Demon'Blacksmith Bustle 魔鍛冶師の喧騒 6
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俺の即席鍛冶で作ったナイフがドレイクの肉と甲殻、骨を切り分ける音が響く、
さすがに血は持ってこれなかった、竜種っていうのは魔力とか生命力に満ち溢れてて、血も利用できたりするのだが、
いかんせん持ってくるための道具がない・・・
「さすがにうまいのぅ・・・」
爺さんが俺の手つきを見て感心する、
ここはあの魔鍛冶台のあった部屋、ようやくドレイクの死体を持ち込み、解体作業をしているところだ、
だが、骨や甲殻は保存がきくとして、肉はどうすべきか?干し肉にするか?でも、ここには塩とかなさそうだからな、だとすれば火を入れないと・・・
いや、せっかくだし・・・
そうやって肉と骨と甲殻や目玉などを切り分ける、
・・・目玉も魔力で封印しておくか・・・
ファイヤドレイクには毒のある部分は無かったはず、内臓も丸ごと食べられる・・・
「お前ら、一緒に飯食うか?」
「賛成!!」
「これを喰うのか?重そうじゃが・・・ご一緒させてもらおうかの・・・」
なんだかんだでリッキーも爺さんも乗り気なようだ、俺も魔力減ってるし、ここいらで力を着けておきたい・・・
ナイフでドレイクの肉を薄く切り分け、
「火はどうするんじゃ?」
「こいつを使う」
俺はフレイムシールドを裏にして置き、魔力を込める、
すると熱せられ、そこに肉を置くといい音と匂いがしてきた
おぉ~
「わしゃフォークと小皿を持ってくるわい」
「頼むぜ爺さん」
とまぁ、そんなわけで、竜の肉汁滴る肉を一通り食った後、
干し肉にはわしがどうにかしてやっておく、
という爺さんの言葉に甘え、俺たちは入口から外に出て歩き出したのだった・・・
「いいんですか?竜の素材で強化とかしなくて?」
「俺の戦闘スタイル知ってんだろ?当面は火透石一個で大丈夫だよ、竜の肉体で強化したブルースパイラルもあるし、何かあったら取りに戻ればいい、荷物になったらご免だ」
「そうですか・・・」
実際問題、かなりの量あったし、そもそも、生きてる時の一番生きのいい部分は銃に込めちゃってるしな・・・
そうして、今度は火山の通る部屋を扉の正面の通路に行き、
光が右側の高い場所にある穴窓から差す中で左にある通路を二つほどスルーした次の分かれ道を左に曲がり、
新しい扉の前に出た、
鉄枠の大きな両開きの扉には、細かい文字を間に挟んだ三重円で構成された赤い魔法陣が浮かんでおり、
魔法陣の中央にはさっきのドレイクの横顔が浮かんでいた・・・
「こいつは・・・?」
「俺さ、ドレイクが倒れた時、この扉のことを思い出したんだ!!」
なるほど、ミノタウロスのような門番がいないと思ったら、あのドレイクそのものが門番だったわけね・・・
「それじゃ行こうぜ!」
「おお!」
こうして俺は両の扉を開け、先へと進む・・・
・・・しおの香り・・・?
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