バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

騎士剣戦隊キシケンジャー/7

騎士剣戦隊キシケンジャー 7
 
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 今日は休日、というわけで、皆で基地に集まって進捗報告会です
 しかし、思い思いに立って話す空気はお世辞にも良いとは言えないものでした・・・
 「悪いが、こっちに手掛かりらしきものは無い」
 「私も、何も手掛かりなし」
 「俺も、この前新しいクレストを手に入れた以外は・・・」
 「残念ながら私も・・・」『ま、しょうがないわね・・・』
 なぜか、ユウキさんだけ目を伏せ何かを考え込んでいるようですが・・・何を考えているのでしょう・・・
 『まぁ、この間、クレストを手に入れたのだけでも良しとしますか、でも、まだ最大の問題が残ってるのよねぇ・・・』
 「あなた達の王国に帰る方法、ですね・・・」
 ピンクリアの言葉に、思わず反応してしまう私・・・
 ・・・
 剣の皆さんも含め、黙り込んでしまいました、でも、ここでまけるわたくしではありません!
 「あの!クッキー焼いて来たんですけど、みんなで食べませんか、どの道、どうにもできないなら、考えを変える必要があると思うんです!」
 「クッキーって、ユナ・・・」
 「確かにそうかもしれない・・・」
 マコミさんの言い出しかけたことをサトルさんが制する
 「ここで悩んでいても始まらない、俺達に足りないのは情報と・・・鍛錬だ!情報は帰ってから探すとして、まずは剣のトレーニングをしよう!!」
 すかさずジンカイさんがサトルさんの方に顔を向けます
 「いいや、鍛錬というなら、やっぱり筋トレだ!剣のトレーニングは基礎筋トレの後でやろう!」
 「剣だ!」
 「筋トレだ!!」サトルさんとジンカイさんが顔を突き合わせ、その眼で語り合っています・・・
 「この脳筋ども!!」
 それをマコミさんが叱りとばし、椅子に深々と座ります
 「まったく、しょうが無いわね、私、クッキー食べたいわ」『ま、お腹が膨れた方が、名案が浮かぶかもしれないしね』
 マコミさんの少し得意気な笑顔に、サトルさんとジンカイさんも毒気を抜かれてしまった様子
 「ううむ・・・」
 「ううむ・・・」
 「仕方が無い、少し食べて落ち着こう」
 「ま、お腹が膨れてたほうが、少なくとも気分は晴れるしな!!」
 でも、これで少しは空気が晴れたかしら・・・
 「みんな、少し聞いてほしいことが」
 ユウキさん?
 眼に力の入った真剣な顔でどうし
 わぁああ~!人が石に~!?
 怪物だ~!!
 皆が一斉に窓の外の方を向く
 「仕方無い、行こう!!」
 
 外に出ると見えた結界を頼りに、私達はその広場へと急行しました、
 しかし、歩道橋を広く作って作られたような白い広場の上、そこではすでに人々が石と化していたのです・・・
 「よぉ、ようやく来たな・・・!」
 「ステューム!!」
 ギャルガさんの側にいたのは・・・何でしょう、上半身が白い鳥のような魔怪人・・・
 「ともかく、変身だ!」
 ああ!
 ユウキさんの音頭に私達は答え、剣を抜きます、
 キシケンチェンジ、キシケンジャー!!
「野郎ども、行け!」
 性懲りも無く戦闘員をけしかけてくるギャルガさんですが、そんなもの、私達の敵ではありません!
 そのまま交戦し、難なく倒していきます!!
 「今だ、やれ!ステュムドゥード!」
 すると、いきなり魔怪人が緑の霧を吹きかけて来たではないですか!
 うっ!急に体が重く・・・
 それでも・・・
 「ソードアンドシールドクレスト!!」「バタフライアンドサンダービークレスト!!」「ミラーデブリアンドリフレクショットクレスト!!」「ウォールシールドアンドウォールハンマークレスト!!」「ナイトスラッシュ!!」
 はぁ!
 放ったそれぞれの攻撃でどうにか残った戦闘員を全滅させ、ギャルガと対峙します!
 ユウキさんがレッドリアを突きつけながら
 「さぁ、お前達で最後だ!」
 「それで?戦う力は残っているのかな?」
 「なにっ!?グハッ!!」
 急に体がまた重くなり思わず片膝をついてしまいます、皆さんも同様に・・・
 ・・・どうやら、皆さんも同じく体が重くなっているようです・・・
 『まさか・・・毒!?』
 ピンクリア、それは・・・!?
 「ぐあはっはっはっ!」
 顔をあげて笑うギャルガがこちらを見下してきます
 「その通り、これでお前らも終わりだ、じゃ、俺はステュムドゥードと一緒に身を隠させてもらおう、お前達が死ぬのを高みの見物とさせてもらう、じゃあな!!」
 そして、悠々と去っていきます、しかし、私の体、いえ、私たちの体は動きません・・・
 「ま・・・待て!」『ユウキ、今は仕方が無い、とりあえず、ここから離脱するんだ・・・!』
 
