煉瓦の聖都 ダブモン!!14話05
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と、レファンが大通りを横に抜け、裏通りに入っていく、
俺達も追ってはいるが、さすがに教皇庁の首都、
鉢を置いて座る物乞いまがいの人はいるが、暴力的な人間は見えず、そこまで治安が悪いわけではないようだ、
「この辺りですよ~」
と、レファンについていった先、その左手にあったのはまるで一つの四角い石のような造りの・・・一つの小屋だった・・・
「いらっしゃい・・・」
奥のカウンターのさらに奥に鬱屈そうにカウンターに右ひざを付き頭を支えカウンター奥の椅子に座っているであろうバンダナをまいたスキンヘッドにサングラスにランニングシャツ一枚のおっさんが出迎えてくれた・・・
店のつくりは石床の本屋のようなもの右側に入口の方を向く上に行くための階段がある、ただし、棚は壁左際入口の方の物を除き全部低めだ、
そして、その低く作られ、上にアクセサリのようなものが細かく乗った縦にいくつも並ぶ棚、
「これは・・・魔道具!?」
アクリスがそこにあった物品を見て即座に判断する・・・
確かに、そこにある縦に三つ並ぶ棚、低めに作られたその上には怪しげなアクセサリーがあふれており、
壁際の別の棚にはなぜか頭蓋骨など置かれているが・・・?
「本物だぞ?どうなってるんだ?」
いつの間にか横でアクセサリを見ていたカンテーラが言う
「本当か?カンテーラ」
「ああ・・・」
こちらに視線も返さずに言う
「他の奴の意見は?」
他のダブモン達も見てるし・・・・
「確かに魔を感じるわね」「同感だ」「です」
ダブモンが全員一致で魔道具判定かよ・・・
「でも、教皇庁で魔道具は・・・」
「所持できないわけではないですよ、法律ではね、もっとも、問題を起こせば返ってはきませんけどね、法律では」
・・・なるほど・・・
背後からのレファンの開設に思わず納得する
「こんな商売良くできるわね・・・」
「ああ、睨まれっぱなしだよ、もっとも、教会内の事に詳しいんでね、睨まれはするがそれ以上は立ち入れはしない」
店主が不気味にクククと笑う・・・
「ふうん、つまり、魔道具と教会内に詳しいのよね・・・」
「そうだが?」
「じゃあさ、シスターマリアナとシスターリビエーラのこと知らない?」
ああ、あの二人か・・・以前教会で出迎えてくれたのがシスターマリアナで、俺がとっつかまえたのがシスターリビエーラだっけ?俺より年下の女の子だったな・・・
なぜか店主の目が細く鋭くなり四葉を斜目で見る
「へぇ、その二人のことを知ってるとは・・・知り合いか?」
「まぁ、そんなとこね」
「シスターマリアナは牢での行いが良ければ十数年で外に出てこれるとさ、もっとも、その先の処分はまだ決まっていないんだと、元の教会に戻すわけにもいかんしな、どこか遠いところに追放処分でも受けるんじゃないか?」
「そう、せめて、愛する人のお墓には戻れると良いわね」
「さぁな、だが、どこぞの異端審問官様が、死んだあと居場所がわかるなら女神様の神殿の村の神父の墓に埋葬するように懇願したらしいぜ、ま、牢屋での行いが良ければ通るんじゃないか?何人もの殺害に関与した大罪人になぜそこまで情けを駆けるのかはわからんが」
「まぁ、そんなんだけどね」
「大罪人にしろなんにしろ、」
レファン?
レファンが店主の方を優しくだが力強くまっすぐに見ている・・・
「事情があるのであれば、汲むべきです」
「へぇえそうかい」
やる気のない店主の返事・・・
「事情を汲んだうえで、しっかりと裁くのですよ」
「ま、確かにね」
四葉もどこかなぜかわずかに呆れながら同意しつつ
「で、シスターリビエーラは?」
「ああ、死んださ」
え!?とてもそんな風には見えなかったぞ!?そりゃ寿命が縮むとか言われてたけどさ・・・
「牢に入って二週間後、寝てる間に、な、寝顔はとても安らかだったそうだ・・・」
「そっか・・・」
四葉が顔を俯かせる・・・
そうか、あの婆ちゃん・・・だっけ、
死んだのか・・・
四葉だけでなく、カンテーラにウィルピー、兎白に鼓動まで神妙な面持ちになる
「それならば、黙祷をささげましょう」
レファンの提案により黙とうをささげしばらく
俺が目を開けると同時期にみんなが目を開ける
「さて・・・実はですね、ここに来たのは・・・」
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