オリジネイトスター 4
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オフロードのオーバルサーキット、最終コーナー・・・キレが・・・悪い!
なんとか追い上げるも前方に二台残し、そのままゴールまで突っ走ってしまった・・・
・・・
「くそ!」
「まぁ、そう焦るな、少し調整を変えてみよう・・・」
おやっさんがそう言ってバイクにかかる、
「今日は日差しが強かったでな、道路の路面の予測が甘かったやもしれん、ま、この調子じゃ、ランクアップも遠いだろ、ふぉっふぉっふぉっ」
「マコトさん、これ」
「お、すまんな」
コウが出してきたデジタルウォッチと二つのメモリを受け取る、
「メモリの中には重機のデータがあったって言ってましたよ、残ったデータから、3つのコスモスターの力を行使するためには、受け皿となる部分が必要そうだといってました、後、興味湧いたからもっと長期間貸してくれとも」
「嫌だと伝えといてくれ」
「は・・・はぁ・・・」
にしても、受け皿が必要・・・か・・・コスモスター3つ以上だとそうなるのか・・・あの時は同時発動扱いになっていたのか・・・
ピリリピリリ・・・
ん?デジタルウォッチが鳴ってる・・・
画面を押すと、マップと赤い点が表示された!?
「わりぃ!ちょっと行ってくる!!」
思わず周りに声を掛けながらサーキットの外に向かって振り返り走り出す!
「え!?マコトさん!?」
住宅街の一角で、スマホであいつを呼んで行くという返事をもらいながらも俺は黒い怪人を見つけ出す!
襲われているのは大分白くなった髭を生やした顔と胴の四角い老人と同じ年齢ぐらいの細長い女性のおそらく老夫婦!!
二人と怪人の間に割って入り、怪人と対峙する!
「大丈夫ですか!?」
「誰だ・・・お前は・・・」
「名乗るほどのもんじゃねぇよ、」俺は老夫婦に顔を向け「逃げてください!!」
「わ・・・わかった!」
老夫婦は逃げ出そうと「おっと、そうはいかないな・・・」
後ろより現れたのは狼を短く縮めたような顔の・・・ビクドグ!?
それなら・・・試してみるか!
メモリ二枚をデジタルウォッチにセット、ボタンと共に画面をPUSH!
「牡牛座!牡羊座!山羊座!!」
重機の幻影がスーツと共に俺に一体化する!
「チェンジ!!サターン・アァアアアアアッム!!」
「な・・・なんだその姿は!?」
黒いスーツの上に、二つ腕の重機イメージしたかのようなアーマー
「悪魔のような両腕と力により相手を粉砕する、パワーファイター・・・サタ「面白い、新しい姿か・・・行くぞ、ナックス」
ビクドグが先行で攻撃してくる・・・ここだ!
前の方に右アームを展開し、爪を受ける!
「ほう、面白い」
「これならば!」
その間に怪人がこっちに向かって火を吐いてくる!
「このくらい、なんてことはない!」
左アームで防ぎながら一気に振り返って走り出し火の中を突っ込み、飛び蹴り一閃!
「ぐはっ!」
そのまま、右アームを叩き込み、左拳ストレート!
「がはっ!」
このままとどめだ!
「おっと、致し方ない・・・こっちだ!」
「た・・・助けてぇ・・・!」
「君子!」
後方の声の聞こえた方を見ると、ビクドグがあのおばあちゃんを羽交い絞めに!?
「あいにくと、千載一遇のチャンスなのでね、返して欲しくば、町はずれの工場跡地に来るんだな、ナックス」
「・・・」
そうして、ビクドグと怪人が跳躍しつつ去って行く・・・逃げられた・・・?
「マコト!」
「マホ!あ、その人は!!」
駆けてきたマホが、おじいさんに近寄る・・・
「大丈夫ですか?えっと・・・高田、智夫先生・・・ですよね?」
老人がマホを、見て目を丸くし
「そうだが・・・君は?」
「あ!始めまして!」
律儀に頭を下げて上げるマホ、
「明暁魔帆といいます!先生の御本はよく読ませてもらってます」
「ああ・・・私の本を・・・」
「はい!私、大学でコズミックホラー研究会に所属してまして、それで仲間とも先生の話を・・・」
こいつ、コズミックホラー研究会ってそんなトンチキな部に入ってたのか・・・ってコズミックホラーってなんだ?いやそれより・・・
「おい!今はそんなこと話してる暇ない」
「え?何かあったの!?」
老人の顔がみるみる青ざめる
「実は・・・妻がさらわれてしまって・・・」
「奥さん!高田君子さんが!?」
「なんで奥さんの名前まで知ってるんだよ・・・」
マホがいきなり俺の方に目を見開いた非難するような表情の顔を振る!
