カードゲームライトノベル Wカードフュージョン16 新事実と目的への手がかり11
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「あれは・・・・?」
先の方に見えたものに、カーディンがつぶやく、
そこにあったのは、天高き大きな門、とはいっても、今までの扉とは違う、黒石造りの荘厳な門であり、
数段の両端に斜めの厚い仕切りがある階段の上にあるそれは、気のせいか、まわりや目に見える壁や床全てにもその黒が伝わり、今までの雰囲気を一変させる重い雰囲気を作り出していて、門の上は見えない頂上に向かって果てしなく上へと続く壁が伸びている、
そして、その左右両端にそれらはいた、全身が薄赤と黄色にそれぞれ染まった鎧騎士!
両方共に全体的に西洋の丸みを帯びた鎧に身を包み、頭にとさかのある兜をかぶり、その奥は暗く見えづらく、その背左右には薄赤の方が赤鋼のタル状ブースターを、黄色いほうが出力上昇用にか外部エンジンが取り付けられていて、
外側の腰にそれぞれ長い砲身を持つ赤いキャノン砲と先の尖った黄色いハンマーが備わっていて、兜の奥に覗く薄赤と黄色の両瞳がしっかりと僕達の方を見据えている、
どこからどう見ても門番の類である、あの二体をどうにかしないと先には進めないという事か、
でも、もうすでにデッキの準備は完了しているっ!!
そして、カーディンが門の前に停まり
「来たか・・・」
「来たかっ!」
二体それぞれがが女傑のような、若武者のような声を出す中、
僕は急いで右手で右腰の金具のスイッチを押してシートベルトを外し、ジャケット左内ポケットからデッキケースを取り出しつつ左手でドアのロックを引き上げ外し、ドアノブを引いて扉を開け、外に出る!
「さぁ、ここを通りたくば、私達を倒していくがいい・・・」
「お前達を、ここから通すわけにはいかない!!」
おもしろい、それならば!
「カーディン、行こ」「堤機」
ん?なんだろ、いきなり、赤いほうが黄色い方に何かを咎めるように顔と視線を向けて・・・
「お前は、この戦いの意味を理解しているか?」
「あんだと?」
今度は、堤機と呼ばれた方が批判するように赤い方にその顔を向ける
「わかってるに決まってるだろ!戦って、こいつらをぶっつぶしゃいいんだから!!」
「いや、だからだな、この一体と一人は・・・」
「ごちゃごちゃややこしいんだよ!!ようは勝ちゃいいんだ勝ちゃ」
「まぁ、そうなんだが・・・」
赤いほうが戸惑いながらも、堤機が勢いよくこちらの方を向く!
「さぁ行くぞ!!燐機、いいな!!」
「仕方あるまい・・・」
燐機と呼ばれた方も、あきらめ、覚悟を決めたようにこちらの方を向く
二体か・・・でも、今までだってどうにかしてきた、今回だって
「ちょっと待ちな!!」「ちょっと待った!!」
ん?後ろから・・・聞き覚えのある声?
聞こえた方を見ると、全体が黒くて、上にX字のパトライトを頂くパトカーが走ってきた!!
そして、僕達のすぐ右手側に停車すると、助手席の方から一人の女の子が降りてくる、
年は僕と同じくらいで全体に浅黒い肌を持ちつつその顔は可愛さと気の強さを両立し持っており、髪型は前髪は一直線に、横髪は角度を付けて、こっちの方もまっすぐに切られ、後ろの方は適当に結わえており、
両目から下に切れ目が見え、目がカメラのようになっており、両膝肘に関節を囲むような円形の切れ目に、底から裏側にもまっすぐに線が伸びているのが見え、
首にマントを羽織って、まるでロボットのような鎧を胸部、肩部、腰、両手、両足と付けており、簡素な両手両足にそこから上部に円柱状の鎧が繋がっていて、胸部と腰部はこちらも簡素なものだ、
あれは・・・間違いない!!と、その子が僕に向かって右手を上げる!
「よう、双歩!やっと合流できた!」
「ナユタさん!?・・・だよね・・・?どうしてこんなとこに!?それに、その姿・・・?」
ナユタさんが少しはにかみ、笑う
「へへ、あのままだとさ、人間と見分けつかないだろ?お前達に迷惑かけるわけにはいかないからさ、それに・・・」
そう言うと、ナユタさんは少し湿気をとるようにと表情を切り替え
「それに、お前達、ジャルーソ達と別れたあの後、そのまま奥に行ったんだろうと思ってな、追ってきたんだ」
そうか、今まであった不可解な声やレジスタンスに僕達を誘導した黒い影は・・・
でも、ここに来るまでには確か・・・
「でもさ、途中にレオン君とレオリングがいたはずだよ?ジャルーソを倒したあいつら」
「んなもん、避けて来たに決まってんだろ」
平然と少し真顔になりつつ返すナユタさん、
ああ、なるほど、脇道に入ってやり過ごしたわけね、そして、そのままここの前まで来たに違いない
と、ナユタさんがニッ!と右口角を上げ笑い
「さ、こいつらを倒せばいいんだろ?とっとと行こうぜ!!」
「ナユタ、これをつかえ」
今度はナユタさんが乗ってきたパトカー、ブラックカーディン、Bカーディンが、ヘッドライトを点滅させてしゃべりながら助手席側から黒いがカーディンと同型の補助アームを伸ばし、ナユタさんに黒い長方体の何かを渡す、
それは、下黒上黒灰色で、間にパトライトと羽の黒銀色のエンブレムが入ったデッキケースだ!
