騎士剣戦隊キシケンジャー 16
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「みんな!ちょっと来てほしいところがあるんだ!」
ユウキさんが基地内で発したこの一言で私達はとある大学に赴くことになりました、
目の前に大きな敷地の大学が広がります、校門の向こうには、オレンジのレンガで作られた屋根が段々に上がったり下がったりする、皆がその大学を望み
「ここは・・・?西丹大学か?」
「あ、」マコミさんが何かを思い出したように人差し指を前に出し「あたしが受験して、落ちたとこだ・・・」
「俺も視野に入っていたが、すでに第一志望に受かったからな!」
「あ!私も、来年受験しようと・・・」
「ここがこっちの大学か・・・向こうの大学なら、潜入任務で入ったことがあるが・・・」
と、そんな私達をユウキさんが横に見て
「許可はもうとってあるから、俺に付いて来い、広いから、はぐれるなよ~」
最後の方にからかい交じりの一言と共に、私達はユウキさんに連れられ、正面の入口より教室のドアがところどころに見える広い校内の廊下を少し進んで右に曲がりつつ出て左手に広がった中央の広場を通り・・・
「さすがに、俺の大学とはいろいろ違うな・・・」サトルさんの一言にマコミさんが目を少し見開き疑問符交じりの顔を向けました
「あれ?サトル、フェンシングの道場で働いてたんじゃなかったっけ?」
「元は別の大学にスポーツ推薦で入ったんだが、生活費にもいろいろ不安があってな、道場でバイトのような形で働かせてもらってたんだ、フェンシングに復帰するって言ったら、近々復学させてくれるとも言ってくれてな」
「そうなのか・・・」
「そうなんですか・・・」
「そう、なのか・・・」
そんなこんなで校内の広場ようなを場所を通り、学舎に入って廊下を通った後、また出た白い石材を黒いつなぎで付け合わせて床にしたような広場を通って公社と同じ素材で四角い図書館のような場所に入りました、
正面には木のカウンター奥に薄桃色のOLスーツを着た女性が座っており、左手には左右日本の背表紙を向けた本棚が階段を上がった先に五列ほどに奥が分からぬほどたくさん並んでいます、
そして、結城さんはそのカウンターの女性に向かい快活に
「常道 ユウキ!考古学専攻!後ろの五人は教授に許可を取ってあるはずだぜ!」
「考古学専攻!?」
受付に話を通すユウキさんの声に、大きな声を上げたのはマコミさんです
「確か、ここの考古学専攻って、全国でも有数のむずかしさだって」
あ!そういえば、私は思わずマコミさんに向かい
「その話、私も聞いたことあります」
『へぇ~』
『あれが・・・?』
全然見えない・・・
ユウキさんを見るマコミさんとイエローリアさんが声をハモらせるなかでユウキさんが振り返り、またも気持ちのいい笑顔で
「行っていいって、ここの地下の所蔵庫だ、教授の許可が無いと入れなくてな、俺も今日初めて入るんだ、こっちが入り口」
そうして、ユウキさんの後をついていくと、
階段の左端、逆に下に向かう階段があり、その先右手にある金属扉をあけると、古書の並べられたむき出しの金属で作られた本棚が遠くまで並ぶ場所に出ました
「これは・・・」
「凄いわね・・・」
「歴史の重みを感じるな・・・」
「こんなのは、王国立中央図書館古書第3禁書部に入った時以来の緊張感だな・・・」
「ユウキ君、これが約束の古文書だよ」
奥より出てきたのは、白衣とネクタイをまとった髪に白い物の混じった初老の男性、
その男性は両手に持った本の入った透明なケースを慎重に机に置き、ケースを開きます
「サンキュー教授、それじゃ、確かこの辺りだよな」
それをユウキさんは慎重に開いて行きました・・・
「あの、これは一体・・・」私は教授と呼ばれた男性に問いてみます、教授さんは私の方を向き、
「ああ、これは、ずっとユウキが研究、解読していた古文書だよ、未知の言語で書かれていてね・・・」
「実物を見るのは俺も初めてだからな、この手の貴重な本は、スキャナーやカメラで映像を取って、それで研究してるんだ、実物は必要ない限りめったに見られない・・・」
『ユナ、ちょっと・・・』ピンクリアが小声で話しかけてきて、私はそれとなくピンクリアを耳に寄せました、
『これ、私達の世界の古い言語にそっくりよ、古すぎて私達にも読めないし、どうやらこっちの言語も混ざってるみたいだけど・・・』
「え?」
「よし、これだ、」
あれ?レッドリアをかざしています・・・
「ううむ、ダメか・・・」そして、私達の方に顔を向けて「シルバ・・・いや、銀次、ここに手をかざしてみてくれ」
ユウキさんが右手で示したのは、意味の分からぬ文字で一文のみ書かれたページ、しかし、そこのすぐ前に当たるページには、左下四分の一を締める様に、あの丘の上の石に描かれていた紋章が描かれていました!?
