バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~/17

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~ 17
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 やってきました!スタイリッシュ駅ビル!!
 内部は黒く輝く柱が床なんかに格子状に広がり、そこを埋めるような白く輝く石が配され、
 目の前横にはガラス張りのパン屋や奥におにぎり屋や花屋が見えるっ!私は後ろの三人に向かって振り返り
 「皆!極力お金持ってきてほしいって言ったけど持ってきた!?」
 「持って来たけどさ・・・」
 「そりゃ・・・」
 「一体どういうつもりだよ・・・」
 聞こえたのは力無き声、見えたのは力無き態度っ!!
 私の今の衣装は夏をイメージした若草色のワンピースにピンクのリボンが中央に留め具かつアクセントとしてついてる白い薄手の半袖上着を合わせたもの、
 それに若草色の靴に白のショルダーバック!
 それなのに・・・
 一緒に集まった3人ともジーパンに青、黒、灰色のシャツなのだ!!(久利亜ちゃんは普通の、弧己す君と孝行君はボタンが前に並ぶ前合わせの、)
 ええい、センスが無い!!
 「いや、お前の言いたいことはわかるぞ、今日はここでみんなで買い物しようって話だろ?」
 「だよな・・・それは俺にもわかる」
 「で、どこ行くの?八階?それとも地下二階?」
 「なんでいきなりそこになるのよ!!」
 私は三人の呆れた声と態度に檄を飛ばす!さて、唐突だが、この駅ビル555(ゴーゴーゴー)の構造を説明しよう、
 駅と一体化するほどに隣合う一階は先ほど言ったパン屋やおにぎり屋、それに花屋や100円ショップがある、
 二階~三階はレディース、四階はメンズ、五階はメンズに加え宝石や時計の高級品店、六階は音楽、スポーツ用品等、七階、キッズ、旅行、八階、書店、文房具店、九階、催事場、十階、レストラン街、
 そう、いきなり八階に行くということは本にしか興味ないという事の意志の表れなのだっ!!
 私なんて、一度も立ち寄ったことが無いっ!知識が必要ならスマホでどうにかするっ!!
 さらに、ここには地下街があり、地下一階はガラスケースで売られている様な高級食料の店が並び、
 なんと、地下二階はゲームやパソコン用品などが所狭しと売られているらしいのだっ!!
 そこに行きたい気持ちもあるかもしれんがっ!今回は私が主催なので私に従ってもらうっ!!
 「というわけで、四階に行きます!」
 「へ?」「四階?」「てっきり、二階か三階に行くもんだと思ってたわ・・・」
 「ほらほら、行く行く・・・!」
 そうやって、三人を押して中央のエスカレーターに押し込んで上って行く、
 この駅ビルはこのエスカレーターと全体四方向にあるエレベーターで行き来する構造になっているがこの説明は駅ビルの説明の単なる続きである
 エレベーターを踵返しで乗り継ぎたどり着いたそのフロアは、白くきりっと整然とした光が照明によって照らされた、色とりどりの服がハンガーにかけられキャスター付き鉄の低めハンガーラックに並んでいたり壁や柱に展示する感じで黒や藍色のスーツが広げ掛けられていたりするフロアだった
 「さ~今日はあんたたちのファッションセンスを見直してあげる!」
 「はぁっ!?」
 「はぁっ!?」
 二人の驚きの声がハーモニックを奏で私を見る中で、久利亜ちゃんが呆れ納得したように首を縦に振る、
 「いやいやいや、そんなお金今回持ってきてないから!!」
 すかさずに弧己す君が反論しだすが、私は
 「いいわよ、今回は私が選ぶんだし、私が出すから」
 スパッと言い切った言葉に、今度こそ、二人は絶句し、久利亜ちゃんも素早くこちらを見る、目を丸くして驚きの表情で
 「その為に小遣い前借してきたし、大丈夫!私ファッションセンスあるから!!」
 「その自信はどっから・・・いやいや、そうじゃなくて・・・」
 弧己す君は息を整えつつも、私の方を真剣にまっすぐに見据え
 「女の子にそこまでしてもらうわけにはいかない、今回は何を選ぼうとも俺が出す、幸い、このこと話したら、おふくろが5万も出してくれたし、今回は問題無い」
 「・・・そう?」
 実際はあまり心もとな・・・ゲフンゲフン!!思わず心情を咳払い心ごまかす私
 「そうそうそうそう、あ、俺はあんまりないから、弧己すの方を重点的に選んでやって、俺達はよそ見てるから!」
 「そうね・・・」
 え?耕氏君?久利亜ちゃん?
 二人は慌てた様子と呆れた様子をあらわにし、私は・・・弧己す君がやったように、まっすぐに弧己す君を見据え返し・・・
 「じゃ、じゃあ・・・行こうか、弧己す君」
 「あ・・・ああ・・・」
 そして、私達は、エレベーター出口から離れ服の並ぶ中に向かって歩き出す、そして、ラックにかかった一着の服が目に留まり立ち止まる
 「あ、これなんてどう!」
 ハンガーに掛けてあった星の書かれた白青縞のシャツを弧己す君に合わせてみると、弧己す君はなぜか顔を赤らめ
 「いや・・・これは・・・」
 「ああ、子供っぽ過ぎるか」
 「・・・」
 「あっ!?こっちの方がいい!?」
 服を戻しつつ黒字に大きく白黒でリンゴが書かれた服を取って合わせる
 「えっと、これより」
 「地味すぎるかな!?」
 「えっ・・・?」
 そうして、きゃいきゃいとどことなく楽しく、私達は服合わせを行って行った・・・
 「5階行こう、」「まだやるのかよ・・・」
 しかし、似たような5階に行ってもいい服が無い!!と、エレベータの上の隙間から目に留まる!
 「ヒップホップファッションか・・・」
 「ま、どっかの猿真似になるとは思ってたけど・・・」
 いや、すべては猿真似から始まるのだ!
 こうして・・・
 「全体的に合わせてみました!!」
 左胸にカラフルないくつもの缶バッチを着けた黒い長薄着のシャツに薄い水色のシャツを合わせ、ズボンはそのままだが、銀色のベルトを合わせ胸に十字架のシルバーアクセサリ・・・
 ううむ、派手さが足りないが・・・
 「どう!」
 「いいんじゃないか?」
 「以外にシックにまとめたことに驚いてる」
 「色物もいいんだけど、合わせてたら違和感出るのよね~」
 十階の粥屋にて餅入りおはぎ粥(抹茶味)をすすりながら合流した耕氏君と久利亜ちゃんと共に窓の横の対面席で意見し合う、
 飯ではなくおやつである、念のため
 「ま、その缶バッチとアクセサリ探すために5階と6階にまで足を延ばしたのは称賛する」
 「なんで缶バッチが音楽用品店に売ってんのよ・・・」
 「雰囲気付けだ雰囲気付け」
 耕氏君と私の会話に呆れた様子で割って入る弧己す君
 確かに、クラシックというよりかは黒とネオンでサイバーな感じの店だったけど・・・
 すると、私の目の端に隣廊下側で椀をすすって一息する久利亜ちゃんが目に留まったっ!!
 「っていうか、そのきなこ粥はどうなの!?」
 「あんまし変わんないと思うけど」
 すかさず私は人差し指を勢いよく立てる!
 「一口!」
 「嫌よ、男子見てんのよ!」
 「関係ないわ!!」
 即刻に久利亜ちゃんが私の方を向き大口を開ける!
 「関係あるわ!!」
 こうして、私達の日常はわーきゃーと過ぎて行くのだ・・・
 
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