バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

暗黒騎士フラウリア(17)/19

暗黒騎士フラウリア(17) 19
 
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第19話 襲撃者と敵意の本拠地・・・
 
 団長の声に互いの動きが思わず止まる
 「終わったぞガナッシュ
 え・・・?
 私が左口端ひきつらせて男の方を見る、
 フードを上げ、顔を隠すように巻いていた布を取ると、そこには確かに朗らかに笑うガナッシュさんの顔があった
 「いやぁ助かりましたよ」
 「な・・・なんで・・・私に攻撃を・・・」
 私の声が震えいるのがわかる
 対してガナッシュさんは朗らかに笑ったまま
 「追手がいたんで、彼らの気を引けるかなと・・・」
 「見事に引いてたな」
 いつの間にか私達の間にいた団長が目じりを下げた呆れ顔で言う
 私はそんな団長に向かい
 「で、私達が戦っていた間に団長達が倒していたと」
 「そういうことだ」
 良く見ると他のメンバーも周りに来ていた・・・
 団長の目線がいつの間にかガナッシュさんの方に向かっている
 「で、ガナッシュ、お前は何してたんだ?」
 「いやぁ」
 申し訳なさそうに眉を顰め右手を顔の後ろになど回し
 「皆さんと離れ離れになった後、敵の本拠地見つけられないかなぁ、なんて考えて・・・」
 「独断専行していたわけか・・・」
 「はい・・・」
 申し訳なさそうに返してるけど絶対反省してないでしょうねこの人・・・
 「で?本拠地は見つかったのか?」
 ガナッシュさんは右手を下げ改めて団長を見据え
 「はい!この先に行けば館があります」
 団長の右眉が疑問でか一瞬跳ね上がり
 「館?この森の中に館だって?」
 この辺りに来るのは初めてだが、確かにこんな森の中に館があるのは不自然だ・・・
 ガナッシュさんはその疑問を解くように
 「大型で四角い館でね、少々高さがあるんですけど、森の木々で巧妙に隠されているんです、近くに行くか、空からか、そうじゃないと見つからないでしょうね・・・」
 なるほど・・・
 「そこを拠点にしてたってわけか・・・」
 「ええ・・・」
 「じゃ、俺達はそこに向かう、ガナッシュは都市に戻って館の場所を伝えてくれ、余裕があったら援軍を送ってくれるようにとも言っといてくれ」
 「わかりました、ああ、そうそう・・・」
 ガナッシュさんが団長の方を真っ直ぐ見て
 「彼女の斧、全力を出してもいいと思いますよ?」
 団長の表情は変わらない
 「色々と不安でな・・・ま、お前が言うなら今回は許可出すか・・・」
 最後の方は少し諦めたように声が上ずる団長、表情は変わらないが表情筋はなんとなく声に合わせて変わっている気がする
 「それでは!」
 言って、ガナッシュさんが都市まで走って行く・・・
 「それじゃ、俺達も行くぞ!!」
 ガナッシュさんの反対側の団長に言われて振り返り走り出す!
 そうして、相当な時間走ると、木々の間にクリーム色の壁に窓が等間隔にいくつも付いた建物が見えてきた、しかし・・・
 左右前方の木々の後ろからオークやゴブリン達が私達の前に出て来て行き道を塞いでいく・・・・、
 「って、なんで私の後ろにいるんですか団長!!」
 「危険だからだ、ほら、皆も後ろに来い」
 言われて皆が私の後ろに回る
 「いいか、ここはお前に任せる、まずは光の魔石の力を開放しつつ斧を振るえ、敵にだぞ、俺達の方には振るうなよ・・・」
 まったく・・・
 とにかく、光に念を入れる・・・
 こいつは魔を供えると現象を引き起こす石、魔供石だから、
 魔力を吸収させて・・・
 魔石から魔鉄を通じて光の力が斧の刃が光り輝かせていく・・・!
 そこに魔物たちが来る!!
 はっ!
 魔物たちを狙った斧の一撃が斬撃のような光の刃を生み出し飛ぶ!!
 魔物たちを斬り裂き飛び、さらに振るうと飛んでいく光刃!
 さすがに対抗策が無いのかしり込みし始める魔物たち、
 中には逃げ出し始めるものも・・・
 「闇の方を使え!」
 「あ、はい!」
 闇の方に魔力を入れると、徐々に徐々に黒い球が生まれあたりを吸い込み始める!
 ゴォオオオ!!
 っつ・・・!
 魔力を入れるだけでなく、これを制御するために足をちゃんと踏み込まねばならない・・・
 斧と手が震える・・・吸い込まれていないのは私と私の後方だけ・・・
 あ、だからみんな私の後ろに・・・
 敵たちが残らず吸い込まれていき、圧縮されていく・・・
 そして、一体もいなくなった時・・・
 制御を解き、いきなり敵たちが圧縮から解放!!
 ・・・あたりは血の海に染まったのだった・・・
 う・・・左口端が引くつく・・・
 これはさすがに・・・
 「とっとと行くぞ、こんな光景、いつまでも見てられないだろ」
 ・・・同感です・・・
 私達は団長の指示に従い、左から先に行く団長に続くため急いで走りだすのだった・・・
 
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