バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ハーフビースト:ハーフヒューマン/11

ハーフビースト:ハーフヒューマン 11
 
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11
 
 それから二週間後、ようやく少年が退院し、煉瓦で建てられたビルのような病院の前で顔を合わせる、
 と、ラズが出入り口を背に頭を下げ、
 「ごめんなさい、どうやら迷惑をかけたみたいで・・・」
 「いや、そこまで気にすることじゃないよ、退院おめでとう」
 ラズは顔を上げ、陽光照り返すはつらつとした笑顔を見せ
 「はい!ありがとうございます!食わず嫌いを無くして、自分なりの食生活と栄養バランスを探っていこうと思います!」
 うんうん、と、
 「悪いけど、今日は待ち合わせがあるんだ」
 「わかりました、いってらっしゃい!」
 「うん、すぐ帰ってくるよ」
 ・・・そうして、待ち合わせの喫茶店に向かう・・・
 数日前、電話があったのだ、闘技場で知り合ったやつから・・・
 闘技場に来た、怪しい奴について・・・
 そして、白い壁紙と綺麗な床板と幾多の交差足の丸机と交差足背もたれ付きの丸椅子で構成された小奇麗な喫茶店でその半カミキリムシとコーヒーを飲んでいる、
 位置的には地下闘技場の前あたりだ・・・
 「来たぞ」
 喫茶店と道路を区切るガラスに奥側の歩道を右に向かって歩く緑と桃のそれぞれのパーカーを深くかぶった二者が映る、
 どうやら、用心してるらしいが、外から見てもわかる、パーカーが特徴的に膨れている・・・
 「あれは・・・牛とガゼル!?警察に捕まったはずなのに何で!?」
 「脱獄したという話だ、自分達が所属してる組織の上からの手引き、というか、力づくでな」
 おいおい・・・
 ともかく、彼らを尾行すれば本拠地が分かるかもしれない、か・・・
 俺は二者を目で追いながら
 「ありがとう、コーヒーの代金は・・・」
 「いいや、私も行こう、コーヒーの代金は割り勘だ、地下闘技場にあまり問題を持ち込んでほしくないんでな・・・」
 こうして、レジでコーヒーの代金を支払った俺達は、喫茶店を出て、スラム街のすさんだ空気の中、半牛と半ガゼルを尾行し始めた・・・
 
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