バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

騎士剣戦隊キシケンジャー/10

騎士剣戦隊キシケンジャー 10
 
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 「お!来たか?」
 ギャルガと二体の魔怪人の前に、俺達六人は舞い戻る
 『わかっているな、指示通りに・・・』
 「わかってる」「任せろ」「やってやるわ」「行くぜ」「ええ」「ああ、行こう・・・」
 キシケンチェンジ!!
 剣を抜いて皆が変身!
 「赤の騎士!キシケンレッド!!」「青の騎士!キシケンブルー!!」「黄の騎士!キシケンイエロー!!」「緑の騎士!キシケングリーン!!」「桃の騎士!キシケンピンク!!」「シルバーダ!!」
 俺達の前に一人と二体がゆっくりと歩いてくる・・・
 「楽しそうだな、俺達も混ぜてくれよ」「・・・」
 と、横から出てきたのは・・・ウルフェイとブラグダ!?
 それにウルフェイの奴、包丁を伸ばして黄色に染めたような大型剣を両手に一つずつ持っている・・・?!
 『あれこそ、ウルフェイの本来の得物なのさ・・・』「つまり、あれで本来のあいつと・・・」ブルーリアとサトルの声
 「ようやく、修理に出してた剣が戻って来たんでな、修業も切りがいいところで切り上げて来たら、面白いことやってんじゃねぇか、なぁ、ギャルガ?」
 ウルフェイが向けた兜先に
 「けっ」
 ギャルガが顔をそむけつつ、つまらなさそうに声を上げる
 だが、俺は間断無くそれを見据え
 「にしても、どうするんだ?相手が二体も増えちまったぞ?」『ブルー、グリーン、それぞれ、ウルフェイとブラグダを頼めるか?それ以外は・・・』
 「ああ、分かった、倒さない、助けない、だろ?」
 「俺達で、どうにかして見せるさ」
 『わかってるじゃないか』
 「戦闘員!!」
 向こうから戦闘員たちが現れ、向かってくる、少し遅れて裏切りの3騎士と魔怪人たちも!
 『全員、連携を忘れないように・・・一人残らず欠けるなよ・・・突撃!!』『了解』『行こう』『うむ!』『行きましょう!!』
 はぁあああ!!
 
 ~回想~
 皆に向かって基地に持ち込んだ左右の棒下にキャスターの付いたホワイトボードの前でボードの前にかざし持つ剣状態のレッドリアが話し出す
 『というわけで、私の方から作戦を授けたいと思う、その前に、連携において、必ず守らなければならない二つを伝授しておく』
 「どうせ、仲間を守るなとか言い出すんだろう」『ひねるなひねるな、サトル』
 『その通りだ、もう一つは、功を焦るなという事、だが、どうしてなのかはわかるか?』
 「それは・・・」
 『この二つは、陣形を崩してしまうからだ、功を焦って先走ったり、救出をしようとして持ち場を離れる、それが連鎖してしまえば、総崩れにもなる』
 「確かにな・・・」
 『連携に置いて大切なのは、仲間一人一人が与えられた役割を果たし、立ち位置をしっかりと守ること』
 「じゃあ、この間の私達がブラグダを抑えてる間にシルバーダがグラップデーモンを倒したのは?」
 今度はマコミが意見を言う
 『それも立派な戦術だ、だが、今回のそれはそれよりも複雑で、段階がある、』
 ~回想終わり~
 
 俺はまず、ハンママモンに突撃をかける、そこで振り下ろされるハンマーを防いで後ろに跳んで距離を取りつつ、乱入してきた戦闘員二体を一気に斬り伏せた
 「おっと、俺の相手はしてくれないのか?」
 そこにギャルガが割って入ろうと剣を振りかぶり
 バシッ!
 真横より来たれた黄色の光弾が、ギャルガに一撃を加えた
 「あんたの相手はこっち!」「です!」
 ギャルガがイエローの光弾が来た方に向いている間にも、ピンクが間に入っている、
 ギャルガが兜先を一瞬のみ上げながら
 「へっ、お嬢さん二人が相手とは嬉しいねぇ、いや、四人か?、なら、お望みどおりにやってやる!!」
 ギャルガの蛇腹剣の一撃、それをピンクが剣で完全にふさぎ切った
 「っち、だが、その位置なら、弾は当たらんだろ?」
 ギャルガがそう言い放った次の瞬間、ピンクの後ろから鏡の破片が宙に浮かび、それを幾つもの光弾が反射して、辺りの戦闘員もろともギャルガを撃ち抜いた
 「ぐはっ!?馬鹿な・・・!?」
 ギャルガがひるみつつ二人の方を見る間にもイエローが横から体を出す
 「残念、こっちにはミラーデブリアンドリフレクショットクレストがあるのよ!」
 「そして、私にはヒールナースアンドスマッシングキュアクレストがあります、そう簡単には退きません」
 「ぐ・・・くそったれ~!」
 イエローが再び身を隠す中で、
 ギャルガの蛇腹剣の連続攻撃が始まった
 
