水晶の島のデモの末路 ダブモン!!9話08 妖魔版
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教会講堂横隅に置かれた鎖付きのヴィジュアルブックを開き、見つつ状況を確認する、書かれていたのは四都において大規模抗議活動が起きたという記事、原因は・・・
「空から状況見た方が早いんじゃないか?」
「ですね」
「そうだな、とりあえず、行ってみるか」
カンテーラとウィルピーに思わず同意しつつヴィジュアルブックを戻し講堂を通り入口より教会の外に出る、
カンテーラとウィルピーが大きく飛んでぐるりと回り見て一点に留まる
「ここから北東に人が集まってる気配がする!」
「です」
「そちらは首都の方向だ!」
神父さん!?
教会よりいつの間にか神父さんが出てきていた、横にレファンも・・・
「この街からなら首都はすぐだからな」
「神父さん、どうしたんだ?」
日に焼けた顔が、俺達を見降ろす
「私もデモに参加するのだよ、こうしてはいられない・・・」
あ、
「レファン、お前も行くのか!?」
レファンは俺たちになぜか余裕の笑顔を向けてきた
「え、ええ・・・少し興味がありまして・・・」
そっか・・・
「私達はどうする?」
なんか、四葉が楽しそうに不敵に笑っている・・・
「こんな歴史的なイベントに立ち会えるなんて、最高の休日じゃない?」
「お前にとってはそうなんだろうけどな・・・」
「四都って言ったけど、どういう意味?」
「この国は様々な諸島から成り立っているが、その中で中央の島ロンターノ、南西のスッドヴェスト島、南東のスッデスト島、北のノルド島、その中で最も大きな街々が四都と呼ばれているのだ」
「なんでなの?」
「それぞれに大統領と官庁、法案院、法決院、最高裁判所が設置されていて、それぞれ公的権力の中心地なんだ、この街は外国と接していて経済の中心地でもあるが、ここと合わせて五都と呼ぶ人も多いが・・・」
兎白と鼓動の神父さんへの質問で大まかに国家形態がつかめた
「ここではデモは起こってないのね?」
「起こっていたとしても小規模だろう、それならば、運搬用のダブモンに頼んで首都なりほかの都なりに行ったほうがいい」
四葉の質問でとりあえずこの辺りは問題なしと・・・
「おっし、それなら、ちょうど四組いるわけだし、四つに分かれましょ」
「は、なんで!?」
「おもしろそうだから!」
不敵と上がったテンションで今までにない笑顔を見せる四葉・・・
・・・ダメだ、こいつ、完全にテンションが逝っちゃってる・・・
「というわけでジャンケン、ええっと参加するのは・・・」
「俺はパス、相棒に任せる」
「四葉さんがそんな調子で私が参加できるわけないです」
「じゃあ、私も相棒に任せる!」
「んじゃ、俺もそうさせてもらうか・・・」
ダブモン達は棄権、必然的に俺達四人でやることになるわけか・・・
四人が中央で向かい合い、右手を握ってリズムに合わせて振りつつ
「んじゃまずは、首都の方から、ジャンケン、ポン!」
「ポン!」「ポン!」「ポン!」
俺からグー、左の兎白チョキ、右の鼓動チョキ、正面の四葉グー、
かくして、一度の俺と四葉のあいこ、そこからの
「絶対負けないわ、ジャンケン、ポン!」「ポン」
俺がチョキで四葉がパー・・・
かつて、第一幕は俺の勝利で終わったのだった・・・
が、四葉は眉を曲げ、明らかにその顔は・・・
「納得できない!もう一回もう一回!」
とまぁ、そんなこと言いだす顔なわけで・・・
「いや、俺は相棒が行ったほうがいいと思うぞ、俺の勘がそう言ってる」
ん?カンテーラが横から・・・
「僭越ながら私も、そう思いますです・・・」
四葉の横からウィルピーまで・・・
「ええ!?」
目を見開き驚きながらウィルピーを見る四葉
「なんで!?」
「その・・・
申し訳なさそうに目を細めるウィルピー
「私も勘で・・・」
「ううう~」
悔しそうに歯を見せ唸る四葉、
しゃーねーなー、場合によっては譲ろうかとも思ったが、こいつらがこうまで言うんだ・・・
「ちゃんといろいろ見てくるよ、それでいいだろ?」
「ううう~」
四葉が突如俺の方に顔を向け
「絶対、絶対だからね!!」
そう言い含めてきた・・・
「じゃ、残りの分もやりましょうですね」
かくて、俺が首都の方に、四葉が北のノルドの方に、兎白が南西のスッドヴェストに、鼓動が南東のスッデストに行くことと相成ったのだった・・・
名・球体作りの木丸研磨工 ウッドラ ダブモンNo.224
概・M モンスター コスト2 パワー1500 哺乳・地属性
発・戦闘前・自任意・このターンの間のみ・条文の頭に指定:
条・主対象:一・次の戦闘に参加するこのモンスター
二・相手のモンスター・オーバー
主対象単体であるため全対象とする
効・第一効果:以下の効果のうち一つを選択して発動する
・二の1体を選択し、そのパワーを200下げる
・全ての二のパワーを100下げ、
このカードを時限無しで手札に戻す、
手札に戻さなくてもよい
文・木を丸く加工するウッドラーククスクス型ダブモン、
遠距離攻撃に使用したり逃げるときにばらまくとされる
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