バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ハーフビースト:ハーフヒューマン/5

ハーフビースト:ハーフヒューマン 5
 
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 「それで?わしのとこに来たと?」
 前と同じいつもの診察室でいつものように対峙する俺と医者とナース、
 「そうそう、何か聞いてない?」
 目を少々見開き少し呆ける医師に冷静にこちらを見降ろす看護師、と、
 医師が目の見開きと呆けから直り俺を見据えて口を開く
 「無いな、そこまで早くに情報が集まるわけがなかろう、そっちは?」
 看護師の方に訊きながら向くが、ナースは静かに首を横に振るのみ、
 ドクターはこちらに目線を戻し
 「だそうじゃ」
 と続け、
 「じゃが、わしらに相談するくらいなら警察に訊いたほうがよかろう・・・」
 俺は思い出しつつその影響で目線を少し逸らしてながら返す
 「警察も知らないってさ、」再度目線を医師に戻つつ手の指を外側に両掌を外側上に出して肩をすくめ、「ま、三人も捕まってるから、もしかしたらあいつらが白状するかもしれない、ただ・・・」
 「目を付けられた・・・と?」
 「ま、上役が来たんならそういうことだろうね・・・」
 姿勢を戻しながら答える俺、
 まったく、厄介な・・・
 「情報無いなら今日は帰るわ、じゃあな」
 「じゃあの、気を付けてな」
 はいはい、わかってますよっと・・・
 俺は椅子から立ち上がる・・・
 
 「ラズくーん、いるかーい?」
 ラズの部屋の前まで来て、手の甲で扉を叩き問いかけるが、返事が無い・・・
 不意にドアノブを回すと開いており、ドアが開く・・・
 中に入ると、奥の部屋の椅子に腰かけ、右の机に向かって両手を机の上に出しパソコンに打ち込んでいるラズの右半身が見える・・・
 「あれがこれで・・・ごめんなさい、今立て込んでて・・・」
 こちらを見る余裕すらないようだ・・・
 「ううん、気にしなくいいよ、ただ、鍵は閉めてね、ここは危ないんだから・・・」
 「わかってますよ」
 「じゃ、君の分の肉の串焼き置いて今日は帰るね、あまり根詰めないようにね・・・」
 「ありがとうございます」
 言って、僕はすぐ前の玄関廊下に白い袋と内側のパックに入った肉の串焼きを置いて振り返り部屋を出る、
 ・・・本当に大丈夫かなぁ・・・?
 
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