 「ここだぁ!」
 ウルフェイの二閃の剣が振り下ろされるのを俺はブルーリアであえなく防ぎ、続けての大振りの回転切りを何とか後方一回転宙返りで跳び避ける、
 こいつ、あんな大型の剣なのにスピードが全く落ちていない、それどころかパワーと重さが加わってさらに厄介になっている・・・
 『サトル、避けきれるか?』
 「大丈夫だ、一応、どうにかは出来る、行くぞ、クレストセット!」
 『バタフライアンドサンダービークレスト!!』
 「おおりゃあ!」
 大振りの縦切りを舞い避けながら、乱入してきた戦闘員を刺し貫き倒した・・・
 
 俺とブラグダは大上段から剣をがっきと叩きつけ力を入れる!
 「なぜだ!なぜ、魔皇帝に組する!?」『答えろ、ブラグダ!』
 「・・・」
 そして互いにさらに力を込めて弾き合わせる!
 「クレストセット!」『ウォールシールドアンドウォールハンマークレスト!!』
 出現した城壁を思い切り上から叩きつける
 「ぬぅん!!」
 も、ブラグダも大上段から城壁を切り裂いていく、
 しかし、崩れた城壁のエネルギーが、まわりの戦闘員を巻き込み消滅させていった・・・
 
 「ブリザードガストアンドフリーズリターンクレスト!!」
 辺りの戦闘員ごとランスアモンを巻き込み、一気にもう一打繰り出し、破壊
 「ランサー!」
 が、ランスアモンは槍にエネルギーを込め、反対から叩きつける様に冷気を弱体化!?
 周りの戦闘員集団前半分は消滅したが、ランスアモンは無傷!?
 「それなら・・・」
 一気に近接戦闘を仕掛ける!
 槍を構え直す前に!
 よし、ランスアモンの間合いの内側に入り込め・・・
 そこに急いで間を詰めた戦闘員の槍のサポート!?
 
 ~回想~
 『まず最初に戦闘員を全滅させる』
 「どうして戦闘員なんだ?」
 今度はジンカイの声
 『まずは頭数を減らす、その方が不確定要素が少なくなり、作戦が成功しやすくなる、なので、まずは戦闘員の全滅を目指すことになる、だが、黙っていてくれればいいが、相手も来る可能性がある、よって、その場合の魔怪人とギャルガの担当を決めておく』
 「担当は?」
 『私の独断と偏見だが、あの槍のやつをシルバーダ、ハンマーのやつをユウキに担当しておく』
 サトルの割り当てが無いが・・・
 「俺は?ギャルガか?」
 『いや、サトルには遊撃として積極的に戦闘員を倒してほしい、ジンカイも』
 「なぜ、俺とサトルなんだ」
 『サトルはあの二怪人にダメージを与えられる三人目、ユウキとシルバーダに何かあった時は交代して相手をしてもらいたい、次のダメージを与えられる可能性があるのは、筋力のあるジンカイだろう、交代する時は私から声をかける、私がいない時はブルーリア、頼んだぞ』
 『任せときなって』
 「それじゃ、ギャルガの担当は?」『私達とイエローリア達のどっち?』
 『両方だ』
 『両方?』『両方?』
 『ユナが盾になってマコミが後ろから撃ってくれ、クレストがあるから不可能では無いはずだ、後、戦闘員の事を忘れるな』
 『了解』『了解しました』
 『そして、』
 ~回想終わり~
 