「使い方は教えた通りだ、わかっているな?」ナユタさんが思わず、Bカーディンの方に方向を変え
「わかってるさ!」右手でデッキケースを奪い取った!
使い方って・・・もしかして、エルドガンと同じ使い方するつもりかな?
確かあの時はカード名を叫んでたっけ?まぁ、どうでもいいか、それだけで使えるとも思えないし・・・
「双歩!」カーディンに声をかけられ、カーディンの方を向く、
「わかってる!行ける?カーディン!?」
「いつでも!!」
「ブラックカーディン!?」今度はナユタさんの声、見ると、ナユタさんがBカーディンの方を見ていた
「行けるに決まっているだろう!」Bカーディンがナユタさんの声に応える
「わかった!」
「前線に出る!、後方支援は任せたぞ、ナユタ!」
「あいよ!!」
「プログレス、チェーンジ!!」「プログレス、チェーンジ!!」
カーディンが声を上げると、パトカーの前部が左右に開いて両肩になりつつ、間から先の切れた三角頭の顔が出て、額に着けているパトライトと羽のエンブレムがきらりと光り、後部を、曲げていた足を上から伸ばすように外装ごと展開し、その足が地に付いて宙に跳びつつ腰が180度回転して、肩の部分から脇を閉めるように両腕が出てきてタイヤの部分を外側に回すように180度回転、タイヤの部分が外の方になり、
同時に、Bカーディンが声を上げるパトカーの前部分が左右に開いていって両の肩となり、間から黒い先の切れている三角頭が出、額に付けたパトライトと羽のエンブレムがきらりと黒く光り、後ろの部分を曲げていた足を後ろに出すように外装ごと回し、その足を地に付けて宙に跳び、腰が180度半回転、両の肩の部分から両腕を降ろすようにだし、タイヤの部分を外方向に回すように両腕が180度半回転、タイヤが外側に出て
胸の部分となったX字のパトライト下二つが根元の方から内側に回転されて収納、パトライトが緩いV字のパトライトとなり、パーポーパーポーと音を出し、光る!
胸部となったX字のパトライトの下の方二つが根元から内側に回って収納され、パトライトが緩いV字となって、パーポーパーポーと音を出しながら黒く光り、
そして着地しつつ、その右拳を前に突き出した!!
そして着地しつつ、その左拳を前方に突き出した!!
パトカー機人と黒パトカー機人、二体の機身が、並び立つ!!
「まさか、貴様と組むことになるとはな、カーディン!!」
「私達は仕えし者が違えども志は同じだ、正義と仲間と守るべきものを、守る!!そうだろう、ブラックカーディン!!」
「私にそんな趣味は無いがな、足を引っ張るなよカーディン!!」
「わかっているさ、ブラックカーディン!!」
「おもしろい!」
「かかってこいやぁああ!!」
前の、燐機と堤機もそれぞれの獲物を右手と左手に握り、構えてきた!!
燐機などは、どこかから左手に弾丸を出し、人差し指でキャノン砲の後ろのふたを開け、中にそれを装填し、ふたを閉めてこちらに向けてくる
よし、僕の方も!
右手でデッキケースを前に出す!
すると、緑の半透明の角の丸い板と、緑の半透明の画面が僕の前に現れ、
「あれ!?これ、何だ!?」
へ・・・?
見ると、ナユタさんの方にも、僕と同じ緑の半透明の角の丸い板と画面が!?
「お・・・おい、これって・・・?ええっと、デッキケースを置けばいいのか!?」
ナユタさんが画面を見て驚いている、あ、そっか!あの緑の画面にも、僕と同じ説明書きが出てるのか!いっつも読んでないけど!!って、そんなことはとにかく!!
「ナユタさん!極力画面の指示に従って!カードバトルのやり方は、わかる!?」
「え、えーっと、わ、わからないけど、とにかく、画面の指示に従えばいいんだな!!」
「それでどうにかなると思うから、それじゃ、行くよ!!」
僕の時もぶっつけ本番でどうにかなったんだから大丈夫だろ、いざって時は僕がフォローすればいい、
にしても、なんでナユタさんにあれが出たんだ?カードバトルとか、誤認したんじゃ・・・
っつ!!
いきなり、僕の体に強烈な負荷が襲い掛かってくる!!
なるほど、どうしてこうなったのかはわかんないけど、二体いる分は僕で補えと、そういう事か・・・
おもしろい、やってやる!!
出た半透明の板に向かい、左手側にデッキケースを置く、すると、デッキケースからデッキがシャッフルされて山札となりつつ飛び出し、デッキケースが上下反転しながら外側に置かれつつ、その場所に置かれる
刹那、ナユタさんも同じよう板の上にデッキケースを置くと、デッキケースが左手の方に移動してデッキケースからデッキが飛び出しシャッフルされて山札になりつつデッキケースが上下に反転しながら外の方に移動しその場所に置かれ、
と、緑の画面に五枚手札を引けという指示が出る、そうか、2T1S5Tルールか、面白い!右手で山札からカードを引いて左手に移して手札とする、それを計五回繰り返して五枚のカードを手札にして、
ナユタさんの方も緑の画面を凝視した後、右手で山札からカードを引きつつ左手に移動させ、それを合計五回繰り返して五枚のカードを手札とした!
さぁ、2VS2の2T1S5Tルールだ、どうなるかわからないけど、やってやる!!
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