進め!火山遊園地!! ダブモン!!12話/07
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マグマが黄色く変わる中で僕たちは宣言する!
「リチャージ!」
「りちゃ~じ・・・」
「ドロー!」
「どろ~・・・」
山札より引いたカードを僕は見る、
よし、こいつなら素のパワーで押しきれる!!
互いにチャージゾーンと1番に裏側表示でカードを置く!
「セット!」
「せっと~・・・」
そして、1番のを表に!!
「オープン!」
「お~ぷん・・・」
「グリブレイ!!」
「ダブモンNo.31、生命の壊し屋、グリブレイ!!」
風の球が降ってきて着弾し、嵐を巻き起こして、
その嵐を縦に斬り裂き、刃の角持つグリフォンがその姿を現す!
白い鷲の頭に上が茶色く裏の白い翼、
黄色いくちばしに前足を持ち、獅子の体の後部、
そして、その頭には、透明のような中ほどが四光星にすこしふくらんだ両刃の刃を持っていた・・・
「後詰め一気呵成の侵略炎エレメンタル~」
「あれは、オーバックス!?」
「そのとおり、さ、こすとをえらんでください~」
「僕はグリブレイのコストに、マグマエレメンタルパワー、マグマヒューズシールドエレメンタル、ヒートジオエレメンタルパワーを指定!!」
すると、怪物の前で右手側から左手側に山札が巻物のように移動していく・・・
「これです~」
前右手人差し指で指したのは!?
「ダブモンNo.265イィィィエェェェェックス!、パンダエン・オーバー!!」
怪物の目の前に火の粉まき散らし突如逆立ちで現れたのは・・・パンダ・・・?
目元や首元などの黒い部分は黒い炎で、それ以外は白い炎で包まれた、
熊の外見のようなパンダだ・・・
足の上にはなぜか橙と黄色のホール切り柄のボールを持ち、頭に炎の三角帽をかぶっている
それが可愛げを含みつつ吠え、その勢いで数度ぐらついた後、前にこけ、一回転しつつしりもちをつき、失敗をごまかすように右前足で右目外側を掻きつつ舌を出しつつウィンクする
でも、カードに記された効果は・・・
「そ~して~1番戦闘!!」
嫌な予感にさいなまれつつも怪物の宣言を聞く・・・
「まずはファイアパウダーエレメント~『グリブレイのパワーを300さげるぅ~』」
グリブレイが空中より刃の角を突き出しパンダエンに向かって飛ぶ!
パンダエンがそれを両前足を前に出し放つ白黒の炎で迎撃して動きを遅めつつ、角を白羽取りした!
互いに首と前足を左右に振って一歩も譲らないグリブレイとパンダエン・・・
そこでパンダエンが体より炎を出せばグリブレイが両翼からの羽ばたきの風で対抗する!
拮抗する炎と風・・・打ち勝ったのは・・・風!
徐々に炎が吹き飛ばされ、次第に刃の角がパンダエンに迫る・・・!
と、怪物が右手で左手の手札から1枚・・・!
「『ファイアリトルロットエレメント~パワーを300あげるぅ~』」
パンダエンに白黒の炎の外側より橙色の炎が発生しそれが徐々に大きくなっていく・・・
しかし、それでもグリブレイの風には勝てていない!!
だが・・・
「『ぱんだえんのこうかぁ~ぱわ~がなんとあがらない~』」
馬鹿にしてんのか!?
が、その瞬間、パンダエンの炎が爆発的に広がり、地面全体に広がって回って燃え上がり、グリブレイの退路を断つ!
だが、その前にグリブレイの角がパンダエンの左肩に刺さる・・・いや、突き刺した!?
なぜ強引に突き刺したのか理解できぬままに、パンダエンの力強い目に炎が宿り、そのまま右こぶしを振り上げ、
「『なんとぉ~ぱんだえんはわたしがはんどかーどをつかっていたのでさらにパワーを300あがりま~すぅ~』」
グリブレイを殴り飛ばす!哀れ、グリブレイは吹き飛ばされ、先にあった炎で焦げるままに宙に飛び、そのまま爆発して消滅した・・・
「だけど・・・2番戦闘!!」
ラセンディが走る
「さんばんせんとぉ~」
が、向こうからもキエンチョウが飛んできて、炎の鳥を射出!
ラセンディが自身を横に振り回して繰り出した螺旋回転尾が怪物にヒットすると同時に、
炎の鳥が僕の前に慌てて後ろに飛び避けようと
「あんまりビビりすぎるな、はったりだ」
と、イグリードが上に出て右腕を振るって消し去る!
「いや、ダブモンにとってはどうか知らないけど、人間にとって炎はきついよ・・・」
「おっとそうだった、だが、今のは気合入れれば人間でもどうにかできるぜ、ま、やけどの一つでも負っちまうかもしれねぇがな!」
「それがダメなんだって・・・」
ま、とにかく・・・
僕はラセンディとキエンチョウが互いの前に戻る中で、怪物の方を見て宣言
「ターンエンド!!」
「た~んえんどぉ~」
これで3ターン目は終了・・・グリブレイがいなくなったのはきついが、向こうにハンドカードを使わせたのは好都合、
次のターン、どう行くべきか・・・!?
