バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

海の街と鮫 ダブモン!!11話/06

海の街と鮫 ダブモン!!11話06
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 白い街と一体化した家屋の中に本棚と並んだ本が見える、
 アクリスの視線がそちらに向き、レファンも気を取られたように少し呆気に見ている・・・
 しかし、二人とも一歩も動こうとはしない・・・
 前に見たアクリスなら俺たちにおかまなく行っただろうし、レファンだって、俺たちに遠慮する性格じゃないだろう、一言言って歩き出したに違いない・・・
 俺たちが目線を合わせてどうするべきかと見合わせ、
 良星がしょうがねぇなと言わんばかりに一歩前に出た、
 俺たちがそれに続くと、アクリスとレファンもこっちに来た、
 中にあったのは、奥に赤いバンダナを頭に巻いた屈強な店主がいる、二つ一組、四組の本棚が縦に一定間隔で並ぶ小さな本屋、
 「いらっしゃ~い」
 「どうも~」
 そのカウンター奥の店主が焼けた肌と白い歯栄える屈強な笑顔を見せてあいさつする中で、
 俺たちはそれぞれ分かれ、本を見ていく・・・
 見て見ると、古い本から紙質が違う本まで、
 なんていうか、内容を見なくても様々な本が並んでいるのが分かる・・・
 「すげー、なんかいろいろあるぜ・・・」
 「ここは外大陸含めた色々な場所に行きますから・・・」
 と、不意に右手、店の奥の方でレファンがつぶやいた言葉を耳にする
 なるほど、ここの大陸以外も回っていれば必然的に様々なものが入手できるってわけだ・・・
 「あっ、これマジカルブック・・・?」
 お、レファンのさらに奥の方でアクリスが本棚から紫色の表紙の本を手にとり両手でまっすぐに見ている・・・
 「でも、僕も見たことが無い・・・」
 「へぇ、これは僕も見たことがありません・・・」
 ん?レファンも興味があるのか本を覗き見てる・・・
 アクリスがその様子に興味をそそられたのかレファンを返し見る
 「マジカルブック、好きなの?」応えるためにかレファンも見返す
 「ええ、魔族のものですから、持ってたら怒られるので、レンタルしてるところでこっそりと遊ばせてもらってるんです」
 アクリスの顔が一気に明るくなっていく
 「そうなんだ!じゃあさ・・・」
 二人が何かわからない会話が始まる、
 会話の内容はわからないが、その顔には笑顔が浮かんでる、
 最初、あんなに警戒しあってたのにな・・・
 「そうだ!今度Wカードをしようよ、とっておきなんだけど、対応カードならデッキケースみたいに立体映像が出るマジックブックが・・・」
 「そうなんですか!?」レファンの今までにない笑顔「それは初耳ですね、デッキケースは限られた人しかもってないし、今度ぜひ!」
 「うん!」
 アクリスが大きく首を縦に振った・・・上げたその顔は、今までで一番の笑顔のように見えた・・・
 
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