ウルフォス １２
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「おーほっほっほっ！」
「・・・誰！？」
いつの間にか目の前に、白い空間に黒いドレスを身にまとった・・・宇宙人？青い大きな眼だけが印象的な、黒い人型の・・・
それが、白い優雅なテーブルセットの椅子に座り、こちらも白く優雅で青い横線の入ったティーカップに入れた紅茶をたしなんでいたのだ
「おーほっほっほっ！始めまして、わたくし、クロジャンヌ星人ですわ！」
「・・・クロジャンヌ星人・・・？」
「あなた、体内にウルフォスを飼っているそうですわね？」
「なぜそれを！？」
思わず銃を向け構える！
「そんな危ないもの・・・それ！」
と、クロジャンヌ星人が右人差し指を手首のスナップを利かせて上げるといきなり銃が消えうせた！？
思わず銃の消えた手を見て
「ど・・・どうなってるんだ！？」
「さぁ、目くるめく・・・ワンダーランドに！」
気が付くと、白い豪邸で、クロジャンヌ星人と腕を組み、楽しくスキップしていた・・・
「あはは・・・」
「うふふ・・・」
遊園地で楽しくソーサーカップを回していた・・・
「あはは・・・」
「うふふ・・・」
緑の芝生の公園でクロジャンヌ星人とスマホで自撮りを・・・
「あはは・・・」
「うふふ・・・」
じゃねぇ！！
思わず立ち上がって拳を構えると、白い空間に戻ってきていた・・・
「一体どういうつもりだ！！」
「あら、」右手の平を呆れたように外側上に出しながら「もう少し楽しみたかったのに」
と、言うクロジャンヌ星人
その物言いに俺は少しいら立ちながら思わず
「はぁ！？」
そう言い返した
「私、ウルフォスに会いに来ましたの・・・」
「ウルフォスに・・・？なぜだ！？」
「少なくとも、ここにきているほかの宇宙人とは違いますわ、さ、ウルフォスを渡してもらいましょうか？」
他の宇宙人？そういえば、他の宇宙人はなんでこの星に来てるんだ？それに宇宙外来種の調査もよくは・・・
ええい！考えてる暇は無い、今はこいつにウルフォスを渡さないようにしなければ・・・！
もう一度、今度は思い切り拳を握り構える！
「そういうつもりなら！」
「あら？女の子に拳を振るう気？」
「宇宙人に地球人と同じ性別があるとは知らなかったよ！」
拳を入れるも後ろに避けられ、回し蹴りも、華麗に回転しつつ避けられる
そして、止まりながら改めて俺を見据え
「お話になりませんわ」
「この！」
踏み込みつつ拳で突きを繰り出すがこれも後方大跳躍で避けられる、
着地しつつ整然と俺を見るクロジャンヌ星人
「ここはあなたの夢、しかし、あなたの夢ではない、正確には、あなたとウルフォスの空間なのです」
「だから何だというんだ！？」
「こういうことですわ、はぁああああ！」
と、クロジャンヌ星人が巨大化！？
どうしてもウルフォスを呼び出したいみたいだが、本当に出していいのか！？
俺はウルフォスピラーを手にし・・・
いきなりウルフォスピラーが光った？！
「ウ・・・ウルフォス！？」
全く、騒々しい女だ・・・
「あら？どちら様ですか？」
あ！？
女は疑問符を抱いて細かく角度を変えつつ俺を見てくる・・・
「あれ・・・・おかしいですわね・・・こんな見た目でしたっけ、グハァ！！」
思わず爪の一閃を叩きつけていた！
クロジャンヌ星人が大きくのけぞるもすぐに体勢を立て直し、興味の視線と思わしきものを向けてくる
「戦いを好む荒々しさ・・・いいですわ、お付き合いいたしましょう！！は！」
いきなり閉じた黒傘を召喚、その先を向け、闇の光線を発射してきた！！
それを爪で軽々とはじく！
「あ・・・あら・・・？」
残念だが、私の、いや、私たちの精神世界で負けるわけにはいかないんでな！
「ワオオオオオオオ！！」
「きゃああああ！！」
大声でクロジャンヌ星人が耳をふさぐようにして動きを止めさせ
ここから出ていけぇええええ！！
「ワオオオオオオオ！！」
思い切り光線を吐きかけ、クロジャンヌ星人を吹き飛ばし、空間の一部が割れ、その先に見えた青空に向かって外に追い出す、と、すぐに空間が元に戻った・・・
・・・
「ハッ！」
基地内の壁に横長カプセル状の窓のある部屋の少し壁から離れたベットで目を覚まし、上半身を上げる・・・
・・・なんだったんだ今のは・・・夢・・・だったのか・・・？
ウルフォスどら焼き！
ウルフォスの焼き印が入ったどら焼きだ！
甘くておいしい、ビタミンＣ、カルシウム配合！
十五種類のカードのうち一枚が付属しているぞ！
おじいちゃん、おばあちゃん、家族みんなとも一緒に食べられる！
お孫さんへの贈り物に、十五個入りのお歳暮お中元パックも！
子供もウルフォスも大好き！
ウルフォスどら焼き！
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ウルフォス／１２
