バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

暗黒騎士フラウリア(17)/15

暗黒騎士フラウリア(17) 15
 
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第15話 就職祝い
 
 「という事でございます領主、命令を」
 「では、まずは調査しましょう、防衛網を敷きつつ、相手の戦力を調査、魔族領からあなた達が行っていた村まで一気に爆発があったという話も・・・」
 私は、領主の執務室の扉から聞こえる声に聞き耳を立てつつ、
 一緒に報告に来ていたジャンドさんと一緒に突っ立っていた・・・
 ガナッシュさん、大丈夫かな・・・?
 ドン!
 大きな音をたて、ドアが開き、団長が出てくる!
 「団長!」
 「どうなったんですか!?」
 私とジャンドさんが駆け寄る
 団長の表情は極めて冷静に見えて真一文字に結んだ口が状況のヤバさを伝えている、そして、その口が開いた
 「大体の方針は決まったが、これから将軍と他の騎士団長を呼んで緊急会議だ、お前たちは訓練場に戻ってろ」
 了解!
 隊長に敬礼し返す
 「後、ガナッシュの事だが・・・」
 「ガナッシュさんは!?」
 私は続けて訊きすがる
 「捜索には出ないことになった」
 「そんな!?」
 「そこまでの人員は出せないとの判断だ、後・・・」
 後・・・
 言いながら、私を見る団長の目が柔らかいものに変わる
 「あいつなら大丈夫だ」
 へ・・・?
 「あいつは姿を隠すのも得意だからな・・・下手に探してあいつの邪魔してもろくなことにならん、他の消息不明者と同じ扱いということになる」
 「そうですか・・・」
 私が下がるとともに団長は私とジャンドさんを見るように
 「さ、お前らは戻った戻った!指示は追って伝える!」
 了解!!
 そうして、私達は訓練場に戻る・・・
 「ああ!フラウリアさん!」
 ん?ロシェさん?
 訓練場の端で待機しているとロシェさんが話しかけてきた
 ロシェさんはまっすぐに私を見て
 「フラウリアさん宛てにお父さんから大荷物が届いてましたよ、何人もの護衛の付いていた大荷物です、何でも騎士就任祝いだとか、ぜひ実戦で使ってほしいとか、そう包に・・・」
 父から・・・?一体何だろ・・・?
 「寮母に預けてあります」
 「私、受け取ってきます!」
 「隊長からの指示は?」
 「寮と訓練場、繋がってるんですからすぐですよ」
 ジャンドさんの声に応えつつ、私は寮まで向かい、寮の出入り口の受付部屋でワイヂさんから包みを受け取る
 包みには確かにロシェさんから言われた通りの言葉が書かれており、縦に長く、大きい・・・
 しかし、それだけではない、
 中から力を・・・感じる・・・
 「これは・・・中から魔力があふれてる、人造のものだが、かなり強力なものだ」
 「・・・父は一体何を送ってきたのでしょう・・・?」
 床において包みを開けると、そこにあったのは、簡素な木の箱、しかし、隙間なく何かの呪文が書かれており、嫌な予感を持たせる、
 書かれているのはおそらく封印関係の呪文、中の物の魔力を利用してそれそのものを封じ込めるタイプのもの、と私は推測した、
 そして、封印に魔力を使用した中心人物の血縁者しか解放できないようになっている、おそらく、私か弟しか開けられないようになっているのだろう、
 私は恐る恐るふたを開ける・・・
 中に入っていたのは・・・斧・・・?
 両刃の根元に光と闇の魔石が前後に入り、刃も、金色の魔鉱石でツタのような文様を描く様な強化が施されていたりと、
 かなり強力な物であることがわかる・・・
 そして、その長さも私の背丈に合わせられており、
 明らかに私用に作られていることがわかる・・・
 が、私は斧そのものには目もくれず、はまった魔石の方にのみ目が行っていた、魔石・・・そう・・・魔石だ!!
 私はその斧を背負って急いで外に出る、
 「おい!どこ行くんだ!!」
 ワイヂさんの声に私は横目で、目を見開き慌て問いたワイヂさんを見て急いで返事を返す!
 「隊長達にはこの件で思いついたことがあるからすぐに戻ると伝えてください!!」
 「・・・まったく・・・」
 ワイヂさんの呆れた声を聞き呆れで力抜かれた表情を見つつ、私は寮を出てあたりの石を一掴みし、
 スタリア先輩の元に走る!!
 そして、研究所の扉を開けて階段を上り、研究室の扉を開けるとそこにスタリアさんがいた!
 その表情は呆気にとられて目が少し縦に見開かれていた
 「ん?何の用?」
 「この石のことを調べてほしいんです!!」
 私は先輩に拾った石を差し出す!
 だけど、なぜか先輩の目は私の背負う斧の方に行っていた
 「その背中の斧を自慢しに来たのではなく?」
 「この斧は父が送って来ただけですよ、実戦に使ってほしいって」
 「・・・過保護だねぇ・・・」
 呆れで今度は目線が空に逸らされる先輩
 「それよりもこの石を調べてください!」
 私の急ぎの言葉に先輩の目線は言葉を発しながら石の方に向かう
 「全く、いきなり来て・・・」石を見たとたん驚き目を見開き石に顔を寄せる「ん?この石は・・・」
 
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