 離れた場所で、変身を解除しても、一向に良くはなりませんでした・・・
 『どうしよう』『ううん・・・何か手は・・・』イエローリアとピンクリアが話しています、
 私達は息も荒く、他の皆さんは立っていることすらできません・・・
 『一旦医者に見せるとかは?』
 『こちら側の医者でどうにかなるとは思えない、魔力式の物だろう?あれは薬毒式と色々と違うからな・・・』『確かに、レッドリアの言う通りだな・・・』
 ブルーリアさんがレッドリアさんの意見に同意しています・・・
 『なら、どうにか探して倒すしかないってことか・・・』『イエローリアの言う通りだ、休憩しつつ、探すしかない、だが・・・ジンカイ、大丈夫か?』
 「ああ、早くいかなきゃいけないんだろ?だったら、どうにかしてやるさ・・・!」
 ジンカイさんが何とか力づくで立ち上がり、他の皆さんも立って行きます・・・
 「危険だが、全員ばらけてギャルガ、いや、あのステュムドゥードってやつを探すしかない、だが、見つからなかった時は・・・」
 サトルさんの言葉に、全員が黙り込んでしまいました・・・
 と、ここでユウキさんが横目で私の方を見て
 「ユナ、お前、この中で一番動けそうだな・・・?」
 「それは・・・」『魔力への抵抗力が高かったのかしら?確かに、一番ダメージを受けてないわね・・・』
 「それなら、ユナ、お前に頼みがある、ここに行って来てくれないか?」
 ユウキさんから渡されたのは、一枚の紙切れ・・・そこには小高い丘の頂上が記されていました・・・
 「本当はみんなで行きたかったんだが、多分、ここに、ソウルクレストの騎士が誰かいると思う」
 私は思わずユウキさんの顔を見合わせます
 「ええっ!?そうなんですか!?」『本当に・・・?』
 ユウキさんは息も絶え絶えに・・・
 「だが、いないかもしれない、いなかったらすぐに戻ってきて戦線に加わってくれ、頼んだぜ?」
 ユウキさんの不敵な笑顔・・・
 私は思わず、決意の言葉を述べました
 「は・・・・はい、わかりました!!」
 
