バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ハーフビースト:ハーフヒューマン/6

ハーフビースト:ハーフヒューマン 6
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 

 

 
 酒の匂い漂う食堂、
 壁はレンガで古臭く、四角い天板の木のテーブルと組みとなる椅子が所狭しと置かれており、
 そこで十人十色な半人半獣が飯を食い、酒を飲んでいる・・・
 情報と言えばここだよな・・・
 酒で酔ってる人間が多いせいか、適当に訊いても色々教えてくれるんだこれが・・・
 でもまずは・・・
 木板の上の黒い鉄板に乗せた小さめの(これでも俺にとっては大きいのだが・・・)ステーキを運んできた、
 半人半狐の黒地を基調としたミニスカートに白いエプロンとフリフリカチューシャの生えるウェイトレスに質問する
 「なぁなぁ、この辺りで世界征服やってるって組織知らない?」
 そ、ゴミ捨て場で絡んできた奴らの情報を探しに来たのだ、決してそれ以外の意図などない、腹は減ってるけど・・・
 ウェイトレスは俺をみるみる軽蔑に変わる瞳で見降ろしながら左口端を蔑みそうに上げ
 「はぁ?なにそれ、ナンパなら他所でやってくれる?」
 だよねぇ・・・知らないか・・・
 「じゃあさ、詳しそうなお客知らない?」
 「あら?ナンパじゃなかったの?」
 違うってば・・・
 言葉とは裏腹に表情は全然変わってないけど・・・
 「最近、その組織に付きまとわれて困ってんだよねぇ・・・あ、ナンパだと思ったら答えずにさっさと仕事に戻ってくれていいよ?」
 「そうね・・・」
 彼女は右手を口に当て、考えるふりをしてこちらに時折目線を向けてくる・・・
 あ、そう言うことか・・・
 「これ、少ないけど・・・」
 上着内ポケット小銭を出してチップとして差し出す、
 も、彼女はそれをじっと見た後再び俺に目線を向け、
 「これだけ?」
 「これ以上なら、デートも付けてくれないと割に合わないな?」
 表情は全く変わらない
 「あはは、なるほどね、これ以上出したくないと、」と、左側の席の方に目だけを向け、「そこにいる鼠のおっさんなら何か知ってんじゃない?知らないけど」
 そっちを見ると確かに半分ネズミで茶色のコートと帽子着たおっさんが一人で椅子に座って俺と同じような皿に乗ったステーキをフォークで刺し口に運び食っていた、
 そして、俺達の方を見て、
 「俺か?そうだな・・・」
 黙り込む、やはり時折視線を俺が小銭を持っている手に逸らしたり俺に向けるどいつもこいつも・・・
 「ビールでいいか?」
 「中ジョッキで頼むぜ?」
 しゃーなし、そこそこの金で解決できるならそれで別にいい、暴力よりはずっとね・・・
 俺はウェイトレスに向かい、
 「ウェイトレスさん!」おっさんを左親指で指しながら「このおっさんにビール中ジョッキ!」
 「はいはい」
 ウェイトレスが小銭を受け取りながら足取りも軽く奥の廊下の扉替わりの布境に引っ込んでいく、
 まったく・・・出費がデカいな・・・
 「で、だ、お前さんが欲しがってる組織の情報だが、」
 まさかの当たりか・・・!?
 いきなり話し出したおっさんに俺は内心驚きおっさんの方を向く
 おっさんはステーキ喰いながら戯言といった風に
 「この辺りに地下闘技場があるって知ってるか?どうやら、その地下闘技場に・・・」
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――