ウルフォス 6
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「そうか・・・宇宙人か・・・こんな形で、初めてのコンタクトを取りたくはなかったな・・・」
「はい・・・先生・・・」
廊下で先生が窓から外を見上げる、おそらく、宇宙に思いをはせているに違いない・・・
「宇宙人とはもっと仲良くしたかったものだが・・・と、」気が付いたように俺の方を見返す「これから別件での調査だろう、早く行ってきなさい」
「はい、先生!」
そして、俺たちは二台のセスハリアーに乗り、岩山まで行く、
そこで見つかったものがあるのだ・・・
山道の振動で尻を痛くしながらたどり着き、セスハリアーを降りた俺たちの前に現れたもの、
それは岩山に張り付いたでっかい桃色の卵だった・・・
「何ですかこれ・・・?」
「卵か・・・どうすべきか・・・」
「光線銃で早くに破壊してしまいましょう」
隊長が悩む中で言い放った鷲ヶ埼さんの意見をすかさず隊長が首を細かく横に振って遮り
「待て待て待て待て、」
つつ首を止め言葉を続ける
「まだ何もしていないやつをむげに破壊してはならん、もしかしたら罠かもしれんし・・・」
「・・・」
丹頂池さんが近づいていき、しっかりと卵を見上げる・・・
「・・・これ、毒かもしれません・・・」
「え!?毒!?」
皆が丹頂池さんを見る中で、鷲ヶ埼さんが少し目を見開き驚きつつも、丹頂池さんは隊長に振り返り
「一旦卵から出ている粘液を採取し、基地で検査したいと思うのですが・・・」
「わかった、それじゃあ、私と豹賀で見張っておこう、鷲ヶ埼」
隊長が見る中が鷲ヶ埼さんが額にまっすぐ手を当て敬礼する
「はい」
「一緒に基地に戻って、セスウィングの準備をしておいてくれ、もしかしたら必要になるかもしれない、」と、隊長の目線が僕に向く「学狼も」
「わかりました!」
そして、二台のうち一台が基地に戻り、地下駐車場にてセスハリアーから降りた時、丹頂池さんが僕を見て
「学狼くん、一緒に来て、意見を聞きたい」
「わかりました」
そうして、白い研究室で、丹頂池さんが遠心分離器に粘液をかけたり、
「学狼くん、卵から毒が出る可能性はあるのかしら?」
「十分あり得ます、そうやって卵を守っているんです」
「卵を破壊した場合や、出てきた生物には?」
「もちろん毒はあります、破壊した場合でも拡散の恐れが」
「厄介ね・・・毒を無効化する方法は?」
「判断は難しいですね・・・とりあえず、毒を分析してみないことには・・・」
「データが出てきた・・・コンピュータに打ち込んで!」
僕は丹頂池さんに言われ横にあったパソコンに向かい、出てきた毒の成分通りにキーボードを打ち、二人でパソコンの画面を見る・・・と!
「あ!地球の生物の毒に似たような成分が!これなら熱すれば無毒化できる・・・!」
「本当だわ、これなら、人をよこしてもらって、一気に焼却処分できるわね」
「熱でふ化する可能性もあります、僕と鷲ヶ埼さん、出来れば隊長にもセスウィングで待機していましょう」
「ありがとう学狼くん、ところで」
丹頂池さんが不意に僕の方を見る
「何ですか?」
「どうして、外来種の研究なんてしてたの?」
「全ての命を守りたいから、じゃ、ダメですかね?」
「え・・・?」
「外来種達は自分の意思で生息域を離れたわけじゃない、それに外来種の来た地域の生物たちも迷惑している、それなら、外来種を放してしまった同じ人間として、出来る限りの責任を取りたい、そうすれば、本来の生態系で、一番理想的なバランスで、生命たちの生死が紡がれる、少し変わってると思われるかもしれませんが、それが、命を守ることの一環だと、僕は考えます」
「そうね、変わってるわね、普通は個々の命を守ることこそ全ての命を守ることになりがちだけど、あなたは本来あるべき環境を守ることで、本来あるべき生死を取り戻し、すべての命を、すべての種族をあるべき形で生かそうとしてるのかもしれないわね」
「なんて、これは大学に入ってから考えた理屈なんですけどね」
「え?」丹頂池さんお目が少し見開かれ驚く「本当は?」
「僕、農家の息子で・・・」
「あ、なるほど・・・」
「あ!丹頂池さんが衛生兵をしていた理由は」
「ないしょ」
「え~」
丹頂池さんが入り口に向かって歩き出し
「気が向いたら教えてあげるわ、」立ち止まりつつ少し僕の方を見る「さ、今は任務が先よ、うまくやったら、そばの一つでもおごってあげるから我慢なさい」
「は~い」
そうして、自衛隊より火炎放射器部隊が派遣され、俺たちは上空に待機する・・・
「それでは、火炎放射、始め!!」
隊長の声に炎に卵があぶられ・・・
「大変です!卵の内部で急速に活動が活発化!」
「ええい!やはりそうなったか!!火炎放射部隊!一旦退避!!」
火炎放射部隊が下がり、次の瞬間には卵を破り、大きな巻貝を背負った蛇のような怪獣が現れた!