 慌てて後ろに引くも、ランスアモンの追撃をもろに喰らってしまった、
 「ぐはっ!」
 さらに二撃追撃を喰らう・・・が!
 「まだだ!」
 槍を盾で弾き、そのまま一気に剣を突き出す!
 「ハンマ!!」
 「ハンママモン!?」
 レッドの声と同時に飛び来た回転するハンマーが俺の体を打ち据える!?
 がはっ!?
 思わず離れた所に次いで独楽のようにまとわりつくハンマーに幾度も攻撃を受け、
 「ランサー!」
 そこを狙った槍の一撃に吹っ飛び、変身が解除!?
 背中打ち付けた俺に、ハンマーと槍の同時攻撃!?
 「はっ!」
 それを、剣で同時に弾いたのは・・・キシケンレッド!?
 レッドが少し横顔で俺の方を見る
 「すまない、まさかハンマーを投げるとは思わなくてな、俺の落ち度だ」
 「いや・・・」
 キシケンレッドが、二体を相手にしだす
 「ちくしょう、予定じゃ、ハンママモンだけの予定だったんだがなぁ・・・」『こうなっては仕方無い、作戦を継続だ・・・』
 「いいや!」
 こいつに守られていては・・・ダメだ、ここは戦場、足手まといになってはいけない・・・
 剣を片手に・・・立ち上がる・・・
 守る・・・?そうだ、俺は・・・誰かを守りたかったんだ・・・
 「俺がなりたかったのは、騎士でも、影でもない・・・」
 「シルバーダ!?」
 誰かを守れる、強く、優しい人間に・・・
 「俺は・・・誰かを守りたかった・・・誰かを守れる人間になりたかったんだ・・・」
 レッドリアさん達の様に、騎士団の皆の様に!
 「だから、守るべき人が苦しんでいる時に、倒れているわけにはいかない!!俺は愛する人々と共に故郷を、国を、必ず守り切って見せる!!」
 皆と共に人々を守れる存在に!!
 「シルバーダ!!」『そうだ、誰かを守りたいという気持ちこそ騎士の証、影だろうと関係ない、誰かを守りたいと思えば、それは、立派な騎士だ!!』
 「うぉおお!!」
 もう一度、剣を戻し、引き抜きながら、俺は、叫ぶ!!
 「キシケンチェンジ!!」
 銀のエネルギーが俺を包み込み、鎧兜と盾と化す!
 「影の・・・いや、銀影の騎士!キシケンシルバー!!」
 「シルバーダ・・・いや、キシケンシルバー!!」
 「ランスアモンは任せろ!ハンママモンは頼んだぞ!!」
 「わかった、もうさっきみたいなへまはしないぜ!」
 ハンママモンを押し、キシケンレッドが離れて行く
 「さぁ、お前の相手は俺だ!!」
 剣を突きつけつつに突っ込む!
 「ランサー!」
 そこで繰り出される槍を盾でいなしながらランスアモンを大きく回りつつあたりにいる戦闘員に斬りつけ、すべて全滅させる!
 同時に周りからも戦闘員の倒れる爆発音が聞こえた
 『今だ!キシケンシルバー!!』
 「わかった!」
 自分が攻撃されなかったせいか、うろたえるランスアモンに一撃二撃と剣を振るって怯ませ、一気に後ろに回り込む
 「お前はこっちだ!!」
 一気に後ろ脚蹴りで、俺達の中央に放り込む!!
 「今だ皆!!」
 ナイトスラッシュ!!
 六方向からの斬撃がものの見事にランスアモンを捉え、爆発、消滅させた
 
 ~回想~
 『重要な立ち位置だが、六角形、を描くように動いてくれ』
 「つまり、三人以上同一線上に立つなってことか」
 再びサトルの声
 『そうだ、あまり広がり過ぎるなよ、そして、私が合図を送ったら、シルバーダが円の中心にランスアモンをおびき寄せるなどして移動させ』
 呼ばれたシルバーダの目つきが力を込めた厳しいもの取る
 「一気にしとめる・・・か」
 『その通りだ、大切なのは、戦場において相手を信じるということは、相手がきちんと己が役割を果たしてくれていると信じることだ、だから、救出行為や突撃行為は指示があるまでやってはいけない、肝に銘じておくように』
 「おう!」「わかった」『了解』「わかったわ」『わかりました』「うん!」『うむ!』「わかりました」『了解ね』「わかった!!」 
 『よし、それでは、作戦の第二段階について説明しておく』
 ~回想終わり~
 
