カードゲームライトノベル Wカードフュージョン17話 メインサーバーの元、現れしエンジニア1
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「あれは・・・」
先に進むにつれ、見えてきた景色・・・それは・・・中央に光り降り注ぐ巨大な円部屋で、天を衝くほどの巨大な鎧騎士の金属像が、その後ろ、更に巨大な木の前に付けられた大きい大きい玉座に座っている光景だった・・・
背中に大きなマントを付けたそれは、大きな威厳で持って、ただただ静かにうつむくのみ、
恐らく、立ち上がれば宇宙までありそうなこの建物よりも高さがあるんじゃなかろうか?
だが、それと同じくらい驚いたのは、背後の木である・・・
「さて・・・」
僕の名前は鋼野 双歩(ハガネノ ナラブ)、飛角小学校四年二組所属で、
茶の前髪を上に上げるような髪型をし、よく童顔だと言われ、袖端下端が白い赤のジャケットを着ており、そのジャケットには左肩裏に車輪と飛行機の翼がくっ付いたようなオブジェクトがあって、中にオレンジのシャツを着用し、腰に茶色のベルトを巻き、下に濃い色のジーパンと白いスニーカーを履いている、
パトカー形態のカーディンがレオン君が抑え開いてくれた道、灰色石材の高い壁の間の道を走る中、背後を見ると、レオン君とアリスが右左で対峙し、互いに向かって行き、それを手前の生首リュッケンが見守っているという構図が見えている、
「ねぇカーディン、この先、どれぐらい行けば目的地にたどりつくんだろう・・・?」
「さぁな、早い内に着けばいいのだが・・・」
「そうだね、早く戻ってレオン君を撤退させて、僕達も帰らないと・・・」
「そうだな・・・」
今会話していたのがカーディン、上白下黒のカラーリングをしたパトカー型ロボットであり、上の方にはX字のパトライトを頂いている、真面目、である
「グルオォォォ・・・」
で、僕達の右手後ろで走りながら心配そうな声を上げた大きな鋼獅子がレオリングだ、
白の外骨格にその身を覆われ、黄金のたてがみに爪に鋼の牙、尾の先には金色のパーツが付き、両脇、両前足の付け根から両後ろ足の付け根にかけて金の翼が描かれており、顔を時々右脇の方に向けて自身の赤い機瞳で後ろの方をチラチラとみている、
レオリングは本来、僕達を先に行かせてくれたレオン君のパートナーなのだが、今は一時的に借り受けている、といった状態である、
そして、走り続けた先にあったのが、先ほどの風景、というわけだ、
・・・僕が見た鎧騎士の像の背後の木・・・
それは、湾曲した鉄パイプが根っこの様に接続されていたり、下から黒いパイプがいくつも伸びていたりしている、
いわば、機械化された樹木とでも言おうか、サイボーグウッドとでも言おうか、
でも、驚いたのはそれよりも、かなり上方途中で幹から分かれた枝の先で、その木に、まるで葉っぱの様に大量に生えている物だ、あれは・・・距離が遠いので、あまりよくはわからないのだが、白と黒が斜めに区切られ、中央にWの文字が書かれているように見える、あれは・・・・Wカード!?どういうことだ!?
・・・まさか、遠くてわからないが、木の上の方にはもっと・・・
「カーディン、とりあえず、壁際によって様子みよう!様子!」
「了解!」
鎧騎士と巨大樹木が奥に鎮座する部屋の直前で左の壁際により、様子を見る僕とカーディン、
ついでに、僕達の様子を酌んですぐ後ろで一緒に壁際に着くレオリング、
「ううむ・・・どうしよう・・・」
巨大鎧騎士とそれ以上の巨大樹木、それを灰色で厳粛なコロシアムの内壁が覆っている、という感じである、
壁には、上の丸い扉状の穴が多量に開き、それを柱とするがごとく、多段状になっている、
「メインサーバってそれらしいもの、どっかにある?巨大な機械とかだと思ってたけど・・・」
「ううむ・・・まさか、あの鎧騎士がメインサーバなのか?」
「でも、黒いパイプ繋がってるのは背後の樹木じゃない?木がメインサーバなの?あ!木の張りぼてを張り付けた機械だとか!?」
「しかし、あの木からは生命反応がある、機械だとは思えないのだが・・・」
「じゃあ、見た目通りの半機械とか?いずれにしても、それっぽい黒いパイプがある以上は・・・」
「どうにかするしかない、か・・・」
「グルォグルォ」
「それじゃあ一気に、僕達は左の方から、レオリングは右の方から、それでいい?」
「うむ!」
「グルォッ!」
「それじゃ、Go!」
僕達は一気呵成に走り込み部屋の入り口から部屋に突入!
「よく来たな、鋼野 双歩、レオリング・メタル、そして・・・カーディン」
いきなり鎧騎士の方から重厚な声が響き渡った!
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