バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ウルフォス/8

ウルフォス 8
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
f:id:OirenW:20200813023200p:plain
 
 「目から光を出して人々をさらう怪人、ですか?都市伝説とかではなく?」
 「都市伝説だとよかったんだが、残念ながら、出現した場所で空気中に妙な成分を発見してな・・・」
 研究室にて先生に呼び出され話しあう
 「妙な成分?」
 「変なにおいがして調べられたのだが、」
 「地球上に無い成分だと?」
 「そうだ、なので、調査してきてほしい」
 「わかりました!」
 先生に言われ皆と二台のセスハリアーに分乗し現場に向かう、場所は町中のうらさびれた裏路地、
 古びてさびた建物がたくさんある場所・・・それも真夜中だ
 俺達はセスハリアーから降り
 「俺達は宇宙人捜索隊じゃないんだがなぁ!」
 早々に鷲ヶ埼さんが愚痴る
 「宇宙人のことに関しては、どうするか未だに上でもめている最中だ」
 「確かに、相手が知性を持つ生物となるとそうそう簡単にはいきませんもんね、交渉するべきか、戦闘するべきか、まだ一人しか確認されてないというのも痛い・・・」
 「それで?宇宙から来た奴らに対応してた私たちにどうしてお鉢が回ってくるんですか?」
 今度は俺の言葉に続いて豹賀さんが隊長に尋ねた、隊長は豹賀さんの方を見て
 「まぁ、そういうな、上で決定が出るまでの辛抱だ」
 となだめる
 「うへぇ・・・」
 鷲ヶ埼さんが嫌がる中で、そんなこんなで皆で道路の端にに一旦集まって止まり周りを見回す、
 ちなみに今は私服だ、いや、私服風の潜入捜査服だ、制服だと出てくるかわからないんで、
 全員茶だったり緑だったりするジャケットに、シャツ、ジーパンかスカートだ
 ・・・正直、こんなもんが支給される時点で、宇宙人相手でもあれ達に頼ろうとしている感じがするのが気がかりだが・・・
 「懐中電灯など、光のある所では出てこないらしい、それに一人のところを狙われている、みんな、拡散して捜索だ、最初に言った通り、衣服には発信機が付いているから、それをもとに捜索する!」
 了解!
 そうして、隊長の指示通り俺一人で捜索して・・・ん?
 細い路地の中、真夜中にコートに圓鍔の中折れ帽子?明らかに怪しい・・・
 「あの?」
 そのコートのやつが振り返った瞬間、赤い光と共に、俺は意識を失っていた・・・
 ・・・
 目を覚ました時、そこにあったのは正方体の白い部屋だった、正面にのみ斜め凸凹な灰色の継ぎ目の左右に開く自動扉を備え、それ以外には何もない・・・
 俺は体に異常が無いか四肢を動かしたりして確認し、その間に気が付いた、
 服は変わっていなくても持ち物はすべてなくなっていたのだ・・・!?
 自動扉がいきなり開き、そこにはさっきのコートと帽子の男!?
 しかし、コートと帽子は黒く、肌は機械のような構造だ・・・
 「出ろ!」
 角ばった黒い銃のようなものを突き付けてくる
 ・・・仕方ない・・・
 ここの状況を探るため、俺は両手を上げ、おとなしく指示に従う・・・
 左右に伸びる白く無機質な通路を左に少し通り、左手にあった自動扉の先、
 「ここは・・・?」
 出た場所は、岩盤がある部屋・・・?
 そこでは、人々がつるはしを振るい、岩盤を壊し続けていた・・・?
 「うぅ・・・」
 「もう壊したくない・・・」
 さっきのやつたちのような奴らが監視しているが・・・話しかけるぐらいなら・・・
 「掘れ!そこにつるはしがある!!」
 言われ、目線の先、俺から見て左手後ろの壁に立てかけてあったつるはしを持って岩盤まで近づいてつるはしを振るい、岩壁を崩しつつ周りの人に話しかける
 「貴方たちは、行方不明になった人たちですね?あの赤い光を」
 「そうだ、赤い光を目から放つ男を見て、気が付いたらこんなとこに・・・」
 やはり・・・
 「他の人たちは・・・」
 「わからん、ここにどれぐらい人がいるのかも・・・」
 そうして、岩壁を崩していき・・・
 「よし!それでは戻せ!!」
 戻す・・・?
 他の人たちが崩した石や砂を取り、岩壁にくっつけていく・・・
 すると、それがくっついた場所より崩れず、まるで磁石のようにそのままになるではないか!?
 一体どうなってるんだ・・・?
 「次はこっちだ!」
 連れていかれたのは、白い部屋の中でやはり白いベルトコンベアの横・・・