 「なんだと!?」「何っ!?」「・・・それが・・・狙い!?」
 それぞれに驚きのリアクションを見せる裏切りの三騎士、
 結界はほんの少し薄くなった程度・・・だが、この色合いの方がグラップデーモンの時の色な気がする・・・そうか、結界の主は二人ともなんだ!二重に結界を張っていたんだ!!
 『今だ!行け!!』
 はぁあああ!
 俺とキシケンレッドが一気にハンママモンに近づき、連携して四剣閃を繰り出す!
 「ハンマ~!?」
 「ハンママモン!」
 「どこに行くんだ?」
 ハンママモンに向かって駆け出そうとしたウルフェイの前をキシケンブルーが遮り
 「ハンマ」
 「行かせやしないぜ?」
 同様に走りだそうとしたブラグダの前にキシケングリーンが立ちふさがる、
 が、
 「けっけっけっ・・・馬鹿な奴らだ、ランスアモンを巨大化させれば」
 ギャルガが両手を胸の前で合わせて集中しようと
 した次の瞬間、光弾でその集中を遮られた!
 「うおっ!?なんだと!?」
 「残念ね」
 「私達がいることを忘れていませんか?」
 おそらく驚愕の表情が仮面の下で浮かんでいるであろう、ギャルガが正面のイエローとピンクを見る
 「まさか、お前達が俺と戦っていたのは・・・」
 「その通り」
 「この状況下で、あなたが巨大化させるのを阻止するためです!」
 「ぐっ、くそー~!!」
 今だ!
 その間にも、一気に剣を振るってレッドと共に十閃立て続けに剣をぶち当て、
 「さぁ、とどめだ、キシケンシルバー」
 「まかせろ、キシケンレッド!」
 クロスソードスラッシュ!!
 はっ!
 銀と赤の斬撃が十字を描いて突進、ハンママモンに叩きつけられ、ハンママモンが爆発、消滅した・・・
 「さぁ、次はあんた達よ!」
 「このまま降参なさってください!」
 「けっ!そうはいくかよ!」
 もう一度、両手を胸の前で合わせようとするギャルガ、それを光弾が阻止・・・
 「はぁあああ!」
 「ぬぅうううん!」
 が、そこにキシケンブルーとキシケングリーンを弾き飛ばす勢いでウルフェイとブラグダが強襲、
 光弾を剣を盾にして防ぎ、横目で後方のギャルガを見る
 「とっとと巨大化させろ」
 「・・・」
 「任せろ、そらよ!」
 魔力が収縮し、ランスアモンとハンママモンが巨大化する!?
 「あばよ」
 裏切りの三騎士が剣を叩きつけた煙幕に紛れ去って行く、だが、今は追う暇なんてない!
 「レッドドラゴン!!」
 「ブルーサーペント!!」
 「イエローキマイラ!!」
 「グリーンベヒモス!!」
 「ピンクフェニックス!!」
 「シルバーキュウビ、グラッシュイエティ、ソンゴクウ!」
 完成!キシケンオー!!
 完成!シャドーナイツ!!
 合体し、相対し、互いの得物を持ち接近していく、
 が、向こうは槍で幾度も俺達を突き、そこにハンマーで縦横無尽に殴りかかって来た!
 「ぐはっぁ!」
 ぐはぁ!!
 どうやら、あいつらも連携攻撃というのを覚えたらしい、だが・・・
 「レッドリアさん、ユウキ、聞こえるか?」
 『ああ、聞こえるぞ』「ばっちり聞こえるぜ」
 「俺達の力を合わせ、一気にこの状況を打開しましょう!」
 『ああ、分かった、あれだな!』「あれって」『私の指示道理にやるんだ、みんな!ごにょごにょ・・・』
 「よし、行くぞ、」キシケンオー!
 「シャドーナイツ!」
 合体!!
 すると、シャドーナイツの体が、右腕、左腕、両足、胴部と分割、
 キシケンオーがシャドーナイツを銀の鎧として纏って行く、
 両足がつま先を下にして、平べったく角度を変え、キシケンオーの下に靴を履くように移動、
 両腕はそれぞれの肩の部分が上に移動しながら反転して前になりつつ九尾の尾が外に角度を変えつつ腕の手首甲で合わさり、剣の鞘は左腰部に移動
 胴部の前が開いてキシケンオーのドラゴン頭部が上がってそにに銀鎧がかぶさるように合体、ドラゴンの頭をおろし、
 頭の部分がさらにかぶさるように合体し、頭部に銀のアクセントが加わり、
 最後にキシケンオーの剣の刃を上に拡張するようにシャドーナイツの剣の刃部分が同じ方向に来て合わさり、
 両腕に九尾と悟空を配した銀の鎧をまとったキシケンオーに
 「光と影、二つの力が合わさる時・・・」
 完成!デュアルナイツキシケンオー!!
 決まる!
 キシケンレッドと共に中央に陣取る俺、
 「行くぞ、みんな!」
 おう!
 ユウキの音頭に答え、デュアルナイツキシケンオーを前進させる、
 「ランサー!」
 「ハンマー!」
 向こうはガムしゃらに槍とハンマーを叩きつけるも、そんなものは効かない!
 はっ!
 全員の掛け声とともに一気に剣を振るうと、二体共が吹き飛んだ、
 しかし、その二体は何を考えたのか、ハンママモンがランスアモンを肩車、
 「それで合体したつもりか!?」
 「ランサー!」
 「ハンマー!」
 その状態で攻撃してくるが、まったく効かない!
 「ふざけるのもいい加減にしろよ、みんないくぞ!」
 おぅ!
 「ああ!」
 デュアルナイツキングスラッシュ!!
 はっ!
 光と闇を両側に備え断ち切るような大上段からの剣戟は、ランスアモンとハンママモンを真っ二つにし、爆散せしめたのだった・・・
 
