バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

暗黒騎士フラウリア(17)/1

暗黒騎士フラウリア(17) 1
 
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第1話 お嬢様暗黒騎士(17)
 
 「兵士適正A、魔術師適正B、掃除屋適正A、調理師適正A、管理者適正A、書士適正A・・・」
 石造りの部屋、向こうに日の光差す上が半円の窓がある、重厚な木の机の反対側で、
 黄縁の黒い鎧を着た30代後半茶髪細身で無精ひげの生えた暗黒騎士が右手に持つ書類を見ながら続ける・・・
 「よって、フラウリア・デスランブルジャック、貴君を暗黒騎士として我が騎士団に迎え入れる!!」
 「あの~」
 私は気弱ながらに右手を上げ声を出す、
 「私・・・魔術師志望なんですけど・・・」
 暖かな血の色のミドルヘアー、人よりも大きいと言われる胸、可愛げありと言われる顔、
 それに暖かな色でボリュームのあるツーピースを合わせている、
 「あ~問題無い問題無い」
 暗黒騎士が書類を持ったままの右手を気持ちなくやる気なくこちらに振って気だるげに私の方を見る
 「うちでは魔術師の上位に騎士が付いてるから、魔術師寄りの騎士で、って話なら魔術師の仕事も回せるし・・・」
 「はぁ・・・」
 なんか・・・だまされた気がする・・・
 父の勧めでここに来てみたが・・・かといっても魔術師適正が低いせいで落ちまくった以上、ここ以外に就職場所なんてなさそうだし・・・
 仕方が無い・・・
 私は呆れ交じりに力無く答える
 「わかりました、待遇も良さそうなので・・・」
 暗黒騎士が得意気に決まり笑みを見せる
 「おし!決まり!、うちに初めての女性騎士が誕生したぞ!!じゃあ、女性用の鎧を着て」
 「団長!」
 後ろのドアが開かれ二十代で黒い髪と日焼けした肌持つ黒い鎧と兜を着けた騎士が現れる
 「城壁にゴブリンとオークの混合軍が!」
 「軍部は?」
 「動いてますが、領主が出ろって・・・」
 団長さんの顔がみるみる嫌そうに歪む
 「けっ、上部の手柄争いか、おい」
 え?いま私に声かけました?
 「あ、はい!」
 団長の視線がまっすぐに私を見ていた・・・
 「すぐに鎧に着替えてこい、斧も騎士団の物を使え、城壁兵士通用口はわかるか?」
 「え・・・?ええっ!?わ・・・わかりません!」
 「なら俺が連れてってやる、」団長さんの視線が私の後ろの騎士さんに向く「ガナッシュ!!」
 「あ、はい!」
 ガナッシュと呼ばれた扉から出てきた暗黒騎士が横から頭に手を当て敬礼する
 「一人で着れるタイプの女性用の鎧、発注してたよな!」
 「え・・・ええっと・・・」
 ガナッシュさん、戸惑いで口が半開きですが・・・
 「無いなら大きめの鎧でいい!とっとともってこい!それから空き部屋を一つ、斧、これはいつも使ってるやつでいい!とっとと準備しろ!!」
 ・・・こうして・・・私はいきなり戦場に出されたのだった・・・
 広い草原、後ろには様々な色の濃淡の灰色のレンガが乱雑に組み上げられた城壁、今の衣服は黄ふちの黒い鎧に黒サークレットのような兜、女性用で金属メッシュなどで髪を出せるタイプである、
 丸みのある鎧は重く、正直軽装系の頭に重装系の体・・・
 そして、右手に持つは柄が黒く長い、上下を欠けさせた円形の両刃タイプのバトルアックス・・・
 「いいか、無理して前に出なくていいぞ、お前はここにいたという事実さえあればいいんだ」
 いつの間にか後ろに来ていた団長さんがそう言ってくる、今は兜をきちんと被っている、丸みを帯びた黄縁で黒の上が半球状の円柱状の物にT字の目と口出し、頭後ろに黒紫の糸を大量に束ねた飾り物を着けている
 ・・・って言われましてもねぇ・・・
 前からたくさんのゴブリン、険呑とした表情の腹が出ただけの痩せた子供のような青肌の小鬼、
 そのゴブリンの間からちょこちょことオーク、大きな棍棒持つ豚の顔をした緑色の巨漢のような亜人・・・
 がこちらに向かって来る・・・
 と、ゴブリンがこちらに跳びかかってくる!
 「よっ」
 そこに団長さんが一気に近づき団長さんのハルバード、斧と槍の両方を合わせた長柄の武器、その先端が突き刺さり、
 そのまま振るわれたハルバードがゴブリン達を叩き斬っていく、
 ここで団長さんに狙いを変えたゴブリン達が飛び掛かる!
 団長さんは左手の大きな盾でこれを防ぎながら盾の角度を上に変えてハルバードでそのゴブリン達を突き刺しつつ振るって死体を飛ばす
 ・・・すごい・・・
 しかし、今度は団長さんに勝てないと思ったゴブリンさん達がこっちに来る
