バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

騎士剣戦隊キシケンジャー/2

騎士剣戦隊キシケンジャー 2
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 『逃げられたか・・・』
 レッドリアが話し出した瞬間、スーツが解け、元の姿に戻る
 「うお!」
 いきなり戻ったので驚いてしまった
 『戦いでエネルギーを使い果たしたのだ』
 「それはわかったけどさ、って、お前、そんなに小っちゃかったっけ?」
 「何!?」
 見ると、俺の黒いリストバンドに付いた銀色の剣型のアクセサリーのようになっている・・・鍔についた宝石は小さくなりながらもしっかりあるが・・・
 『ば・・・馬鹿な、小さくなっているだと・・・?』
 この状態でも宝石周辺が光るようだ・・・
 「後で鏡で見せてやるよ、それに、今は話も聞きたいしな」
 『うぬぬ・・・致し方ない、力を使い切った影響か・・・とにかく今は、お前についていくしかないようだ・・・』
 「おう!よろしくな!!」
 そうして、俺達は森のある山を下って行く・・・
 『私達は、ジャステール騎士団に所属する騎士たちだ、私の名前はレッドリア』
 「俺の名前は常道 ユウキ、ユウキって呼んでくれ!よろしくな、レッドリア!!」
 『こちらこそユウキ、だが、私達の国はある日、魔皇帝を名乗る者達に襲われた・・・』
 「それって、さっきの奴らか・・・」
 『そうだ、私達はそれに抵抗していたのだが、気が付くとこのような体に・・・』
 「だけどさ、さっき裏切者って・・・っと、この先は街に入っちまう、怪しまれたくないし、人気のないところまでは会話を避けるか、なに、いいところ、知ってるんだ」
 『それは・・・ん?魔の気配・・・?』
 と、空の向こう、街の中心部に、黒紫の禍々しい物が上部に集まるドームのようなものが見えた・・・
 「なんだあれ!?」
 『わからん、だが、何かが起こっているのは確実なようだ』
 「行ってみよう!」
 急いで走り込んでドームのようなものの中に突入すると、ビルが周りに点在する白い石材で構成された広場にギャルガともう一体が立ち佇んでいた、
 だが、それよりも異様なのは周りにいた人々だ、
 いや、人々ではない、人の形をした石、いや、人がそのまま石になったような・・・
 『これは・・・我が祖国で起きたことと同じ光景だ!』
 思わずレッドリアを見つつ
 「なんだって!?」
 訊き返す
 『そうか、あの霧は祖国を襲ったものと同じ物・・・彼らは人間が石となったものだ!』
 「よう、さっきは世話になったな・・・」
 ギャルガ!?
 視線をギャルがに向け直す
 「さっきようやく修理に出してた愛剣が届いたところでな・・・」
 愛剣!?
 確かに、尖った台形が連なるような刃を持つ、さっきとは違う鋼の剣をその手に握っている・・・
 「と、あとこいつは魔怪人スクイード、」ギャルガがもう一体の方に左手を開き向ける、あの白い、烏賊は上半身になってるような奴か・・・「ま、俺よりは弱いがな!前の奴よりは強化してあるぜぇ!!」
 白い三角の頭に長い触手が両腕となり、腰下に残りの触手がぶら下がっている・・・
 『おい、変身だ!力はもう回復した!!』
 と、レッドリアが元のV字の連なる鞘持つ剣の姿に戻った
 「わかって・・・ぐ・・・身体が・・・」
 身体が・・・動かなくなっていく・・・!?
 『まずい!霧の影響だ!無理やりにでも変身しろ、出ないとお前も石になってしまうぞ!!』
 「わかった!」
 気合を込め、何とかレッドリアを引き抜く、
 すると、まとうエネルギーを感じつつも、身体の自由が戻った・・・
 そうか、このスーツが霧から守ってくれてるんだな・・・!
 「行くぞ!」
 気合を込めて駆け出す!
 『待て、不用意に近づくな!』
 何っ!?
 「甘いんだよ!」
 ギャルガが虚空で剣を振るうと、その剣刃がパーツごとに上下に分かれてながら中央の鉄線で鞭のように伸び、俺を襲う
 「ぐはっ!」
 それをもろに喰らう俺、
 「ははは、どうした!」
 そこから下から一撃、横からももう一撃喰らい、
 「ぐはぁ!」
 鋭い痛みと共に後ろにひねりながら倒れ伏してしまう・・・
 『大丈夫か!?とりあえず、ソードアンドシールドクレストだ!』
 「わかった・・・」
 腰よりクレストを取り出し、セット、
 『ソードアンドシールドクレスト!』
 急ぎ立ち上がり振り返りながらクレストの面を前に出し、透明な盾を召喚する