「こうなってはやむを得ない、全体、攻撃!!」
そう指示した瞬間、巻貝を豪快に振り回す攻撃が俺の戦闘機を襲い墜落!!
「ウルフォス!!」
まったく、タニシヘビが相手か・・・
私は両の足を地につけ、しっかりと貝殻背負う蛇の怪獣と対峙する・・・
そこで威嚇するように爪を振るうと、避けるように蛇は殻に閉じこもってしまった
・・・まずい!!
殻の前面が空き、そこから桃色の液体!?
思わずもろに食らい倒れ伏してしまう!
ぐ・・・体が・・・
こいつの毒と粘液にからめとられ、身動きが・・・
「な・・・!皆の者!火炎放射をあの狼型怪獣に!!」
「隊長!何を考えてるんですか!?」
「お前たちもやれ!火炎放射アタッチメントをセスウィングに着けていたはずだ!!」
「・・・了解!!」
人間たちが火を・・・そんなもの私には・・・そうか!!
タニシヘビが頭を出し、ゆっくりと近づいてくる・・・
・・・今だ!!
思い切り右手を出し、タニシヘビの首を取る!!
もう逃がさん!!
「おお、やったぞ!!」
そう、人間たちはタニシヘビの毒を無力化するために炎を吹きかけていたのだ!
そのまま大きく地面に頭を叩きつける!
「グワォオオオオ!!」
さすがに首を取られては硬い殻に守られていても衝撃には耐えられない、内部の内臓にダメージが行くからだ・・・だが、ここまでやれば!
殻の前部分が開く!首を引っ込めるのは単に自分に液が掛かるのを防ぐだけだ、
だが、このタイミングなら!
「ワォオオオオオ!!」
液を吹きかけた瞬間、俺の光線が液を貫き、空いた殻の内部に入り込む、
光線は内部を焼き尽くし、そして、タニシヘビは完全に沈黙した・・・
・・・
「おいおいくえくえ、せっかくのそばだ!」
「おごりはお預けね、結局、墜落した後気絶しっぱなしだったんだから」
「はい」
俺は皆と屋台に立って一緒に屋台のそばをかっ喰らっていた、上には何も載っていない素そばだ、おごりならきつねぐらいのせられただろうが・・・
と、隊長がそばの器を左手に持ちながら何かを思い出すように宙を見る
「にしても、今回はタニシヘビの遺骸も回収できたし、研究班は大喜びだったなぁ・・・」
それに鷲ヶ埼さんがが勢いよく食っていたそばを中断し、口にそばを残しながら素早く隊長を見る
「その代わり、後処理が死ぬほど大変だって基地のみんなが愚痴ってましたよ、俺たちは今日休んでもいいって言われたけど、明日火炎放射器もって応援に行かなきゃならないんですからね!!」
すると、豹賀さんが箸持つ右手と共に左手のそばの器を目の前の屋台の客のための机に置きながらどこかむなし気に宙を見る
「森を切り開き、火炎放射で焼くのは心苦しいが、宇宙外来種からの未知の毒がある以上、ある程度は仕方が無い」
そこになぜか傍の木に背を預け立ったままそばを食べていた丹頂池さんも空を見る
「そうね、毒が残っていたらどんな影響があるかわからないものね、私たちにできるのは、被害を最小限に抑えることだけだわ」
「ですね、明日も頑張りましょう」
お~
皆の声が振り上げられた右拳と共に唱和する、
それでも、僕には少し気になることがあった、
あのウルフォスがタニシヘビの殻には一切攻撃してなかった気がするのだ、
おそらく、ウルフォスの爪でも斬り裂けないのだろう、
・・・これから、この調子で戦っていけるのだろうか・・・
少し不安になる僕だった・・・
セスハリアーと秘密基地のセットで登場!!
上部よりセスウィングを発進!
セスハリアーが地下からダッシュ!!
新たなセスマシンシリーズにも対応するぞ!!
DXセス秘密基地セット!!
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