼のブローチを付け、
腰からは左右にポケットを大量に垂れ下げたベルトにジーパンをはいていて
腰掛けの袋を付けている
で、先導しているのがカンテーラ、
袖付きの濃紺のフードマントを纏う黒いもやのようなものでフードの中に両の黒瞳のみをのぞかせていて、
左手には黄色の燭台カンテラを持ち、
フード左上に少しの楕円にいくつもの鉄線を放射状に太陽と流星の中間のように付けたような飾りがある、
「このまま壁まで行くんじゃ・・・?」
「別にそれでもいいけどね・・・」
と、後ろから声が聞こえてきたのは稲走 兎白とフリィジア
少し高めの身長にボサリとした黒髪、波から飛び出す鮫の絵の描かれた長袖シャツにポケットのいっぱいついた青いジーパン、
腰掛けの袋がある
で、フリィジアの方は
小型の体躯、氷の鎧の意図を両肩に持ち、髪は液体状の氷の様にくね、
上の方には流線状にクリスタル状の氷がオールバックの髪のように並んでいる
「どこまで行くんだろね」
「追いつくのが目的なら、追いつけないならどこまでも、だな」
とさらに後ろから言ってくるのは海象 鼓動とイグリード、
太めの体型に黒髪短髪、橙と緑の長袖サバンナ草原シャツを着て、
腰にはボックス状のポケットがたくさんついた膝上までの長さの皮を一対下げ、
長ズボンのジーンズをはいており、腰ほどに袋をかけ、
で、その右肩の方にいるのがイグリード、
二頭身の筋肉質の炎の体に
燃え滾る髪の毛持つこわもての顔を持つ
「できれば魔族の領域に行く前に追いつきたいわねぇ・・・」
「ですね・・・」
と一番後ろから言ってくるのが蜜羽 四葉とウィルピー、
金髪のツインテールに少し気の強そうな少女、
ヒラヒラが付いた高そうな白シャツに首元にはワンポイントの黒リボン、
黒スカートに黒タイツに茶の革靴、
左胸には筆記体の金縁黒字で意の文字のバッジが飾られている
で、その側にいるのがウィルピー、
黒い両目の付いた光の火の玉、
細く伸びる白い両腕、その先に両手があり、
背中には鍛冶鋏とハンマーを持ち手を上にして交差させ、背負っている
お、右手の方に一軒の家が・・・
様々な濃度の灰色の煉瓦で作り上げられた四角い本体に煙突付きの青の三角屋根・・・
近づいていくと道沿いの窓の奥には木のカウンターの奥にM時禿の茶髪を逆立てた気難しそうなおっさんが見える、
「とりあえずここで話訊いてみるか・・・」
「だね」
「賛成」
「それでいいわ」
家の中ほどの扉を開け中に入る
「いらっしゃい、何だ、ガキどもか・・・」
おっさんが俺達を見て明らかに不機嫌そうに目線を避け言った
「失礼ね、レディもいるのに」
「俺も一応大人なんだが・・・」
と、フリィジアが少し文句を、イグリードが呆れ声で、それぞれ言葉を放つ中で、カウンターの上、
おっさんの前少し右の小型の紫のクッションの上に乗った青い宝石の欠片に目が行く
なんだあれ?宝石・・・?でもちょっと違う様な・・・?
見たこともなさそうなものに好奇心から思わず近づく
「お、お前らもそれに目が行くか?」
何だよおっさん、いきなり得意げに話しかけて来て、なれなれしいな・・・
「みてろよ、これは面白い欠片でな、これがちょうどいいか・・・」
と、おっさんがその手をかざし、欠片の空間を掴む
おっさんの眉を曲げ得意げが過ぎ目と口を縦に伸ばした笑顔がこちらに向けられる
「どうだ、面白いだろう?」
「どこがおもしろいんだよ?透明な何かがかぶせられてるだけだろ?」
「いや、これは・・・」
「しつこいな、なら、これならどうだ?」
カンテーラが何かを察するような声を上げながらもおっさんが欠片を少し高い位置まで上げ、クッションに向かって落とす、
すると、クッションの上に行くまでに徐々に速度を落としていき、
クッションにほぼゼロ速度で着地したのだ
さらに、カウンター下の見えない位置から水のいれたコップを取り出して宝石の上で傾け雫を落とすと、雫の落下が徐々に止まっていくのが分かる・・・
思わず俺達も目を見張り
「・・・どうなってんだこれ・・・?」
「見たか!こいつはな、周りの空間の粘度を高くしていて疑似的に時間の速度が遅くなるって商人に話」
・・・一瞬だった・・・
女神が目の前にいきなり表れ、その突き出した右手から放った光により、おっさんの頬をかすらせ、焼き焦がしていたのは・・・
「・・・その欠片、どこで手に入れましたか?」
放った声は、俺の見知った女神様らしからぬ、ただただ冷たい声だった・・・
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