バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

Wカード&A 1話/21

Wカード&A 1話21
 
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21
 
 「で、それでその盾と兜を追加されたわけだ・・・」
 「軽さと防御力を見比べたらな、こうなった」
 少年に追加されたのは視線を確保するための欠けた満月のような円形の盾に枠に鉄線のネットのような兜が付き髪の毛が上に伸びるタイプの兜、
 トルータ車の中でみんなが座る中で発せられたクルミの言葉に俺が補足する、
 さらに言うなら、その剣もマグコイルの甲殻で強化され黒に染まっている、
 「でも盾って使ったことないんだよなぁ」
 腕に持っている丸い板をぶん回す少年
 あの盾、軽いからって頭にかぶってて持ち運べる変な機能があるんだよなぁ、持ち手が板みたく薄いのに布巻いてるやつはそのため
 そう、今少年がそうしてるように
 ガァン!!
 上から赤い大きな鳥がいきなり飛んできてぶつかった!?
 少年の頭の上の盾の上、そこにいたのは緋淵鳥!?
 「敵襲!」
 「少年!頭の上のそれを振り落とせ!」
 「ちょ・・・重い・・・」
 フルーテと俺が警戒する、と思ったら、後ろからのボウガンの音で赤い鳥は入ってきたところから飛び去って行った・・・
 トルータ車の天井、穴空いてるわ・・・
 少年を始め俺達は穴向こうの青空を呆然と見つめる・・・
 「一体何だったんすかあれ・・・」
 「近づいてるんだ・・・」
 「へ・・・?」
 少年が呆気にとられ俺を見る中で俺は座り直し・・・
 しばらくするとトルータ車が止まる
 「行くぞ、まずは拠点の確保だ」
 そうして、木々が見た目隙間なく生える森の中の拠点にテントなどの必要物を設置し、前に出る、
 どこにいるか、なんてわかるわけが、いや、炎竜の巣がありそうなところ・・・
 遠くに見える小高い山とか・・・
 「行くぞ、とりあえず、巣が張ってそうな山の方に向かう、何かあったら言ってくれ」
 「わかったわ」
 「わかったぜししょー」
 「わかりました」
 背後より、フルーテ、少年、クルミの返事を聴き、
 そして俺達は森の中へ駆け出す、
 緊張しているせいか周りの何でも目についてしまう・・・
 ただ生える花、茸、小さな甲虫、だが、気にし過ぎては不意を打たれる・・・
 と、不意に広い場所に出る、ここは・・・?
 先に背景を空と山と森林地帯とした崖の見える広い草原
 翼が空を切る音・・・?
 「後ろだ!左右に散れっ!」
 次の瞬間、俺達のいた場所を炎の刃が後方から前方に向かって斬り裂いていた、
 森を巻き込み炎の刃の熱で爆発する地面、その炎の刃をくわえていたのは・・・
 隻眼隻腕の炎竜・・・!!
 炎竜がこちらを向いて着地し、炎の刃を振り上げ、振り下ろしながらこちらに思い切り吐き出す!
 回転しながら迫りくる炎の刃!
 さらに外側に散開し避ける俺達、
 やはり、この先に巣があるのか?だが、俺達の目的は巣じゃない・・・!
 そこに空から俺に向かい飛んで来る黒蛇竜
 「遅いぞ!戦いの前にこれんのか!?」
 顔を少し下げて両の口角を上げる黒蛇竜、
 まるでひねくれて笑ってるようだ、
 全く・・・
 俺は下げる板の上のカードを手に取り見て2枚伏せる、
 すると、両手に以前見た盾とメイスが手元に現れる!
 おっし!盾を前に構え
 「行くぞ」
 フルーテの声が聞こえ、後ろから炎竜に向かって矢が飛ぶ、
 が、炎竜が大翼を盾のように前に構え矢を弾き、そのまま大きく振るう!
 熱風が俺達の周りを駆け抜け、右側ではクルミが放ったであろう弾が吹き飛ぶのが見える、
 「っつ!」
 「熱いっ!」
 盾を持たぬ二人の声が聞こえる、この熱風でひるんだか?なら行くべきは・・・
 俺は盾を前に構えたまま炎竜に突撃!
 同時に、少年も盾を構えたまま突撃していた!
 俺と少年の跳躍からのメイスと剣の叩きつけ!
 が、俺達をまとめて炎竜の右拳が吹き飛ばす!
 ダメージはあまりない、そもそも、あの右拳、戦闘にはあまり使わないって話だからな・・・
 と、少年に向かい、炎竜が跳躍しつつ口の炎の剣を口から出したまま突き刺しに行く!
 「喰らえ!」
 俺は炎竜に走り込みながらメイスを鎖で振り回して勢いをつけ炎竜に投げつける!
 炎竜の腹に思い切り辺り少年から狙いが外れ炎の剣がそばの地面に突き刺さる!
 爆発する地面から離れるため思い切り前に走りながらすれ違いざまに炎竜を斬りつけて行く少年!
 ううむ、なんちゅう度胸だあいつは、
 おまけに逃げまで完遂するとは、だが・・・
 「グワァアアア!!」
 炎竜が思い切り吠えると同時に緋淵鳥が羽ばたき飛んで来る!
 ええい、うっとぉしい!!
 飛んで来る赤い鳥類、
 仮にも相手が二体になる、せめて向こうどちらかの動きを封じられれば・・・
 ・・・いや、俺は武器がまた出てくる可能性があるんだよな、それなら・・・!
 着地する緋淵鳥に矢と弾が放たれ緋淵鳥を叩くが緋淵鳥は大きく翼を広げ、まだ元気だとアピールしている、
 「それならこれでも喰らえ!!」
 俺はメイスを逆手に持って盾を離して体ごと横に大回転し、その手を離す!
 それは、メイスと盾が繋がった鎖で繋がった鉄球が如くに回転し、
 緋淵鳥に当たった瞬間に絡まり、緋淵鳥の動きを封じる!
 炎竜の動きは封じれないが緋淵鳥ぐらいなら・・・!
 そこに矢と弾が殺到し、少年も走り込んでいく、少年は緋淵鳥を見ながら
 「師匠!武器無しで大丈夫ですか!?」
 空の黒蛇竜がこちらに飛んできている気がした
 俺は少年に向かい
 「行け!こっちは何とかする!そいつにとどめ刺してから来い!」
 「わかりました!師匠もお気をつけて!!」
 少年が一顧だにせず走る中で黒蛇竜が俺の手元まで来る
 さて、ここが正念場だ・・・!
 

 
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