シルバーダさんが口を少々明け驚きの表情を見せ
「この紋章は・・・?俺の国の・・・?」
「そう、あの丘の上の紋章と同じものだ、どうやら、誰かが目印にとあの丘に紋章を掘った岩を設置した後、長い時間かけて風化、近年の町おこしのために再現したというのが真相らしい、古文書に描かれた謎の紋章としてな」
「じゃ、じゃあ、あの丘の上の元の石を設置した人物とこの古文書を書いたのは・・・」
「恐らく、同一人物だろう、さ、この古文書の空白の部分に、そうだな・・・手でもかざしてみてくれ」
疑問を感じたのか目を少々開いた表情でユウキさんに瞬時に視線を向けるシルバーダさん
「なんで、俺が・・・?」
「いいか、このページの端にはこう書いてある、」言って右手を唯一書かれてる文に合わせ、話しながら下に移動させていきます「ここに我が日誌の一部を残す、しかし、他の世界の者達を巻き込む気にはなれない、そのため、渡すための鍵として、我と同郷の物にのみ、その秘密を託す、ってな」
「同郷の・・・者・・・?」
「さっきやったが、レッドリアじゃだめだった、となると、他にやれそうなのは、お前を除けば、あのギャルガとかしかいなくなっちまう・・・」
「・・・わかった、かざせばいいんだな・・・」
シルバーダさんがおそるおそるその手をかざすと・・・焼きつくように黒い文字が浮かび上がりました
「う、うぉお!」
驚くようにその手を引くシルバーダさん、
ユウキさんは得意げな顔で、教授さんは驚きで顔が引きつっています
「す・・・すごい!大発見だ、こ・・・こんなことが!?」
「ふむ・・・どうやら、どこかの場所の事を書いてるようだな・・・古文書の他の記述もそんな感じだったし・・・」
「本当かねユウキ君!」教授さんが何かを考えるように顔を少し伏せながら少々左右に振り「そ、それならば、今すぐ調査隊を組み、その場所へ直行せねば!!」
「おっと教授」
ユウキさんがかっこよく、教授さんに人差し指を立てました、教授さん顔を上げ驚きの表情のまま固まってしまいます!
「約束だぜ、この古文書について大きな発見があったら、その発見に関しての調査隊に俺達を参加させてくれるって、まさか、破りはしないよな?」
「う・・・うむ、わかった、無論連れて行く、その代りといっては何だが・・・」
教授さんがなぜかシルバーダさんに視線を送ります
「そちらの銀次さんに、色々お話を伺ってもいいかなぁ・・・」
そう言いながら、ぎこちない笑顔を浮かべました
そうして、私たちは教授さんたちと森の獣道に踏み入り・・・
私はふと思い浮かんだ疑問を森道でもいつもと変わらぬ様子で踏破するユウキさんに問いかけます
「あの、ユウキさんはどうして考古学を志されたんですか?」
「え・・・?」そう言いつつ私にいつもの笑顔を向けるユウキさん、そして、こう言い放ちました
「古代のロマンとか、面白そうだろ!」
「そ・・・そうですね!」
ロマン・・・ロマンか・・・私も一緒に・・・
などと話つつ進むその中で・・・
辿り着いたのは、森の中の何の変哲もない崖の下・・・
「にわかには、信じがたい話だ・・・」
教授さんはそう言って、崖を見つつしきりに首を縦に振っていました
「別の異世界が存在して古文書の主が関わっているかもしれないとは・・・」
「おっと、教授、これは元は俺の研究だぜ?せめて、共同研究にはして欲しいな」
「もちろん、君の名前も大いに出すよ、いやいや、自分の学生にこんな大発見をする者が現れるとは・・・」崖を見つつ返す教授さん
大丈夫でしょうか・・・?