 そのコンベアが縦横無尽に通り、同時に床地上部分に俺と同じく人が付いている・・・
 「まず、流れてくるものの上を回して奥まで回しきるんだ!」
 「わかりました・・・」
 「始め!」
 ベルトコンベアが作動し、ボルトとナットのような白いものが流れてくる・・・
 それを奥まで回しきること百ほど・・・
 「それじゃあ、次は外れない程度に上に回すんだ!」
 「え・・・!?」
 「始め!!」
 ベルトコンベアが逆始動し、僕たちは回し戻していく・・・
 いったいこれに何の意味があるんだ・・・
 「よし、終わり!続けて、指導者様より挨拶!」
 指導者・・・?
 聞こえたのは扉の開く音、少し右前上のそちらの方を向くと、シルバーの囲むような持ち手の付いた高い段差の上に胸に勲章を付けたコートの男が出てきて扉が閉まり、その指導者が俺達を見下ろし・・・
 「いやいや、頑張ってくれてるね、それじゃあ、我々のために頑張ってね」
 そう言って振り返ると扉が開き、戻っていった・・・
 「それでは、部屋に戻れ!!」
 そうして、俺はコートに連れられ、元の道を戻っていく・・・
 「おい、お前!!」
 と、途中で別のコートに呼び止められ
 「これはいったいなんだ!?」
 コートの手にあるのはウルフォスピラー!?
 「これは一体何だと訊いている!!」
 ううむ・・・
 俺は極力本心を悟られないように下手な笑顔など浮かべながらコートの方を見る
 「な、なんでしょうね・・・それを渡してくれればわかるかも・・・」
 「いいやダメだ!武器の類かもしれないからな!」
 ううむ・・・・やはりだめか・・・
 「さぁ、僕にも・・・拾ったものなので・・・」
 「そうか、わかった」
 そう言って振り返ると通路奥の扉の前に胸ポケットに入れた何かの白いカードのようなものを向ける、すると、扉が開きにその中に入っていき、扉が閉まった・・・
 あそこにウルフォスピラーが・・・もしかしたら他の荷物も・・・
 「おい!とっとと行くぞ!」
 「わかりました・・・あ、そういえば・・・」
 「なんだ?」
 「あの赤い光って何ですか?いきなり気を失ったんですが・・・何かすごい超技術とか、きっと、地球人では再現できないような・・・」
 脱出に向け、出来る限り情報収集しておきたい・・・
 コートの男が振り返り、上機嫌そうに帽子の前先を上げ、俺を見下ろす
 「ほう・・・どうやら、己の愚かさが分かったようだな、だが、種を明かすと簡単なものだ、赤い光を当てると同時に催涙性のスプレーをかけているのだよ、おっと、喋りすぎた、ほら!早く歩け!!」
 そして部屋に戻り、足を抱えて考える・・・
 ・・・とりあえず、ウルフォスピラーを取り戻すのが先決だ、だが、あの人たちはどうする?どうすれば開放してもらえる・・・?
 ・・・そうだ、あの指導者様とかいうのならどうにか・・・よし、一か八か・・・
 「おい!今日の作業だ、グハッ!!」
 さすがに全力で横からドロップキックかましたらこいつらでも吹っ飛ぶか・・・
 銃をとり、身体検査・・・
 このコートがあればばれないはず・・・
 ・・・両手で引っ張ったり剥がしたりしてみようとする・・・が・・・脱げない・・・
 致し方なく胸ポケットのカードのみ抜き取りウルフォスピラーのある部屋の前まで行ってカードをかざして入る・・・と、部屋の端の白い方体のような机の上にウルフォスピラーとそのほかの荷物が!
 急いで回収すると同時に後ろの扉が開く音!?
 「おい!何だお前うわっ!」
 すかさず銃を向け
 「人々を開放しろ、そうでなければ、あの指導者様とか言う奴のいるところまで連れていけ!」
 「わ・・・わかった!」
 急いで両手を上げるものの、腰元には銃がある、先に突きつけられ観念したのだろう、銃は念のため外して床に置いておく、
 そうして、ウルフォスピラーと荷物を回収しつつ指導者の前に・・・
 連れていかれた部屋は、奥の窓の向こうが地中に埋まっているように土で満たされ上にモニターなぞ設置されたまるで円盤の半分の様に銀色かつそこかしこで様々な光放つ計器で囲まれた部屋・・・
 その中央で向こうを向いていた指導者に銃を突きつけ問い詰める・・・
 「あんたが人々をさらった黒幕か!」
 「いかにも・・・」そう言いつつゆっくりとこちらを向く・・・その余裕ぶりに思わず銃を持つ手に力が籠る・・・
 「あんなことをさせて、何の意味がある!?」
 「無論、労働力にするためよ!」
 「なに!?」
 指導者が顔を上げて
 「いいぞ・・・知的生命体を労働力にして無理矢理働かせる、これぞ最高の贅沢だとは思わんかね?おまけに金も手に入る!!」
