バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

暗黒騎士フラウリア(17)/8

暗黒騎士フラウリア(17) 8
 
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第8話 初めての護衛任務!
 
 「それでは、君達が今日の担当だ、フラウリア、シューク、よろしく頼むよ」
 「はい」
 「はい」
 私は右側に立つ黒髪をまとめ左肩に乗せた騎士と頭を領主の政務室にて下げてあいさつしていた
 柔和そうな男性騎士だ、白い鎧を見る限り煌星騎士団だろう・・・
 「それじゃ、今日の護衛を頼んだぞ!」
 はっ!
 岩の壁に囲まれた部屋、重厚な政務机の向こう、左目にひし形モノクルを掛け、学帽を被り、
 真っ直ぐなマントのようなローブを着けたやせ長なちょっと左右に口髭生やした領主に敬礼し、
 後ろの左右に控える、
 ・・・三日前・・・
 団長室にて騎士団長に今日の昼間の分の護衛を頼まれたのだ、
 そろそろお前もやっておくべきだと言われて・・・
 でも、朝からずっと立ってる感じだろうか・・・
 領主は政務机に向かってずっと書き仕事をしている・・・
 たまに正面の少し頑丈そうな木の扉が開いたかと思えば、長いローブを着た役人から
 「領主、書類のチェックを」
 等と言って書類を渡されて、書き仕事が追加される、
 手洗いなどは男性騎士が付いて行く、
 と、政務机の向こうで手の指を合わせて領主が伸びをする
 「そろそろ気分転換に中庭でも歩くか・・・ついてまいれ」
 はっ!
 私達が声を合わせ、後ろに付いて行き、館の中庭に
 辺りに咲き誇る緑の木の葉に赤い花の木・・・
 「さて、フラウリア・デスランブルジャック」
 領主がこちらを向き、私を見る、
 私は何を言われるのかわからず緊張で思わず敬礼しながら背が伸びる
 「はっ!何でしょうか?」
 領主は前傾姿勢の先にあるやせ型の顔に着いた覇気の無い目で私を見上げ
 「父上は元気になさっているか?」
 「はっ!ここに来る前は元気に送り出してくれました」
 「いやいや、お主の父親が将軍となって貴族に繰り上がりしてから五年にもなるのかと思ってな」
 「確かにその通りです、しかし、私自身は領主様にお仕えする騎士の身です、そのようなお話は」
 「ああ、すまないな、機会があれば御父上にはよろしく伝えてくれ、おぬしの娘はしかと仕事をこなしているとな」
 「はっ、ありがとうございます」
 ・・・どういう意味があるのか・・・?
 淡々と話された言葉に思わず困惑してしまうも、
 その間に領主は振り返り歩き出す
 ・・・まぁいい、
 こっ
 ん?
 領主に続き歩き出したシュークさんの足に石が当たる、
 シュークさんも手に取って確認し戻す
 ・・・あの石・・・見覚えが・・・気のせいかしら・・・?
 そんなこんなで執務室に戻って元のように護衛として控え始め数時間、二人の騎士が入ってくる
 黄の鎧と赤の鎧の男性騎士・・・
 二人とも筋骨隆々でワイルドそうな顔かつ短い茶の髪と黒の髪を一方は立て一方は流している
 「お疲れ様」
 「夜勤は任せな」
 二人の野性的な笑みから放たれた言葉、
 どうやら、交代のようである、
 私は一礼しつつ
 「ありがとうございます」
 「それじゃ、交代ですね」
 シュークさんもそう返しつつ領主の家の裏口より外に出ると、広がる街並みの中、すでに日は落ちかけていた・・・
 
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