「知らないの!?この人たちは、有名なコズミックホラーの作家さんで、ラヴ・ラフト研究においてもその名をとどろかして・・・」
「コズミックホラーって一体何なんだよ・・・」
「コズミックホラーっていうのは、宇宙や異次元などの全く未知のものを恐怖の根源とした作品群のことで・・・」
「あの・・・妻が・・・」
「あ!すいません先生・・・」
マホが老人に向き直りつつ素直に謝った・・・
とすぐさま俺の方に向き直り、
「で、どこに連れて行かれたの?」
「町はずれの工場跡地に来いって言ってたな・・・」
「町はずれの工場跡地・・・ってどこ?」
「さ・・・さぁ・・・あ、そうだ・・・」
変身を解き、デジタルウォッチを見ると、マップと赤い点が・・・
全員の視線がそれに注がれる
「なるほど、この場所に行けってことね・・・で、コスモスターの所持者って、その奥さん?」
「いや、俺には分かんない・・・」
「奥さんに何か、ああいや・・・」
旦那さんの作家先生がいるのを気にして、おそらく、極力穏当な言葉に変えようとしたのだろう、
「とにかく、奥さんを驚かせて、コスモスターを出そうとしているのか、それとも、先生を・・・」
「いや、わかんねぇ、どっちの可能性もあるからな、とにかく、向かわないと・・・」
場所はすぐに見つかった、そこそこ大きな工場の跡、見つからないように俺達は身を隠して様子をうかがう・・・
内部では、赤い光を放つ巨大な溶鉱炉の上に、鎖で縛られた奥さんが釣られ、その様子をビクドグと怪人がうかがっていた
「き・・・君子・・・!」
「落ち着いてください、勝手に行動されると助けられるものも助けられなくなりますから・・・マコト、何か手は?」
「ううん・・・そうだなぁ・・・」
アリアス、タウラス、ジェミニ、キャンサー、レオ、ヴァルゴ、ライブラ、スコルピオ、サジタリアス、カプリコーン、アクエリアス、ピスケス・・・う~ん・・・
・・・
「人質を解放しろ!!」
ミスリルスターとなった俺と、マホ、それに作家先生が工場内へと入る、
「来たな・・・」
ビクドグと怪人が俺達の方に歩いてくる・・・
「た・・・助けて~」
「君子!」
「おっと!」
思わず奥さんに向かって歩前に出る作家先生を声で制止するビクドグ・・・
「これ以上は近づくな・・・」
「お前達!一体何が目的だ!!」
「なぁに・・・お前達が絶望してくれればそれでいい・・・」
「なんだと!?」
「そうだなぁ・・・まずは指を一つ一つ・・・」
「そんなことさせるか!!」
「おっと、お前も動くなよ?上のあれを忘れたか?いいんだぜ、鎖を叩き切ってあの女を溶鉱炉に落としても・・・ただでは済まんだろうがな・・」
溶鉱炉は今だに煮えたぎる音を立てて赤く光っている・・・
これじゃあ、動けない・・・
「さて・・・こちらの要求を呑んで「はぁっ!」
ビクドグの後ろから声・・・そして、老女を抱えて鎖を力ずくで千切りつつ溶鉱炉の淵に着地しそこよりこちらに飛んできたのは・・・俺と同じミスリルスター!!
声のした方を見て、目を丸くし驚愕するビクドグと怪人!
「な・・・なんだと!」
「どうなってるんだ!?」
「よくやったぞ、俺の分身!」
俺はここに来る前に変身してジェミニを使い、二人に分身して、裏口より入って救出するタイミングをうかがっていたんだ!
と、そこで老人夫婦二人よりコスモスターが浮かび上がる、二人ともコスモスターの所持者か!?
俺の方に二つのコスモスターが飛んでくる
「させるかぁ!!」
走り込んでくるビクドグ、気付き、コスモスターを回収しつつ迎え撃つ俺達、交差する中でにの結果は・・・
「どうやら、引き分けのようだな・・・」
互いの右手の平に握られた、向こうに一つ、こちらに一つ!すぐにデジタルウォッチにコスモスターを吸収!
そして皆に向かって顔を向け
「マホ、二人を頼むぞ」
「わかってる、さぁ、こっちに!」
マホと先生方が退避している間に、俺達?俺?あ、いや、俺と分身は前後のビクドグと怪人に対峙する、
「コスモスターの無くなったやつらに用など無い・・・!行くぞ!!」
ビクドグの方に走り込む俺、が、その数倍の速さでビクドグはこちらに来て、俺の体をその爪で幾度も斬り、刻んでいく・・
「どうしたどうした、この程度か・・・」
俺の方は防戦が精いっぱいだ・・・
対し、後ろの方では分身が怪人と対峙する・・・
怪人の方に走り込むと炎を吐く怪人、それを大跳躍で怪人の後ろの方に回り込み、回し蹴りで弾き飛ばす!
