バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

疾走、荒野の向こう/18 カードゲーム小説WカードFu

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カードゲームライトノベル Wカードフュージョン10話 疾走、荒野の向こう18

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 「いっけーーー!!」
 Vカーディンの斬り開いた勝利のロードを突き進み、横でスリップしていたフォートップを抜き去った!
 「なんとー!乱入者、チャンピオンフォートップを抜いたぁああああ!」
 「よほど運が良かったんでしょうね-」
 その解説は聴き飽きたっ!
 「でも、ここから、ですよ・・・」
 へ?
 「ふふふ・・・あーはっはっはっ!」
 な、抜き去られたはずなのに、笑っている!?
 「これだ!レースはこうでないと!、抜きつ抜かれつの攻防、これこそレーッシィング!!」
 フォートップがとっととスリップから立ち直ってくる!さすがはチャンピオンというべきか、でも、カードバトルでの敗北が響いてるな!今だスピードは遅
 「挽回用ニトロブースターオン!カードバトルの負けに、備えていないとでも思ったか!」
 いきなりフォートップが通常時と同じにまで速さを一気に戻し、いや、体感的にはそそれ以上に速くなり、カーディンに追いついてくる!?
 「おおっと、さすがチャンピオン!カードバトルの負けにも当然のごとく備えていたっ!」
 「カードバトルの敗北を始めとした数々の一定以下の速度を一定の速度に戻すために調整された特殊ブースター、チャンピオンがチャンピオンたる由縁は速さだけではない、完璧な走りと、失敗した時の完全なるフォローが存在するからに他ならないっ・・・!」
 ぐっ、そうだったのか・・・!
 そうこうしているうちに前方では一気に観客席とその前のサーキットが近づいてきた、
 フォートップの速さは残念ながらカードバトルの勝ちで加速したカーディンより速い、そのまま最終コーナーを抜け、最後のロングストレートに出る!フォートップがカーディンを抜こうと左半身の方に
 「ぐっ、これなら!?」
 そこにカーディンがそちらに出て進路を妨害する!これも立派な戦術、悪く思わないでねっ!
 「それだけかい?」
 流れるようにフォートップが右後輪側に移動し、抜き去った!?
 「楽しかったよ新人君、いや、ブルー鷹、またの挑戦を、待ってるよ」
 くそっ、もう手は・・・無いのか・・・フォートップの前にゴールラインが近づいていく・・・
 「仕方がない、あの手を使う!」
 「あの手って、手があるの?カーディン!」
 「ああ、一つだけな!」
 一体何だろう・・・この状況をどうにかできる方法って・・・
 「それは、私が変形することだ!」
 「へ!?」
 でも、確か・・・
 「それって、人が中にいる時は出来ないって言われてなかったっけ?」
 「バージョンアップした時にきちんと改造してもらった、問題は無い!」
 「え・・・いや・・・だけど・・・」
 そういえば、昔見た本に、ロボットの操縦席に人が乗るのはかなり無茶だって載ってた記憶が、それで大半のロボットはAI自立機動か外部半操縦タイプに・・・
 「ぐずぐずしている暇はない!とっとと行くぞ、双歩!助手席コクピットモード展開!」
 「ちょ、ちょっと待ってぇええええ~~~!!」
 突如、カーディンの両腕が両の前ドアの所から左右に飛び出し地に付きこの機体を上に跳ばし、
 「何っ!?」
 「ああっと、一体どうする気でしょうか!?」
 内部右手側と後ろに透明なシャッターが下りて席全体を安全のために隔絶!
 シャッター付き助手席が中央に来つつ運転席が助手席の後ろに来るように方向そのままに後方に移動した後、その後、席それぞれが正面が上に来るように一気に回転!
 同時に前部が左右に回り開きながら両肩になりつつ両腕がタイヤを外側に出すように回転、
 後部が外装ごと曲げていた足を伸ばすように後ろに伸びると、腰が上半身を回すように回転、
 胸部の鷹のモニュメントが上下に回転して鷹の頭が上の方に来つつ白い光を辺りに出し、
 額に付けた鷹のエンブレムがきらりと光る!
 それは、カーディンの顔に僕の座っている席が一体化している状態でカーディンの見ている景色がそっくりそのまま僕の見ている景色になっている!
 外側から見れば全体的に濃紺で、アクセントに屋根上の鷹のライトの下の白い塗装が両肩の付け根や両の足の先中央についている感じだろうか、
 そして、カーディンは加速の勢いがかかったまま着地、
 僕の体に高所から飛び降りたかのようなその衝撃が直接的に伝わる!ズガン!
 「に゛ゃ!?」
 思わず変な声を上げてしまった、
 これ、衝撃吸収用のサスペンションとか付いてんのか!?
 さらに、そのままカーディンが前の方に跳んでヘッドスライディングをかける!
 宙を跳んでいる時の奇妙な浮遊感が漂い、目の前に地面が近づいてきて
 「ギャアアアアア!」
 地面と正面衝突!
 ドガン!ズババババ・・・
 「ギャフッ!アババババ・・・!」
 脳天にカーディンが遠慮無くヘッドスライディングした衝撃が突き刺さる!
 続けて、地面をこすりつける振動が断続的に伝わってくた!
 車が勢いよく吹っ飛んで天井でホッケーやらかしたような感覚!
 そして、次第にスピードが落ち、カーディンは完全にストップした、
 「えふっ、おふっ、うぇええ!」
 思わず咳き込んで吐きそうになる・・・
 「ああっと、両者、同時にゴールテープを切ったぁあああ!」
 「これは意外な展開ですね」
 遠くの方に解説娘と実況娘の声が聞こえる・・・
 「今、今、写真判定の結果が出ました・・・判定は・・・」
 「判定は・・・?」
 ドルルル・・・
 どこからかドラムロールの音も聞こえてきた
 「ブルー鷹・ネイビー選手の右手中指の方がほんの少し早かったあああ!」
 わぁあああああああ!!
 
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