 ユウキさんの指定された場所は、青空の下、丸木のガードレール先の眼下に山と街が広がる、小高い丘、
 自然の中にありながらも整備され、様々な色の子石が敷き詰められ、後ろにレールのような屋根の木のベンチなどが置かれた場所の、その中央にその白い石は立ってました・・・
 『これは・・・!』
 ピンクリアさんが言葉を失っています・・・
 「一体・・・これは何なんですか?最近の研究でわかった風化して削がれていた石の表面を、観光客を呼ぶために再現したもの、だとメモには書いてありますが・・・?」
 そこにあったのは、盾の中に大きな円と勇猛な竜が描かれたような紋章・・・?
 『これは・・・私達の国・・・ジャステールナイツ王国の紋章だわ!』
 「なんですって!?」
 辺りがいきなり黒くなり、白い煙が・・・
 「王国を懐かしんでいたら、おなじくずいぶんと懐かしい声が聞こえたわ・・・」
 目の前に騎士が現れました、兜の上が白く塗装されており、女性のような体形他、盾には、緑の十字と白い円が、木製のような盾に描かれています・・・
 「初めまして、私の名はヒナシキ、ソウルクレストの騎士よ、でも、あなた、具合が悪そうね・・・治してあげましょうか?そのかわり、私はここから去るけど」
 「要りません、そんな事より、治せるのであれば、私の仲間をお願いします」
 「いいの?あなたの命が無くなるかもしれないのよ?」
 「確かに、私の命が無くなるのは嫌です、でも、あの方たちの、それに、みんなの命が無くなる方が・・・もっと嫌です、さぁ、早く試練を・・・!」
 「んふふふ・・・気に入ったわ、さぁ、試練の時間よ!」
 「あ!」
 皆さんが倒れている、それに、向こうから岩が転がってくる!
 「さぁ、治癒能力を使えるのは三分に一度きり!その中で、誰を助けるの?」
 「決まっています!!まずは私に!!」
 私は、自分の毒を治癒しながら突進し、岩を押しとどめる!
 身体がきしむを上げていくが、それも勢いのあった最初だけ、それも治癒が効いて治って行く・・・
 そのまま勢いの無くなった岩を押しとどめ、三分経つごとにみんなを治癒していくように指示を出し・・・
 皆が治るたびに、岩を押す手が増えて行き・・・
 全員が治った後、ゆっくりと、岩を横に転がし、平坦な場所に置く・・・
 「ふぅ・・・」
 するとみんなが消え、目の前にさっきの騎士が私を見据え現れました
 「正解!よくわかったわね・・・」
 「倒れてる皆さんでは、とっさに岩を防げるかわかりませんでしたから・・・」
 ヒナシキさんは少し顔を縦に振り
 「そうそう、その調子、いい、力の使い方を誤らないで、私達の力は癒すためだけじゃなく、誰かを守るためにも使えるってこと、忘れないで」
 「はい!」
 
