バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

水晶の島のデモの末路 ダブモン!!9話/05

水晶の島のデモの末路 ダブモン!!9話05
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探索3
 
 間違いない、検索ページから特定の語句を検索して該当ページに飛ぶ・・・間違いなくインターネットだ・・・!
 「なぁ、これ、音楽は?」
 「絵は載ってるみたいだな・・・」
 「動画・・・っていうか動く絵は!?」
 「音楽が鳴る本は聞いたことが無いな、動く絵は・・・あ、このページなら・・・」
 すると、男はとあるページを開いて、片手で大量のページを持ち一気にページを開いていく・・・
 そこにかかれた家の絵と一緒に描かれた木がざわついていく・・・
 なるほど、パラパラマンガの要領か・・・
 「この分だと曲や写真はきびしそうねぇ・・・」
 四葉が誰にも聞こえぬぐらいの小声でごちった、ま、確かにそうだわな、
 どうやら、本としての機能しかないようだ・・・
 「にしても、面白い発想ですね、本に音楽だなんて」
 俺達の背筋が一瞬で伸びきるような発言をしたのは背後にいたレファンだ、焦って振り返りつつ
 「え・・・あ・・・いや・・・聞こえたら面白いかなぁ、なんて、前に似たような魔法の本を見たものだから・・・」
 「そうそう、見た見た」
 「絵がいきなり動いたりね・・・」
 「マジックブックですか?確かに、あれは術式次第では音楽もなるようですからね・・・」
 「あはは!なるほど、音楽か、確かに、祭りの音楽がいつでも聞ければ陽気だが、いやいや、そんな物があったとはね!」
 レファンの悩みは氷解し、男は笑い飛ばした、と、そうだ、俺は思わず男に振り返り
 「なぁ、俺らもこれ欲しいんだけど・・・」
 男は真顔に戻りつつ
 「残念ながら、書き込みができるものはこの国の国民でないと手に入らない、書き込みができる量に限界があるので、国民で分けて使っているのだよ、国を出ると使えないし、閲覧だけの物でも、相応の金額がかかるし、何より邪魔になるが、それでもいいかい?」
 「そ、それは・・・」「ううん・・・」「あの・・・その・・・」
 思わずためらう俺達・・・
 「ははは、安心していいよ、教会にあるものなら、閲覧専用だが、レンタルで貸してあげるよ、防犯用の鎖付きだがね」
 ううむ・・・仕方無いか・・・
 「わかった、後でもっと詳しく使い方教えてくれ、後さ・・・」
 「あと、何だい?」
 「今金欠でさ、教会の方から仕事回してくれないかな?」
 「君達がか?しかし、子供が・・・」
 「子供に任せられないってんなら、俺達がいる」
 「相棒のためならバリバリ働くわ!」
 「火の元はご入り用か?」
 「私も、足りないながら、色々お手伝いさせていただきまっす!」
 カンテーラ、フリィジア、イグリード、ウィルピーがすかさずに名乗り出て、男が彼らの方を見る
 「なるほど、人語を介するダブモンであれば仕事はあるかもしれないな・・・なら、教会まで行ってみよう」
 そうして、俺達は歩き出す、しかしな・・・
 「女神様、なんでついてくるんだ?」
 「いや、みんなが心配でね・・・」
 いいや、いっつも要件終えたら消えてるじゃないかあんた・・・
 前行く男とレファンにばれないような小声で話す俺・・・
 すると、女神が俺が小声で話すためにか俺の顔横までその顔を近づけ
 「ちょっと、様子見させてほしいのよね、あのクリスタル、どういう風に利用してるか知りたいしね・・・」
 「そういうもんかねぇ・・・」
 ん?今後ろの四葉が細めたいぶかしげな眼をしていた気が・・・気のせいかな・・・?
  
 「あっこに喉が渇いてそうな人がいるぞ~」
 「ちょっと待てよカンテーラ!」
 海の家、日本風に言えばそうだろう、要は海水浴場のお店の手伝いである、
 夕日が落ちる中で、俺と四葉、ウィルピーは少し上で空飛ぶカンテーラの後を追っていた、両手に持つ両端から首掛けのひものついた四角い薄箱にたくさんのふた付きコップに入れた飲み物を乗せながら・・・
 ちなみに、兎白と鼓動は調理場の方に回されている、主にフリィジアとイグリートのせいだが・・・
 と目の前にセクシーなビキニ水着の女性が!
 「お・・・おっぱ!」
 が、跳びこもうとしたところを四葉がつま先を踏んで止めた
 「ここでやらないでよ?」
 「わ・・・わかってます・・・」
 四葉の怖い声に、後ろの女神がこらえ笑いをしているのが聞こえた、無論、ここで跳びこめば飲み物が台無しになるためだが・・・
 黒肌の女性に飲み物を渡すと、そばにいた同じ色の肌の男性が別の飲み物を欲し、そちらは幸い四葉が持っていたので飲み物を渡した、
 「オレンジジュースな!」
 「ヤシジュースです!」
 代金と引き換えに渡された木のコップの中身はすぐに飲み干され、容器は返還された、そういうシステムなのである、持って行こうとしたら声をかけるところだった、そして男女は海の方に駆けて行く・・・
 「いやー、カンテーラさんがいるとありがたいですねー」
 ウィルピーの声に応じてか、カンテーラが海を見ながら前に下りてきた
 「俺はただ、仕事をしてるだけなんだが・・・」
 カンテーラの事に驚いたのは俺らも一緒だ、
 一緒に首掛け薄箱でジュース販売を請け負ったのに、ちゃっちゃと最初の分を売り切った、
 聞いてみると、それとなく、ジュースを欲してる人間がわかるらしい、
 なんだそりゃとも思ったが、今までいろんなもんの気配を察知してきたカンテーラだ、そういう気配もわかるのだろう、
 で、今はジュースも持たずに案内役に終始していると・・・
 「とりあえず、これで一通りか」
 「そうね、遅くなってきたし一旦・・・」
 俺の声に応えた四葉が、何かに気付いたように海に見とれる、つられて俺も見てみると、赤き光る宝石が落ちるがごとくの、見事な夕日がそこには会った・・・
 「綺麗・・・」
 「ああ、本当にな・・・」
 「ねぇ!」
 夕日を背にするように前に出てきて振り返る四葉、なぜかいたずらっぽい笑みがこぼれている
 「ん?」
 「私の水着、見たかった?」
 そのなんとも言えない情景と台詞に、思わず目線がそれる
 「・・・また今度な」
 「え~どういういみよ~」
 言葉に反しつつ、声のトーンもその俺の前に移動して顔をのぞき込んでくるその表情も、実に楽しそうだが、
 なぜか俺は視線をさらにそらしながら
 「うっせ~な、今余裕ないだろうが!」
 どうしてだか言葉に詰まりそうになりながらも返した、
 ・・・後ろから女神の笑い声が聞こえた・・・
 それから数日・・・
 
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