 ・・・しょうがないな・・・
 私は斧の横一振りでゴブリンの首三つを刎ねる(随分と遅いです・・・)
 ・・・何も誇張していない、本当にそれしかしていない、油断して突っ込んでくる方が悪いのです・・・
 明らかに引くゴブリン(と団長さん)
 「グォオオオ!!」
 オークの叫び声に、今度は十匹ぐらいの大勢で襲い掛かってくるゴブリン・・・
 「兵士適正Aとは聞いてたがここまでとは思ってなかったぞ!支援は」
 「いりません!」
 斧を大きく横に振ってゴブリン五匹の首を刈り、続けて大地に斧を当てた反動で地面を震わせ振動で足を止めた残りのゴブリンの首も斧横ぶりで刈る!
 ゴブリン達が明らかに下がる、さすがに十体が一瞬でやられたんです、当然でしょう・・・
 そこにオークが前進してくる・・・
 「・・・大物が出てきましたね・・・」
 オークが石を投げて私の頭横にかすらせ城壁に叩きつけた後、指の一本を幾度も上に曲げてこちらに向かって来るように挑発してくる
 ・・・ならば、その油断、断ち切って差し上げます・・・
 一気に首に向かって斧を振るう!
 ガッ!!
 しかし、まともに首に当たったにもかかわらず・・・止まった!?
 「ぐっ!」
 振り下ろされる棍棒を、後ろに跳び避ける私、私の居た場所の地面がへこむ
 ・・・鎧越しでも死ぬか・・・
 「援護は!?」
 「いりません!まだ」
 「わかった!」
 団長さんはオーク二体とゴブリン多数を盾でいなしハルバードで突き、斬り裂いている・・・
 やっぱり団長になっただけのことはあるなぁ・・・
 「じゃ、こっちも・・・闇よ、かの物の光を塞げ・・・ダークサイト!」
 右手を開きつつ突き出して闇を放ち、オークの目にまとわりつかせ
 そこで大きく跳躍、そのまま斧を振り下ろす!!
 これで・・・!
 ガッ!
 「なっ・・・!?」
 なんと、とっさにオークが出した棍棒に威力を殺され、頭部に斧が刺さりながらも仕留め切れていない!?
 そこにオークの右手が迫ってくる・・・!?
 ザシュ!
 「グォォォオオオ!!」
 オークの大口開けてのうめき声、一体何が・・・?
 「あぶねぇなっと」
 ・・・いつの間にか、オークの右踵に団長さんのハルバードの先が刺さっていた・・・
 「ありがとうございます」
 「礼はいいからとっとと殺ってこっちに加勢してくれ」
 「わかりました!」
 「違う!了解、だ!」
 「了解!!」
 一度着地し、今度は体も回転させての全体重載せてのフルスイングで、
 オークを腹から上下に真っ二つに寸断し、私は団長に加勢していくのだった・・・
 ・・・・・・
 「というわけで、今日からうちの騎士団に加わるフラウリア・デスランブルジャック君だ、みんな、仲良くするように」
 「よろしくお願いします!」
 中庭の訓練場のような、陽光差し出入りする通路から壁からほぼ全てが白い石材で固められ端々の木の立て棚に武器が立てられた場所で、
 同僚の暗黒騎士四人に私は頭を下げていたのだった・・・
 
              リズムとメロディは自由に想像して、歌ってください、
                         今回はロック系がいいですね!
                それでは歌ってください、フラウリアで、血風烈火

                                 曲 血風烈火

                       ♪吠えろ!燃えろ!私の乙女心!!
                     全てを破壊し守れ!私の騎士道精神!!
                           例え荒波でも吠えろ~!!
                        例え魔物の山も燃やし尽くせ~!
              砕け!壊せ!嵐も!魔物も!城も山も世界でさえ~!!
                         吠えろ!燃えろ!私の女心!!
                       全てを破壊し守れ!私の騎士道!!
                                 火山も砕け!
                              雪山ワッショイ!!
                          大地も割って突き進め~!!
                     私の心は大空をも羽ばたく~~~!!!
               これっが~わたしの~血・風・烈・火~ダダッダ!!
 
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