 「はぁあああ!!」
 キシケンレッドさんがギャルガさんに向かって行きますが、赤子の手をひねる様に剣で弾き返されて大きく後退してしまいます・・・
 「どうした、その程度か?」
 他の三人もステュムドゥードを囲み剣を振り降ろしますが・・・
 「ステューム!!」
 体を回転させ勢いを付けた羽根で思い切り弾き返されてしまいます、でも!!
 「皆さん!お待たせしました!!」
 「ピンク!「ピンク!「ピンク!「ピンク!」
 皆さんの声が聞こえ、ギャルガさんとステュムドゥードがこちらを向きました・・・
 「ああん!?逃げ出したと思っていたら、一人で向かってきたのか!?」
 「キシケンチェンジ!桃の騎士、キシケンピンク!さらに、ピンクリア・・・クレストセット!」
 『ヒールナース&スマッシングキュアクレスト!!』
 剣より緑の光粒をあたりにばらまき、ギャルガさんに向かって行きます!!
 「へっ、飛んで火にいる夏の虫ってこういうことを言うんだよなぁ・・・喰らいなぁ!!」
 蛇腹剣の大上段からの振りおろし、それを袈裟懸けにもろに食らい、くっ・・・痛い・・・でも、傷は癒えて行く・・・このまま!
 「なっ!?このまま向かって来るのか!?」
 蛇腹剣が何度も振り回されるも、私達はそのまま・・・突進!!
 「『はぁあああ!!』」
 「げっ!?この戦法は・・・あの女の!?」
 「『はぁああああ!!はっ!!』」
 剣を横振りに叩きつけ、思い切り弾き飛ばしました!!
 「がはっ!!」
 ギャルガさんが踏ん張りますが
 「なろっ!」
 「おっと、俺も混ぜてくれよ!!」
 キシケンレッドさんの通りすがるような剣の一撃!!
 「ぐはぁ!!」
 「俺もだ」
 「私も」
 「俺もよろしく!!」
 そこからブルー、イエロー、グリーンの一撃、そして、私達はギャルガさんの包囲に成功しました!
 ギャルガさんはわき腹を抑え、今度はギャルガさんが体に力なく
 「ば・・・馬鹿な、お前ら・・・そうか、あの女の力なら、毒が治癒しててもおかしくない・・・!」
 「さぁ、これが年貢の納め時ってやつだぜ?」
 ユウキさんがまっすぐにレッドリアさんを突きつけます!
 「武装を全部解除して、もう悪いことをしないって誓うなら、見逃してやってもいい」『おい!それじゃ明らかに甘いだろう!!』
 が、その姿勢のままユウキさんとレッドリアさんがいきなり言い争いを始めました・・・
 「じゃ、どうしろってんだ、あいつを縄でグルグル巻きにしとけとでもいうのか、どこに置いておくんだよ「貴様らに捕まるなんて御免に決まっているだろう!!ステュムドゥード!!」
 と、ステュムドゥードがいきなり濃い毒霧を・・・
 「ピンクリア!」『ヒールナース&スマッシングキュアクレスト!!』
 私の一言と剣振りででピンクリアから周囲に広がる緑の光の粒達これで皆さんの毒は即座に治癒されるはず、が、毒霧が晴れた後に、なんと、ギャルガさんはいなくなっていたのです・・・
 「逃げられたか、だが・・・」
 『あいつを連れて行く余裕はなかったみたいだな・・・』
 そこには、ステュムドゥードが一人で佇んで・・・っつ!
 いきなり動悸が・・・
 「大丈夫か!?」
 ユウキさん・・・
 『治癒能力は傷の回復に体力を使うからね、不死身というわけにはいかないのよ・・・』
 「そうでしたか、すみません、ヒナシキさんから、力の使い方は謝らないようにと言われていたのに・・・」『そんな、注意しきれなかった私も悪いのよ・・・』
 「そうだ」
 ユウキさん・・・?
 ユウキさんがまっすぐに私を見てくれてます・・・
 「ピンクの戦術は完璧だったぜ、何も落ち込むことは無い、なに、次からちょっと注意すればいいだけだ」
 ユウキさん・・・
 「はい!」
 「おっし、それじゃ、もうちょっとだけ付き合ってくれないか?ちょっと試したいことがあるんだ、なに、足りない分は俺達で補うからさ!」
 「はいっ!」
 「皆、クレストセット!!」『ソードアンドシールドクレスト!!』
 「ああ!」『バタフライアンドサンダービークレスト!!』
 「了解!」『ミラーデブリアンドリフレクショットクレスト!!』
 「おっしゃあ!」『ウォールシールドアンドウォールハンマークレスト!!』
 「行きます!」『ヒールナースアンドスマッシングキュアクレスト!!』
 「一気にそのエネルギーをあいつにぶつけるんだ!!」
 ファイブクレストナイツスラッシュ!!
 はぁっ!!
 今ままでの斬撃ではなく、球体のエネルギーが、避ける間もなくステュムドゥードに激突、
 ステュムドゥードが爆発して消滅・・・してない!結界収縮して集まり巨大化しました!!
 「続けて行くぞ!!」
 「ピンクフェニックス!!」
 「レッドドラゴン!!」
 「ブルーサーペント!!」
 「イエローキマイラ!!」
 「グリーンベヒモス!!」
 完成!キシケンオー!!
 「さらに、皆のクレストの力を・・・」
 おう!!
 クレストセット!!
 それぞれのクレストが、キシケンオーのそれぞれの部位に装着される!
 完成!キシケンオーファイブクレスト!!
 「ステューム!!」
 ステュムドゥードが毒を吐く!
 シールド!
 目の前に現れた五色の光が巨大で複雑なシールドを形成し毒を防ぎ・・・
 「今だ、みんな!」
 キシケンオーファイブクレストスラッシュ!!
 シールドをそのまま毒を押し返すように飛ばして、ステュムドゥードにぶち当てて動きを止め、
 そのまま剣を抜いて上に上げるとシールドも連携して上がり、そのまま剣の刃として一体化しつつ、5つに分裂、
 はっ!!
 五つの刃が順々にステュムドゥードを斬り裂いて行き、最後の頭上からの一撃が、ステュムドゥードを滅ぼした・・・
 