「とにかく、先に行かせてもらうぜ、シルバーダ」
「わかった」
シルバーダさんが崖に近づくと、崖の板岩の一つに盾と円と竜の紋章が!?
そこが横に開いて中に洞窟が!?
ユウキさんが先に出つつ、調査隊の皆さんを体を回して見て
「それじゃ、約束通り俺達は先に行かせてもらうぜ」
「中は荒らさないでくれよ?」
「わかってるって、じゃあな」
中に入ると、灰色の明らかに誰かに昔に整備された通路の奥、少し奥に行った後、左方に曲がり、
しかし・・・会ったのは四角い部屋に右に机が一つ、左に本がスカスカに入った本棚が一つ、いずれも木製で、かなり古いものです
「太陽の光が入って来ているのはいいが・・・」『何も無いな本当・・・』
「あるのは、机と・・・本棚だけ・・・?」『そんな感じねぇ・・・』
「俺達じゃどうにもならないぞ・・・」『まったくだな!』
「俺も、どうすればいいのか・・・」
「当てが外れたな、王国に行くのに使えそうなものとか、戦闘で使えそうなものがあれば教授に掛け合おうと思ってたんだが・・」『ううむ・・・』
「本当に、ただ、保管に使っただけ、という感じがしますね」『本当に保管だけなんでしょう、ま、本には何か有益な情報があるかもしれないから、後は考古学専攻の人達に任せましょうか・・・』
「う・・・うわぁああ!!」
あれは・・・表の方から悲鳴!?
「急ぐぞ!」
「はい!」
私達が入口の方に戻ろうとかけると、そこに教授さんが走ってきました
「た、助けてくれ~!ユウキくん~いきなりみんなが石に~」
「教授!」
が、教授の後ろより飛来した巨大な針が、教授さんの背中に突き刺さったのです、
「教授~!!」
思わず駆け寄り、倒れる教授さんの体を受け止めるユウキさん・・・まさか、教授さんの命まで・・・
「教授、教授~!!!」
「・・・グー・・・」
思わず体が崩れるほどに力が抜ける私達・・・
教授さんよりの寝息、どうやら、ただ眠っているだけのようです・・・
「針はデカいがまったく刺さってはいない、」
サトルさんがサッと抜いてそこらに放りだしてしまいました
「やれ!」
が、そこにたくさんの針が飛来!
「危ない!」
いきなりユウキさんが私の盾に!?私をかばって・・・!?
しかし、私以外の人達は針に体をかするなりしたらしく・・・
「ぐっ・・・眠い・・・」
「なんだ、これは・・・」
「うう・・・瞼が・・・」
「身体が・・・重い・・・」
「どうなって・・・いるんだ・・・?」
「はーはっはっはっ!」
この笑い声は!?
「キシケンジャー達を見かけてこっそりついてきてみれば、こんなところに入り込んでくれるなんてな!」
「エンプシャー!」
あれは、
道具つの出入り口外にいたのは、ギャルガさんと、桃色の、カマキリの上半身に似せた感じに背中にカマキリの開いた窯のような針のランチャーを持つ魔怪人!?
あのランチャーから針を撃ち出していたんですね!
「どうだ、こいつのエンプーサァの針攻撃は、眠くてたまらないだろう!」
っつ・・・体が重く・・・どうやら、すでに結界も張られている・・・!?