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進め!火山遊園地!! ダブモン!!12話/06
進め!火山遊園地!! ダブモン!!12話06
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負けたのは僕だ、そして、青いマグマの照らす馬の上に座ってるのも僕、
「お~し、それじゃ、いっちょやってみるか!!」
そして、隣の馬に乗るのはイグリードだ・・・
「回んのかこれ?」「さぁ」
「回るのかしら?」「しばらく待って回んなかったら戻ってくるように言いましょう」
「うん、そうだね」「そうですね」
などと遠くから見る皆がひとしきり感想を述べる間にも、カンテーラとウィルピーがメリーゴーランドの上下にスタンバイし
「いつでもフォローできるぞ」
「ですー」
いきなりメリーゴーランドが回りだす
誰も何もしてないのに!?
「これどうやって動いてんの!?」
「マグマの熱だな、それでどっかから水流してきて蒸発させてるみたいだ」
蒸気機関か!?
・・・って僕が驚いたのは違う理由だけどっ!?
それでも馬は回っていく、上下に揺れて、音楽はないけど・・・
皆も心配そうに見守ってる・・・
このまま何事も無く終わるかな・・・
バキッ!
嫌な音が馬を支える馬中央の柱から鳴り響いたけど気のせいだよね・・・
バキバキッ!
これは・・・
バキョ!!
柱が中ほどから折れマグマの方に落ちる!
「うわぁあああ!!」
「てぇい!」
イグリードが何とか右手を出して僕の右手首を掴み止めてくれ
「それ!」
「です!」
カンテーラとウィルピーに後ろから支えられ、事なきを得たのだった・・・
そうして、上へと飛んで戻ってくる・・・
みんなが僕たちを見る中で・・・
「ひどい目にあったよ・・・」「大丈夫かよ」「びっくりした・・・」
「脆くなってたのね~」「ですね~」
「ま、あんなとこに設置してりゃ当然ていうか・・・」「だなぁ・・・」「私もそう思うわ・・・」
「それで、これでよかったのかな?」「僕も気になります、誰か様子を見てきてください」
「じゃ、言ってくるわ」「そうだな、イグリードの旦那」
そうして、イグリードとカンテーラが行って戻ってくる・・・
「カウンターは1になってたな・・・」
「誰かが見てやってるのかもしれんがわからん、後、扉も少し上がってた」
「俺たちが通れるまでどれくらいだ?」
「そうだな・・・大体・・・」
良星の言葉に、カンテーラが答え始めた・・・
両手を胸の前に持ってきて上下に変えつつ触れているか触れていないかわからないぐらいに開けるジェスチャーをして
「なるほど、ほんとにちょびっとしか開いてないみたいだな・・・」
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進め!火山遊園地!! ダブモン!!12話/05
進め!火山遊園地!! ダブモン!!12話05
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レインボー火山の根元にあったのは・・・廃墟となった遊園地・・・のように見える灰色の巨大な建造物の一群・・・
僕たちはそれを呆然と見上げていた・・・
「これも・・・名物・・・なの?」「どうなってんだよ・・・」「俺が知るかよ」
「ここで遊べってことかしら?そんな気にはならないけど・・・」
「凄い場所だな」「だな」「ね」
「いやいや、どうしましようかこれは・・・」
「僕・・・聞いてないんだけど・・・」「僕も知りません・・・なんでこんなことに・・・」
アクリスもレファンも知らないようだ・・・
と、僕はそのまま皆を見渡し
「ともかく、先に進もうよ、遊ぶのは進路確認してからでもいいじゃない」
「まぁ、確かにそうだな」
僕の意見にイグリードが両腕を組みそう言って同意してくれる、
そして、カンテーラの方に顔を向け
「カンテーラ、どうだ?」
なぜかカンテーラが右手で上からの光を遮りながら廃墟の奥遠くを見て
「向こうの方かな~、」言いつつ腕を降ろして後ろに振り返り「フリィジア、ウィルピー、この場を頼む」
「了解」
「了解でっす!」
向こうに向き直り見ていた方に向かってイグリードと飛んでい・・・
と、不意に四葉さんが右手前の方にあった青いメリーゴーランドに近づき、それを見て
「しっかし、不気味ねぇ・・・」
「四葉さ~ん、危ないですよ~」
まぁ、馬やファンシーな造形は一緒なれど、下から青い光が出ててところどころ溶けてるし、暗いし、熱いし・・・
すると、なぜか四葉さんの目が見開かれ
「え・・・?これってまさか・・・」
「どうやらそういうことみたいですね・・・」
ウィルピーが先程と同じように呆れで目を細めて言う
「どうしたんだよ?」
なぜか四葉さんが驚くのを見て、良星が近づいていく・・・
僕もつられてついていってみると・・・
メリーゴーランドの下が開いて、青いマグマが川のように一回転して流れているのである・・・
道理で青いわけだよこれ・・・
「おおい!」
「お前ら~!!」
そこにイグリードとカンテーラが戻ってきた
「どうだったの?」
「それがさ・・・」
「木のカウンターがついてたんだ」
「木の?」「カウ」「ンター?」
「で、その横には遊具で遊んでくださいってさ・・・」
思わず僕たちはメリーゴーランドの方に視界を戻す
「これに乗れってことかな?」「それ以外にもたくさんあるよな?」「色とりどりの溶岩で照らされた遊具か・・・」
「とりあえず、じゃんけんで誰が乗るか決めるか・・・」
四葉さん、それって割とめちゃくちゃ・・・
「相棒!頼んだぜ?」「相棒、頼む」「任せたわよ相棒!」
「というわけで四葉さん、お願いします」
ああ・・・ダブモン達もやる気だ・・・
思わず僕たちは自身の相棒のダブモン達の方を見て
「・・・ちゃんとフォローしてね?」「それだけはしっかりな?」「後悔しないでよ?」
「ほんとにもう」
そんなこんなで全員が円状に囲み
「それじゃ、」「行きましょうか!」
ジャンケンポン!
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