バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

暗黒騎士フラウリア(17)/10

暗黒騎士フラウリア(17) 10
 
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第10話 今の我が家
 
 街を囲う城壁、そこから直に接続されたいくつかの建物、
 そのうちの一つがここ、暗黒騎士団寮だ、
 傍には上から見たら城壁から真四角に作られた暗黒騎士団の待機場兼訓練場も存在する、
 「それじゃ、フラウリアさん」
 「ここまで送っていただきありがとうございます、シュールさん」
 私がお返しに頭を下げると、シュールさんが振り返り夜の闇に消えていく・・・
 私は見送り踵を返し扉を開く
 「お、帰って来た」
 「マドモアゼル、フラウリア、ムッシュシュークとの会話はどうだったかい?」
 と、帰ってくるなり壁掴天井が石ででき木の梁が通った広い玄関待合部屋の左奥の木の丸椅子に座ったクーベルさんとジャンドさんがこちらを見て問いかけてきた
 「ええと・・・」
 思わず返答に困る、どう答えていいやら・・・
 「お前達!いきなりそんなことを訊くもんじゃない!!」
 と、奥より一喝するような声と共に馬の蹄のような足音・・・
 頭を後ろで結び、貫頭衣にエプロン姿の紫に近い黒髪の女性・・・
 ただし、下半身は髪と同じ色の毛並みの馬の体、ケンタウロス族の女性だ、
 名をワイヂという、
 私は思わず頭を下げる
 「ワイヂさん、ありがとうございます」
 ワイヂさんは口端上げた軽快な笑みを見せ
 「いいさ、もっとも、いきなり晩飯要らないなんて言って、差し支えなければ何かなかったか話して欲しいけど・・・」
 まぁ、訊きたいですよねぇ・・・致し方ない・・・
 「酒場で食事しつつ料理の話をしてただけですよ?それ以外は何もないです」
 「あ・・・」
 「そうかぁ・・・」
 「まぁ、シューク君ならそうか・・・」
 なぜか一気にクーベルジャンドワイヂ三人の空気と表情が力抜けたが残念そうなものに変わる
 「いやいや、俺も食事に誘われてさ、それで料理の話ばっかりされたわけ」
 え・・・?ジャンドさんそれは・・・
 「私も誘われたよ、この私を食事に誘うとは、さぞ見る目があるのかと思ったが、見張りで一緒になった騎士は大抵誘われてるらしいね」
 え・・・?クーベルさんも・・・?
 「私は会ったことないけどさ、噂にはよく聞くよ」
 え・・・?噂・・・?三人が変わらず力の抜けた表情から放った話に私は軽いショックを受けていた、
 そっかぁ、私だけじゃなかったんだぁ・・・
 「そもそも、あの店もシュークの紹介で知ったわけだし・・・」
 ジャンドさん、もうその情報いりません、
 反応してクーベルさんもジャンドさんの方に顔を向け
 「そうなんだよ、いやいや、どういうつもりなのか・・・」
 続けてワイヂさんも二人の方を見る
 「そこまで言うなら一度会ってみたいねぇ」
 ええぇ・・ワイヂさんまで会いたがっちゃうんですかぁ・・・
 
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