「さぁ、とっとと眠りに落ちて石になれ、」ギャルガさんが顎を上げ笑います「はーっはっはっはっ!」
「エンプー!!」
「そうはさせません!」『ヒールナース&スマッシングキュアクレスト!』「皆さんすぐに治療しますね!」
「ずいぶんと騒がしいな・・・」
気が付くと、白い煙が足元を追う黒い空間に、私は一人たたずんでいました・・・
「ここは・・・」『試練の間!?』
訂正、今回はピンクリアも一緒です
「なぜかソウルクレストが持つものがやってきた、ということは、わらわの悲願がかなう時が来たのかえ?」
黒より出てきたのは、華美と気の強さを併せ持つ、スリットの入った紅いドレスを着こなす女性・・・
その上にはまるで赤の金属の光沢を放つ一枚布の上着を見事に身に着けています
「あなたは・・・?」
「我が名はラーディア」
『ラ・・・ラーディア様!?お初にお目にかかります!ジャステール騎士団が騎士の一人、ピンクリアと申します!』 え・・・?思わずピンクリアを持ち上げ見て
「知ってるんですか?」
『知ってるも何も、ソウルクレストの術を開発した、我がジャステールナイツ王国の古いお姫様よ』
「ええっ!?」
『姿も伝承にある通りだわ、でも、いつの間にか行方不明になったって聞いたけど・・・』
と、ラーディアさんがゆっくりと優雅かつ鮮烈に右人差し指を私達に上げ向け
「そなた、そこの剣のような銀型に身をやつせし者、ピンクリアと言ったか?」
私たちは思わずラーディアさんの方に向き
『は・・・はい!』ラーディアさんは右腕を下げながら
「ジャステール騎士団の一人と言ったな?」
『はい!』
「我が兄は元気にしているか?」
『・・・第135代ジャステールナイツ王国国王陛下は、行方不明になった妹を生涯をかけ捜索なされていましたが、結局見つけだすこと敵わずに天寿を全うされてございます、また、あなた様の残された資料を紐解けば何かしかの手掛かりを得られたかもしれませぬが、結局誰も読み解けず、禁書扱いとなって図書館の奥深くに保管されております』
「そうか・・・」
なぜか、ため息とも安息ともつかぬ息を吐きだします、ですが、
「まさか、シルバーダさんの言ってた第3禁書庫?」
私の口からは別の疑問の声が漏れていました
『ううん、そんな程度の低い禁書じゃないわ、』ピンクリアの声に、私は再びピンクリアの方を上げて見ます『読み解かれれば世界に関わるものとされ、今では最重要禁書として第一禁書庫に入れられてるわ』
「へぇえ~」
『ですが、なぜこのようなところに』
と、ここでピンクリアがラーディアさんに問いかけたので、私もラーディアさんの方に視線を移しました
「実験に失敗してな・・・」
実験!?私とピンクリアが同時に声を発し、お姫様が話し出す
「かつて、私は次元を超える方法を探っていた、かねてより次元の壁には何らかの揺らぎがあり、それによってこちらと向こうより、人や物が送られる現象があるのではないかと仮定したのじゃ、しかし、その実験が暴走し、私はこちらに送られてしまったのじゃ・・・」
「じ・・・」『次元の揺らぎ・・・ですか・・・?』
「まぁ、理解できなくともよい」
でも自然と向こうに送られる可能性があるなら、ザムレッドさんはそうやってこっちに来た可能性が・・・って、次元を超える研究をしていたなら・・・!
「あの!お姫様!!」
「なんじゃ?」
「ピンクリア達を向こうに返せませんか?いえ、王国が大変なんです、私達を王国に送って、王国を支配した魔皇帝を倒せませんか!?」
「ほほう、何が起こっておるのじゃ?」優雅さに惑われそうになるも、そのまっすぐな瞳は真剣な目に見えました・・・
『王国が魔皇帝とかいう連中に支配されてしまったんです、お願いします、王国を取り返すために力をお貸しください!』
「ふむ・・・そうか・・・詳しい事は後で訊くとして・・・お前達、ソウルクレストは持っておったな?他にもあるのか?」
「はい!」『他にもあると思います!』
「ならばそれを集めよ!そして、来たるべき時に来たるべき場所にて次元のゲートを開いてやろう!わらわの本も活用するがよい、確か中には、ソウルクレストと同種のエネルギーを探知するための研究結果もあったはずじゃ!」
力強い言葉に、私たちは思わず頭を下げ
「ありがとうございます!」『ありがとうございます!』
感謝の気持ちを伝えつつも、私は浮かんだ疑問を頭を上げながら問いていました
「でも、どうしてそこまで・・・」
「なに、わらわは、国に帰りたい、ただそれだけじゃ・・・さぁ、おぬしたちにこれを託そう!!」
放り投げられてきたのは、桃色のクレスト!