「がはっ!」
そこから、跳躍踵落とし、二連続の回転蹴り、正拳突きと続けて決めた!
「がはあっ!このお!」
炎を分身の方に吐きかける・・・今だ!!
「ジェミニ・コンストレーション・フィニッシュ!!」
俺の方も一気に大跳躍、
「なに!?」
ビクドグが対応しきれないうちに分身が繰り出した大跳躍の飛び蹴りを受け止める、怪人!
「この程度!」
「こっちだよ!」
そこで繰り出した俺の大跳躍の飛び蹴りが怪人の頭を後ろから貫き、力が込められなくなった怪人に向かって分身の蹴りも炸裂して貫き、交差する蹴りの衝撃が、見事に怪人を爆発、消滅させた・・・
分身が消え、水晶を回収、改めてビクドグと対峙する・・・
「ほう・・・私ではなく、ナックスを狙ったか・・・!」
「さぁ、ここからが本番だぜ?」
サターンアームメモリーをセット!
「牡牛座!牡羊座!山羊座!!」PUSH!!「チェンジ!!サターン・アァアアアアアッム!!悪魔のような両腕「ならば・・・行くぞ!!」
向こうが加速してこっちにくる・・・だが・・・!
「アリアスストライク!!」
いきなり現れた、全方位の羊の羽毛のようなバリアが、ビクドグの爪の攻撃を受け止めた!
「なに!?」
「・・・アリアスウールディフェンス!!」
「そこだ!」
俺が右拳を叩きつけ、続けて右足を叩きつける、こいつのスピードに俺は付いていけない、一気に決める!
「アリアス・コンストレーション・フィニッシュ!!」
至近距離で一気にバリアのエネルギーを爆発させる!
気が付くと、ビクドグはいなくなっていた・・・
「今日はこのぐらいにしておいてやろう、こいつを届けなくちゃならないんでな・・・」
上後方から聞こえた声に振り返りながら見上げると、そこには工場の壁際の金網通路にビクドグが上に上げた手の平よりコスモスターを見せびらかしながら立っていた・・・!?
「じゃあな、次に会えるのを楽しみにしているぞ・・・!」
そういって、疾風のようにいずこかに消えて行った・・・
「ちぃい・・・」
変身を解き、外に出る・・・とマホが駆け寄ってきた
「マコト、あいつらは!?」
「大丈夫だ、ビクドグの方は逃がしちまったが、怪人の方は倒した・・・」
「ありがとうございます」
そう、マホの後ろの作家先生の老夫婦が頭を下げた・・・
俺は思わず右手を振って謙遜を示し、
「いえいえ、出来ることをしただけですから・・・」
が二人は顔を上げ、
「そんな、命と妻を救っていただいたんです、何かお礼を・・・」
「俺はいいよ、」
言いつつマホに目線を送り
「マホ、何かあるか?」
「え・・・それじゃあ・・・」
そう目線が若干浮いて戸惑いながら言いつつ、マホが二人に振り返り、
「いいですか!!」
・・・
コーナーリングからのストレートの立ち上がり・・・今回は切りが早いぜ!!
隙間を縫うように前方のバイクをごぼう抜き、そのまま一位を勝ち取ったのだった・・・
「よくやってくれたのう・・・」
「おお、みんなのおかげだ」
バイクピットで二人に向かって大きく声をかける俺
が、コウは少し非難するように俺を見上げ
「何言ってるんですか、おやっさん、昨日の夜、寝ずに整備してたんですから」
「なに!?」
え!?知らなかった!?思わずおやっさんの方を向く
「そうなのかおやっさん!」
おやっさんは口端に少しの笑みを浮かべ
「ふ・・・わしにも意地があるというものよ・・・」
「お~っし、それじゃ、仕事終わりに飲みに行こうぜ!今回はおやっさんに俺がおごってやるよ、いっつも苦労かけてるしな!!一杯だけ」
「は・・・若造が・・・」
ああそうだ、
数日後、マコの腕と脇には、サインの書かれた二冊の方が抱きかかえられていた・・・
ことを述べておく・・・
カードメモリをセット、変身!
「オリジネイト・スタァアア!!」
さらに、サターンメモリーをセット!
「牡牛座!牡羊座!山羊座!!チェンジ!!サターン・アァアアアアアッム!!」
ボタンを押して星座の力を開放せよ!!
「タウラスストライク!」
画面を押して必殺技!!
「タウラス・コンストレーション・フィニッシュ!!」
「サターンアームフィニッシュ!!」
DX・スターウォォオオオッチ!!
そして、サターンメモリー!!
メモリーシリーズ続々登場!!
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