 「そんなもん効かねぇよ!!」
 が、蛇腹剣の一撃を喰らい、木っ端みじんに、それを喰らいざまにそのまま下よりもう一撃喰らってしまう・・・
 「がはぁ!!」
 そのままあおむけに倒れる俺・・・
 「ふははは・・・ざまぁねぇなぁ!!」
 ギャルガとあのスクイードまであざ嗤っている・・・
 「こいつでとどめだ!!」
 大上段より、蛇腹の剣が叩きつけられていく・・・
 『情けないぞ、レッドリア!』
 『その声は・・・』
 青の衝撃が、ギャルガに通りすがり、一撃を加え、攻撃を中断させた
 「ぐはっ!」
 と続けて、黄、緑、桃色と、次々とギャルガを叩き斬って行く
 「はっ!」「ぐはっ!」「たっ!」「げはっ!」「はっ!」「ぐへはっ!」
 そして、とうとう、ギャルガが向こうに倒れ伏し、俺の側に四人の戦士が並ぶ、
 その姿は剣を含めて俺でいう赤の部分がそれらの色に準じつつ俺と同じようなスーツを着て、黄と桃はタイトスカートのようなものを着けた姿、
 兜はそれぞれ青は刃のように鋭い爬虫類、黄は雌のライオン、緑は牛のような野獣、桃は優しめの鳥がモチーフになっている感じだ・・・
 「大丈夫か?」
 青いのが手を差し伸べてくれる、それを手に取り立ち上がる、が、
 『皆も、その姿は・・・』
 『すまない、気が付くとこの姿に』
 『どうしてこんなことに・・・』
 『でも、くよくよしたってしょうがない!』
 『行きましょう、私達のやるべきことをするのよ!』
 なんだ?レッドリアとそれぞれの剣たちが会話して・・・
 『よし、一気に決めるぞ、ナイトスラッシュだ!』
 各々の剣刃が、それぞれの色に輝き始める・・・それを俺達は振り上げ、
 ナイトスラッシュ!!
 十人の掛け声が合わさり、振り下ろされた五つの剣閃は、一つとなって一直線にギャルガの元に、
 おし、これは防げまい!
 「ちっ、直したばかりで壊れるかもしれんのもしゃくだな・・・おい、お前、盾になれ」
 が、ギャルガのその声に、スクイードがギャルガの前に・・・
 剣閃は当然のごとくにスクイードに当たり、スクイードは大爆発、
 しかし、その横からギャルガが何事も無かったかのように無傷で出てきた・・・
 「残念だったな・・・」
 「だが、次は当てるまでだ!レッドリア、エネルギーは?」
 『五人もいるからな、まだ余裕がある、皆も同じようだ!』
 と、まわりの黒い霧が晴れて行き、同時に、人々の石化も解けて行く・・・
 「おかーさん!」
 「たまよ!」
 石になっていた親子が抱き合う姿も見える
 『そうか!』
 「どうしたんだレッドリア!?」
 『あのスクイードってやつがこの結界を創り出していたのか!?それで結界と石化が解けたんだな・・・!』
 なるほど・・・
 『さぁ、次はお前一人だ!』
 おもわず、皆と共に剣を突きつける、
 「そうはいかねぇよ、はぁあああ!!」
 ギャルガが腰を落としつつ気合を込めて両手を合わせて行く・・・
 すると、どうしたことか、スクイードに解けかけていた結界が収束していくではないか!?
 「はあっ!」
 そして、魔力が収束しきると同時にスクイードが天高くまで巨大化した!?
 「なんだと!?」
 「へっ、あばよ」
 あ、ギャルガが逃げる、それを追いかけようとするも、
 ズドン!
 スクイードの振り下ろした足であたりに地震が起き、周りの人も逃げ出していく・・・
 「くそ、あんなの放っておけない・・・」
 『くそっ!私の守護精、レッドドラゴンがいれば・・・』
 「レッドドラゴン?そいつは・・・」
 『私の・・・行方不明になっている守護精だ・・・』
 すると、向こうより、赤いドラゴンが翼を羽ばたかせ飛んでくるではないか?
 直線的な装甲に身を包み、背中に剣と四角い白い鞘を背負っている・・・
 『あ・・・あれは・・・我が守護精レッドドラゴン!』
 そして、そのドラゴンは飛び来るなり、頭突きを一発、
 怯むスクイード、そこに右爪からの尻尾振り回し、口からの火炎放射、
 なすすべなく全て受けるスクイード、そこでドラゴンはスクイードを両爪で掴み、飛びつつも上に放り投げて思い切り炎を吐きかけた!
 スクイードがきっちりと爆発、消滅した・・・
 『おお!やったぞレッドドラゴン!あ、どこに行く、レッドドラゴン、レッドドラゴーーーン!!』
 が、向こうを向いて、空の彼方に飛び去ってしまったのだった・・・
 
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