それを受け取った時私は目が覚め、気が付くと元の洞窟にいた、
「ピンクリア!」『わかってる、ヒールナース&スマッシングキュアクレスト!』
剣を振るうと、そこから緑色の光粒がふりまかれ、それに触れた皆の瞳が開かれていく!
そして立ち上がり、ユウキサンガ口を大きく開いた感謝の笑顔を浮かべ
「助かったぜ、ユナ!」
「もう大丈夫だ」
「ふぅ、さすがにこれは効くわね」
「元気百倍だ」
「目が覚めた・・・」
対し、ギャルガさんは右足を半歩下右肩を後ろに下げた驚愕のリアクションを取り
「げぇえ、あっさり目を覚ましやがった!?」
「エンプ~!?」
魔怪人も胴が少し引いて驚いている様子です
「皆さん行きましょう!」
キシケンチェンジ!
さらに、皆が各色のクレストを持つ、
と、レッドが心配したのか私の方に顔を向けていて
「ピンク、そのクレストは・・・」
「夢の中で、お姫様に託されました!」「お姫様・・・?」『詳しいことは後で話す、さ、みんな』
「けっ、変身されちゃ場所が悪いな、場所を変えるぞ」
「エンプサ~」
そうして、私達は石化した研究員たちを横に観ながら広い場所に場所を変えます
「戦闘員!」
ギャルガさんの一声と共に戦闘員さんたちが現れますが、私達は負けません!
「皆さん、一斉に行きましょう!!」
「わかった、行くぞ!『マスターレッドクレスト!』」
「『マスターブルークレスト!』」
「『マスターイエロークレスト!』」
「『マスターグリーンクレスト!』」
「『マスターピンククレスト!』」
私達の体に、それぞれの色のエネルギーが駆け廻り、それぞれの色の鎧、兜、盾、剣先と化していき・・・
「聖なる赤の騎士!パラディンキシケンレッド!!」レッドの追い竜の構え!
「刃たる青の騎士!ブレイドキシケンブルー!!」ブルーの剣を縦に持つ構え
「翼持つ黄の騎士!ウィングキシケンイエロー!!」イエローの翼を広げるようなポーズから剣を前に出す構え!
「絆化す緑の騎士!ブラザーキシケングリーン!!」グリーンの腰を落とした剣を振り下ろす構え!
「貴とき桃の騎士!ロイヤルキシケンピンク!!」私の剣をだき抱えるような構え!
「銀影の騎士!キシケンシルバー!!」シルバーの盾を前に出しつつも胸を少し大きめほど張る構え!
我ら!・・・スーパーキシケンジャー!!
背後からの大きな爆発!!
「何がスーパーだ調子こきやがって!やれ、お前ら!!」
戦闘員さんたちが向かってきますが私達の敵ではありません!
「いくぞ、みんな!」
おう!
ユウキさんの号令により皆が向かって行き、振るわれる剣閃に瞬く間に数を減らしていきます!
「くそ、こんなはずじゃ・・・エンプーサァ!」
「エンプー!」
エンプーサァが出してくる針も、全て剣や盾できっちりと弾きます、誰一人眠りなどに落ちてはいません!
そうして、流れる剣劇により盛大な爆発音とともに戦闘員さん達が全滅、流れる様にエンプーサァに向かって行き、それぞれの剣を叩きつけ六連閃と化します、
「たぁ!」「せゃ!」「はぁ!」「てぁ!」「はっ!」「せやぁ!」
「エンプ~!」
「とどめだ!」
「皆さん、とどめです!」
皆がそれぞれのクレストをセット!
「スーパーシックスクレストナイツスラッシュ!!」
剣から放たれ、一体となった球状のエネルギーは、見事にエンプーサァを捕らえ、倒したのでした・・・
でレッドがギャルガさんに剣を向けます!