 デュアルナイツキシケンオーが夕日を背景に立つ・・・
 「これでおやっさんたちは元に戻ったのか?」
 「そのはずだぜ?」
 「そうか・・・」
 よかった・・・
 横からのユウキの声に思わず安堵する
 「これからもよろしくな、シルバーダ」
 ユウキが右手を前に出してくる、俺は・・・
 「こちらこそ」
 思い切り右手を出し手握り返す、
 そこに他のみんなが近寄り取り囲む
 「これからもよろしくな!」「よろしく!」「よろしくな!」「よろしくお願いします!」
 『うんうん、これこそ騎士同士の友情だ・・・』『よかったよかった』『これで、心置きなく王国を取り戻すのに邁進できるわね』『うむ』『よかったわ・・・シルバーダが仲間になってくれて・・・』
 それぞれの反応を示す皆を、そこで俺は見回し
 「みんなも、これからよろしくお願いする!」
 そして、頭を下げ、そして、しばらくの後に上げた
 皆の頬が緩んでいた、恐らく俺も、
 影として、頬は緩めるべきではないのだろうが、今回だけ、俺も頬を緩めさせてもらおう・・・
 
 「あ~あ、結局強化した魔鉱石、全部使っちまったなぁ・・・」
 いつもの夜の高層駐車場で柱下の土台縁に座り愚痴る俺
 「何を言ってる、俺の分を勝手に使いやがって」
 「次、来るのはいつだろう・・・」
 が、今回は立っている二人も一緒だ・・・
 「情けない、これが人間というものか?」
 「んだと、誰だ!」
 立ち上がりながら見ると、そこには、左右に並んだ、赤いひし形で黒い本体で全身をパーツごとに包んだ物と同じく青い奴の二体がいた
 「我はネオ」「我はジオ」「「我ら、新世代魔怪人!!」」
 「なんだと?新世代魔怪人!?」そうか、なんかの実験やってると思ったら、こいつらを生み出すためか!
 「その通り」「我ら、以前の魔怪人の三倍以上の魔力」「貴様らよりも強い」「もうお前達の出番はない」
 「んだと!!」思わず足が前に出かかり
 「本当に情けない奴らだな、この程度の挑発に乗って仲間割れをしようとは・・・」
 聞こえたのは暗く重い声、この声に俺は背筋が震え慟哭する、見習いだったころに数度聞いただけの声だが、この声の主の名声はよく知っている、
 それは、ウルフェイとブラグダも同じだったようだ、驚きで体が固まっている・・・
 そして、鉄の足音を立て、その赤い鎧の騎士が現れた・・・
 「あんた、行方不明になってたはずじゃ・・・?」
 「生きて・・・いたのか・・・!?」
 「最強の・・・騎士・・・」
 雷鳴が、かの騎士に暗い影を落とした・・・
 
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