 「結局、あの紋章は何だったんでしょうか?」『不思議よね・・・』
 戦い終わった広場で、私たちは紋章のあった丘の方を見てつぶやきました・・・
 「今度、皆で一緒に見に行ってみるか、何かわかるかもしれない、な、皆!!」
 「ま、一見の価値はありそうだな」
 「見てみないと何もわからないわね」
 「何かの手掛かりになりそうなものだといいな!」
 私は今回手に入れたクレストを右手に出し、思い出したことを口に出します
 「少なくとも、このクレストは紋章に引き寄せられていました、ピンクリア達の騎士団の国の紋章であることは間違いなさそうです」『そう、確かに私達の国の紋章だったわ・・・』
 私達の世界にジャステールナイツ王国の紋章が・・・きっとそれは、何かを私達に伝えようとしている、そんなふうに私は感じたのでした・・・
 
 「あ~あ、また失敗かよ、大体な、魔怪人が弱いのが悪いって・・・」
 いつもの日が暮れた高層駐車場で愚痴る俺
 「おい」
 「うわっ!なんだよお前かよ、」現れたのはブラグダ、デカい鎧姿の大男だ「なんだ?次出撃したいってんなら譲ってやってもいいぞ?」
 「さっき、これが送られてきた」
 ブラグダが左手に出してきたのは、紫のオーラを放つ黒い鉱石だった、
 「何だこりゃ?」
 魔鉱石かとも思ったが、その力の量が違う・・・
 「何かの実験の際に生まれた、らしい」
 「実験だと?」
 魔皇帝のやろう、一体何たくらんでやがる?いや、たくらんでいるのはレダか?いずれにしても・・・
 「そいつを使えば、今までより強い魔怪人が生まれるってこったな!!」
 思はず片口端が上がりやがるぜ・・・
 「かも、知れない・・・」
 「お~し、とっととそいつをよこしやがれ!!」
 「大丈夫、一人一つずつ、ある」
 そう言ってくれたので、俺は遠慮なくブラグダのその手より新しい魔鉱石を奪い去った!
 強い力を感じる新しい魔鉱石を思わず見つめ
 「へっへっへっ、これであいつらに一泡吹かせられるぜ!!」
 「ダメ、これ、壊したら、絶対、大目玉、まず、俺が行く」
 ブラグダの突然の申し出に思わず俺はブラグダの顔の方を見る
 「え~お前が~」
 ・・・だが、変な事やってロードになる約束を反故にされてもあれだなぁ・・・
 「ちっ、しゃ~ね~な~、せいぜいあいつら弱らせて、てきと~なところで負けてくれ」
 「う・・・うむ・・・」
 戸惑いつつの肯定を示す首の縦振り、
 だが・・・
 はっはっはっ、やったぜ、これであいつらをけっちょんけっちょんにしてやる、ひゃは~
 
 ・・・確かに、ここだな・・・
 暗い星空の下、小高い丘の上で、俺は石に刻まれた紋章をようやく発見する、
 銀色のジャケットをなびかせ、ようやくここにたどり着いた、
 街の夜景が美しい、が、俺にとってはそんなものどうでもいい、俺にとってはようやく見つけたこの紋章こそ重要なのだ、いや、
 俺は、街の光輝く夜景を大きく望み、つぶやいた
 「俺は・・・影だ・・・」
 
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