「さぁ次はお前だ!」
「そうはいかねぇよ!」
「おっと、両手なんて合わせないからね!」マコミさんがクレストで狙っています!
「こうすりゃいいんだよ!」
が、いきなりギャルガは蛇腹剣を強引に振り回して伸ばし、射撃を弾きながらガムシャラに私達を攻撃・・・
その間にもエンプーサァが巨大化してしまいました!
しまった!
「じゃあな!あばよ!!」
エンプーサァが足を叩きつけ上げられた土煙、それに紛れてギャルガは姿を消していました・・・
『次は多少、強引に行かなければならないかもしれないな・・・』「ああ、そうかもな・・・」
去ったギャルガさんがいた方を見ながらレッドリアさんとユウキさんがつぶやく中でも、二人はすぐにテンションを戻し・・・
何と上からヴォルケーノドラゴンが・・・!
「ヴォルケーノドラゴン!?」
よし!私は決意を込めレッドの方に向き
「レッド!」レッドが私の方に顔を向けてきます
「なんだ?ピンク?」
「ここは、私とヴォルケーノドラゴンに任せてもらえませんか?」
「よし、なら頼んだぜ!」
「はい!」レッドの声を受け、私は空を仰ぎ見ます!「ピンクフェニックス!!」
そして、飛んできたピンクフェニックスの頭の上に飛び乗りつつ、ピンクフェニックスがヴォルケーノドラゴンと合体、桃色の目の頭部が付き、
「完成!フェニックスキシケンオー!!」
「エンプー!」
背中のランチャーらの 大量の針、しかしすべて剣を何度もふるって叩き落としつつ、一気に接近!
「エ、エンプ~!?」
「はっ!」
一気に剣を大上段から振るい、斬り弾く、が、そこでランチャーが鎌の様にのびてきて、咥えようとしてきた、
魔力の増大で得た能力!?でも、
「はっ!」
華麗に後ろに飛んで避けつつ、剣を横振り、鎌を斬る、
「エンプサ~!?」
さらにひるんでいる間に一気に近づき、飛行速度を上げ前に飛ばすように一気に横に振り抜く!
「はあっ!」
「エンプサァ~!?」
一気に剣で斬り飛ばした、さらに、足場踏みしめるように降り、さ、とどめ!
「『フェニックスナイツキングスラッシュ!!』」
振り下ろした剣より羽ばたく鳥のような斬撃が飛び、エンプーサァに叩き込まれ、大爆発を起こしたのだった・・・
「つまり、ソウルクレストを集めればいいわけね?」『どのぐらい集めればいいか、後でちゃんと訊いといてね・・・』
私達は、ラーディア姫に言われたことを他のメンバーに説明、それでマコミさんとイエローリアがこう返してきたのだ・・・
『だが、ラーディア様の言う事なら、他に方法も無いことだし、ここは従うよりほかあるまい』「そうだな、俺の方でもいろいろと調べてみるが、こればっかりはラーディアって人を信じる方が確実そうだ」
レッドリアもユウキさんも同意、
『ラーディア様・・・か、まさか、遠い世代のお姫様に力を借りることになるとはね・・・』「致し方あるまい」
ブルーリアとサトルさんも同意、
『そういうことはとりあえず、わかる人間に任せる』「俺も同感だ、怪しいところがあるならともかく、そういうの無さそうだしな」
グリーンリアとジンカイさんも同意、
「元より、帰れるのであれば、俺はある程度は手段を問わないつもりだ、ソウルクレスト集めと王国に帰ることが両立できるなら、これほど好都合な事も無い」
シルバーダさんも同意と・・・
「それじゃあ、みんなでソウルクレストを集めましょう!」『ああ、これからも、修行といろいろ歩き回りの生活が待ってるのね・・・』
『・・・姫様の事を聞いて思い出してしまったな、国王陛下はご無事だろうか、御子様たちも、なにか妙な事でもされてなければいいのだが・・・』
レッドリアの不安そうな一言が、私達の胸にちくりと突き刺さります、
早く、王国を取り戻してあげなければ・・・
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