バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

Demon'Blacksmith Bustle 魔鍛冶師の喧騒/10

Demon'Blacksmith Bustle 魔鍛冶師の喧騒 10
 
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 で、どこから回るか・・・?
 歩き出した先、左手に島へと向かう扉のある場所まで来る
 右手から差す陽光の中で頭を巡らせる・・・
 とりあえず、地図でもあればいいんだがあぁ・・・
 でも、全く別の場所につながる扉以外は割に普通の城の構造してるし・・・おし!
 俺は適当に歩き出した、こういう場所は、とりあえず、上層階に行けばいい!
 と、そこで左手の通路行き止まり右に扉型の穴の先に螺旋階段を見つける、
 お!
 ふむ・・・細長い筒のような部屋の中・・・構造上は見張り塔へ・・・か・・・
 一応登ってみるも、一番上に出る、窓型の穴のほかに何も無し、向こうには曇点の空があるのみ・・・
 仕方が無い、また今度でいいか・・・
 そうして、いったん元の場所まで降り、
 再び廊下を歩き出ししばらく、思いもよらぬ場所に出た、
 ・・・これは・・・正面玄関・・・?
 と、家でいうならばそういう場所だ、
 右手中央に鉄で作られた大きな門が固く閉ざされ、
 四角い部屋には中央に二階に行く大階段が存在し、門の反対側の角にはそれぞれ少し間を開けそれぞれの先に行くための通路が作られている・・・
 階段と門の間には朽ちた赤いじゅうたんが敷かれ、壁には傾き朽ちた四角い額縁に入った顔無しでドレスの女性が描かれた絵、天井には木を逆さにして幹を鎖にし枝をしっかり歪みなく上に伸ばしてたくさんのガラスの花を付けたような金のシャンデリアが存在しているが、ガラスの花はすべて割れたりひびが入り台無しになっている
 そして、周りには門から見て左右壁に槍持つ甲冑が一定間隔で置かれていた・・・
 ふむ・・・とにかく上に行ってみるか・・・
 そこにここの城主様がいるかもしれないしな!!
 等と考え中央階段を目指し、その前に到達する、と・・・
 ガシャ・・・
 「へぇ・・・」
 周りの甲冑たちが歩き出し、俺達を取り囲む・・・!
 「ど・・・どうすんだよ!?」
 「こうする」
 背後の門の鎧の方に銃を向け、水弾を発射すると、狙った通りにぶち当たって向こうまで飛び、床に当たって鎧がパーツごとにはじける!
 ・・・この手のリビングアーマー、思念や魔力の憑りついた鎧には実は意外な弱点がある・・・
 一つ、やはり古いより新しい鎧・・・正確にはきちんと手入れした古い鎧の方が動きがいい、
 憑りついた思念は鎧の手入れなどしないため、外面がよくても実は関節部がすでに破綻寸前となり、もしくは破綻状態になっていて、
 その分思念のリソースが割かれ、どうしても動きが鈍ってしまう、
 なので、リビングアーマーの鎧はきちんと手入れしてやったほうがいいのだ、古いほど思念が憑りつき集まりやすくなる半面、物理的な部分で弱くなってしまうのだから、
 もう一つ、実は魔力の攻撃や気合を込めた攻撃に弱いこと、
 魔力の攻撃はともかく、なぜ気合を込めた攻撃に弱いかと言えば、
 リビングアーマーにとりついた思念や魔力は、攻撃に気合を込めることで思念や魔力同士をぶつけ、打ち払うことができるのだ、
 だから、リビングアーマーに囲まれたときもあきらめる必要な無いのだ、多分!!
 まぁ、そんな理屈を立て込めた後、俺は水弾で陣形の崩れた部分に飛び込み、一気に思念を込め回転して剣を振るう!
 放った剣は物理的に斬り裂くことすらかなわなかったが相手を確実に弾き倒れさせ、思念が打ち消されたのか全く動かなくなった、
 そこに一気に殺到してくるのを急いで門のところまで行って相手を一団にまとめ、その中央に杖で火の魔法で火球をぶっぱなす!
 ゴウ!
 大音量の火の音は、弾けた火で絨毯を少し焦がしながらも鎧達を魔力を打ち消し倒れさせ、そこから残った相手に一気に外側を時計回りに走り抜けながら剣をぶち当て、
 全てを倒れさせ沈黙させたのだった・・・
 「す・・・すげぇ・・・」
 「なに、フル装備の俺ならこんぐらい朝飯前だ」
 へぇ・・・
 と、リッキーとの応酬含めそんなひと悶着ありながら中央の大階段を上り・・・
 ・・・正面と右手側が壁になっている・・・か・・・
 どう考えてもあり得ない構造だ、正面の大階段を抜けた先が曲がり角?あり得ない・・・
 っつーことはだ・・・
 俺は左手の方にとりあえず進む、
 ・・・この先に次の扉があるんじゃないか・・・?
 しかし、城の左側に色々な物が集中しているというのも考えづらいが・・・
 その先を歩いていくと、さらに左手側に朽ち始めた木の扉が見えた、
 不意に開けてのぞくと、中には広めのスペースに赤いじゅうたんに大きめのベット、どうやらある程度お偉いさんの部屋らしい・・・
 中に扉を閉めつつ入ると、左手壁中央に四角い重厚な机が右手手前隅に中央にガラスの付きの木の扉の付いた本棚が、対角線上にクローゼットが見え、
 ベットは右手奥でありその外側一方近い方に朽ちた窓がある・・・
 ふむ・・・何かあるか・・・?
 考えつつ部屋の中を見渡し・・・
 ん?本棚の中・・・
 近づいて本棚を開けてみると、読めそうな本が赤青緑の背表紙と共にたくさん並べられていた・・・
 何か使えるもんはないか・・・?
 見ていくとほとんど読めなくなっていたが、その中でもなんとか読めそうなものを見つけた・・・
 くすんだ赤い背表紙の本
 ええと・・・
 立ったまま両手で持ち開いてみる・・・
 王は今日も臣下に笑顔を見せていた・・・?
 
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