カードゲームライトノベル Wカードフュージョン16話 新事実と目的への手がかり1
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「それで、どうする双歩?勢いで奥の方に来てしまったが・・・」
空天井、高級感ある黒石材の床、クリーム色がかった光にあふれ、シンプルな色の壁紙が貼られた、柔らかな雰囲気で、一定間隔を置いて左右に細い通路が分岐していく広い広い通路、
戦いの場所を過ぎたら雰囲気戻ったな、単にあそこだけ戦いの余波でああなっていただけか・・・?
そこを、いつの間にかつるをあしらったデザインの黒金のカラーリングで、おそらく上のパトライトをうまく隠す形でカモフラージュしたであろうカーディンの助手席に乗り、僕とカーディンは進む、
「いいんじゃない、どうせ戻るつもりなかったし、このまま進めるだけ進もうよ」カーディンの声にこともなげに答える
「了解」カーディンが意気良く返してきた
僕の名前は鋼野 双歩(ハガネノ ナラブ)、飛角小学校四年二組所属である、
茶髪を前を上の方に上げた髪型、よく童顔だと言われ、
左肩部分裏側に、車輪と飛行機の肩翼のオブジェクトの付いた袖端下端が白い赤ジャケットを着て、
中にオレンジのシャツを着、腰に茶色ベルトを巻き付け、下に濃い色のジーパンと白いスニーカーを履いている
あ、そういえば・・・
「猫、大丈夫かな?」
「ああ、後部座席にいるはずだが・・・」
で、今返事を返してきたのがカーディン、本来はX字型のパトライトを持つ、パトカーと人型となる変形ロボットである、
急いでシート左手側下にあるレバーを左手で引き、後ろの方にシートを傾け、後ろの方にある、鋼色赤緑のショルダーバック、中央に赤緑でHAGANEと書かれているしろものだが、それのチャックを右手で引いて開ける、
中には、大量の金貨の上の二つ重なる半球ボール状の物体の中で、くるまり、寝息を立てる黒い子猫がいた、
一見すると普通の猫だが、歯や爪は鋼色という危険極まりないしろものだ、もっとも僕としてはこいつが寝てるボール状の物体の方にいい思い出が無いのだが・・・
「外に出しておいた方がいいかな?」
「ううむ、悩ましいところだが、このまま次に戦闘があってもかなわないし・・・」
「チャック開けたままで放置しておく?」
「そうしたほうがいいだろう」
「わかった」
正面に向き直り、再度座席のレバーを引いて座席を元に戻す
さて、この先に僕達の目指すメインサーバがあるはずだ、もっとも、ジョーカーとレオン君を退けたとはいえ、そこまで簡単に行けるとは思えない、
まだリュッケンやアリスに出会ってないし、それ以外にもあっていない、誰とも合わないのが理想なんだけどなぁ・・・
~~~~ピ~~~~
っつ!?
なんだ?どこかから音が・・・
「どうした、双歩!?」
「わからない、でも、どっかから不快な音が・・・」
「これは・・・人間に強い不快感を与える音か!?」
「どういうこと?カーディン!?」
「聞いての通りだ、知識の無いロボットには音量通りの音としか認識されないが、人間には強く不快な音として聞こえる、そういう音だ」
なるほど、人間にだけ強く感情を出させる、そういう音ってことか、ん?でもなんでこんな音が?
「カーディン、この音、ずっと聞こえてるよね、偶然に出たにしては少し長い・・・」
「そうだな、確かにその通りだ」
「つまり、この音の発信源は、この音を意図して出してる・・・」
「ふむ、そう捉えていいだろう」
「理由は考えられるなら二通り、音を出さざるをえないのか・・・」
「この音を出したくて出してるのか、だな」
「もし、誰かが考えを持ってこの音を出しているなら・・・」
「出しているなら?」
「この音を使い、誰かを誘導しているのかもしれない、カーディン!」
「ああ!」
「この音の発信源とか、わかる?」
「大体、前方、左の方から聞こえてくるようだ」
「ちょっと寄り道になっちゃうかもしれないけど・・・」
「いいぞ、言ってみよう、罠かもしれないがな」
「そんなことはわかってる、でも・・・行くんだ!!」
「うむ、行こう!」
何があるかわからないが、道の途中、前と細い左右の三方に分かれた道を左に進む、この先に、一体何が待つのだろう?この音の発信源とは、一体・・・?
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