 恍惚な声を上げる・・・
 「そんなことのために!」
 「ふははは・・・・この数を」
 ズドン!
 「何だ!?」
 後ろからコート男が入ってきた!?
 「大変です!ドリルを付けた戦車が突っ込んできました!!」
 「なに!?兵士を」
 今だ!
 一気に指導者の後ろに回り右脇腹当たりから銃を突きつける!
 「こいつの命が惜しかったら、その戦車にすべてのさらってきた人たちを連れていくんだ!」
 ピピピ・・・
 回収した通信機が!
 銃持たぬ手で通信機のスイッチを押し回線を開き耳に当てる
 「学狼、聞こえるか!遅くなってすまん!いきなり地中に潜ったところで反応が消えたから、ずっと追っていたんだ、そしたら微弱ながらこの施設から反応が・・・」
 やはり隊長たち!
 「おのれ野蛮な地球人め!」
  兵士が糾弾するが・・・俺はそちらを見て叫ぶ!
 「いきなり人さらいを始めるような奴らに野蛮呼ばわりはされたくないな!さぁ、指導者の命が惜しかったら人々を開放するんだ!!」
 「ぐぬぬぬ・・・」
 兵士が後ずさりながら後ろに振り返り去っていく・・・
 さて、どう来る・・・?
 「学狼、人間たちがこっちに来たぞ!行方不明リスト全員だ!お前以外全員なようだな、彼らを回収し、脱出する!」
 よし!
 「わかりました!僕もそっちへ行きます!!民間人を地上に出し、その後合流しましょう!!」
 「わかった、健闘を祈っているぞ!」
 「ククク・・・野蛮な地球人が~!!」
 すると、指導者が捕らえていた僕の腕を振り切り、コンソールのボタンを拳下で押す!
 一気に体を浮遊感が襲う!
 「何をした!」
 「ふははは・・・さらば!」
 指導者が下に拡大していく!?どういうことだ!?
 いきなり部屋上のモニタが映り、そこでは指導者の足が町を踏みつけようとしているところが見えた、これはもしや・・・
 「ウルフォス!!」
 まったく・・・
 目の前にコートジュボアール星人がいる、頭の上に鋼のUFOを乗せたやつだ・・・
 「さぁ、私を倒してみるがいい・・・」
 はぁっ!
 爪がひらめくが、コートの中の皮膚には効かない!?
 「あまいな・・・!」
 コートジュボアール星人が拳を振るってくる!
 思わず後ろに避けるが、やつは余裕綽々と言った感じで両手両腕を翼のように広げ私を見下し
 「さぁどうした狼風情が!この私を傷つけることもできまい!」
 くそ・・・
 「ようやく外に出たぞ~」
 「早く脱出して警察車両と共にここを離れてください!!」
 ん?足元にドリル戦車が!?
 人々が出ていく・・・
 俺はそれを拾い上げ
 「使うつもりか~」
 「退避、退避~!!」
 パラシュートで隊員たちが出ていく中で水晶器官右上につけ、ウルフォスドリルとなる!
 これなら!
 「ワオオオオ!!」
 気合を込め右拳のドリルを叩きつけると、火花を上げコートジュボアール星人を吹き飛ばした!
 「ば・・・ばかな?!」
 とどめだ!!
 「ワオオオオオオオ!!」
 光のエネルギーをドリルに込め一気に突進、コートジュボアール星人を貫き
 「グワァアアア!!」
 コートジュボアール星人を爆散させた・・・
 ・・・
 「皆帰ってきてよかったですね」
 俺は急いで警察車両が駆け付けた街中の道路に駆け込み、
 そこにいた皆と共に帰ってきた人々が車両に乗り込んでいくのを疲れと安心感を同時に感じつつ見ていた・・・
 「まったくだな、しかし、人間を労働力としてさらうものがいるとは・・・」
 皆と同じ光景を見る中で隊長が言い放った
 「ええ・・・」
 「これからは全世界に対して、そういう宇宙人がいるのだと教えなければならんな、全く、宇宙人との平和な世の中が作れるのはいつになることやら・・・」
 「いずれきっと来ますよ、努力し続けていれば!」
 「そうだと・・・信じたいな」
 「信じましょう、疑いましょう、そしてその果てにどうすればいいか考えましょう、僕たちには考えることと努力することしかできないんですから・・・」
  
 ウルフォスソフビフィギュアシリーズ第三弾!
 行け、ウルフォス、ウルフォスドリルだ!!
 そして、鋼蚯蚓宇宙外来種 メタルワーム!
 ドリル対決だ!!
 タニシヘビとコートジュボアールも出るぞ!!
 肩、腰、膝、肘、鼠経部、首が可動!
 君のイメージで戦わろ!
  
 DXウルフォスソフビシリーズ
 03、ウルフォスドリル、メタルワーム、タニシヘビ、コートジュボアール!!
 
 ソフビシリーズ、続々!!
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――