バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

失踪、失意、絶望、/21 カードゲーム小説WカードFu

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カードゲームライトノベル Wカードフュージョン9話 失踪、失意、絶望、21
 
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 「よしやった!」
 思わず言い放った次の瞬間、剣の刺さった輪ロボの目から、一筋の大きな光が放たれ、天井を穿つ!
 へ、一体どうなってんの?
 その光はものの見事に天井を貫通し、その先に青空を見せ、
 ミシィ・・・
 その隙間から砂ぼこりが舞い落ち、天井の穴が大きくなっていく!
 ゴゴゴ・・・
 「い、一体どうなってんの!?」
 「恐らくは、無理に地下室を作ったうえ、激闘に次ぐ激闘で部屋にダメージが行き、さっきのレーザーでとどめ刺されたんじゃないかのう」
 なるほど、さすが博士、って言ってる場合じゃない!
 あ!
 「博士、上!」
 博士の上から天井の残骸が降ってくる!
 「何じゃとぉ!」「任せろ!」
 博士が上を見上げた次の瞬間、Vカーディンが博士の方に跳び
 「でぇい!」
 その剣で天井の残骸を叩き斬った!
 ズガァン!
 「カ、カーディン・・・」
 「博士、早く避難を、まだ何か降ってくるようだ」
 が、カーディンの言葉に、博士が少し戸惑う
 「し、しかし、あの輪っかとコンソールが無いと・・・」
 「ご安心を、両方とも、私が守ります」
 「隊員たちは、速やかに壁際に寄るように!」
 カーディンの頼もしい言葉と同時に、署長さんの檄が飛び、隊員たちが壁際に寄って行く
 しかし、壁際に寄らない隊員たちがいた、サーディンの修理を請け負った隊員たちである
 「私の事はいいですから、早く壁際に寄って下さい」
 「し、しかし・・・」
 「なに、後で掘り起こして、ピカピカに磨いてくれればいいですよ、さ、早く!」
 隊員たちが互いに顔を見あわせ、壁際の方に引いていく、
 さて、上からは今だに土が降ってきてるが、ここにいる人たちは軒並み壁際に避難した、後は・・・
 チラリとVカーディンの方を見ると、Vカーディンが天井をにらみ、警戒しているところだった、
 と、やぶれた天井の大きな破片が、輪っかに向かって降ってきた!
 「やらせはしない!」
 Vカーディンがその剣を両手に持ち跳躍、下から破片を左右に寸断する!
 ジャキン!
 破片は見事に左右に割れ、輪っかの前後に落っこちた!
 と、今度はコンソールの上から岩が!
 「はぁあああ!」
 Vカーディンがその岩に向かって跳び込み左足で岩を蹴り振るう!
 ドガン!
 岩は人のいない向こう奥の方に飛んでった!
 と今度は今までで一番、全てを押しつぶすかのような岩が輪っかの上から降ってきた!
 Vカーディンが地上に着地後、そちらに跳んで行く
 「はぁああ!」
 まずは左からなで斬り、
 「でぇい!」
 続けて、大上段から思い切り力を込めた大一閃!
 「でりゃあああ!」
 その十文字切りの最後の一撃で岩も砕け斬り、吹っ飛んだ、
 が、その直後、僕の前に大きな破片が降ってきて、
 ズガン!
 カーディンの姿が見えなくなる!
 ちょっ・・・どうなってんの!?
 ズゴゴゴゴ・・・
 見えなくなった中で、土と岩が落ちてくる轟音だけが響き渡り・・・
 ・・・
 それから数瞬、突然、何の音も聞こえず、静寂だけが支配するようになった、
 一体どうなったんだ、ええい、この破片、邪魔だ!
 思わず、破片を両手で前に押す、すると、破片はいとも簡単に向こうに倒れた、
 そこには、日がさす部屋の中央にVカーディンが佇んでいた、傷だらけになりながらも、輪っかを守り切ったその姿は、正しく勇士だと言っていいだろう
 「ん?」
 Vカーディンが僕に気が付き、こちらを向く
 「双歩、怪我は無いか?」
 「あ・・・無いよ」
 「そうか、よかった」
 「うぉおおおい!」
 ん、今度は上の方から声?
 見ると、上手前側から、隊員の一人がこちらを覗き込んでいた
 「どうなってるんだ~?」
 「問題無い!」
 今度は、右手の方から署長さんの言葉
 「そうじゃのう、とりあえず、問題は無いわい、ただし、ロープを持ってきてほしいがな・・・」
 続けて、左半身前方の壁際から博士の声、
 「まったくもう相変わらずキッツいなぁ・・・」
 次いで、右手手前の方から轟さんの声も聞こえた
 そうして、署長や博士や轟さんや、他の隊員さん達も、思い思いに壁際を離れ、部屋の中へと出てくる、そして、署長が上の隊員の方を見上げ、口元に両手で輪っかを作り
 「そういうわけだ!ロープを持ってきてくれ!もしかしたら、扉がこの崩落で開かなくなったかもしれん!いざって時は我々を引き上げてくれ!!」
 「わかりました~!近くの木に結び付けてたらします!」所長の大声での指示に、上の隊員が返事を返した
 「頼んだぞ!」
 
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