水晶の島のデモの末路 ダブモン!!9話14
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「不正選挙?どういうことだよ?」
「どうもこうも無い、今の官僚や公務員が今回当選、再選を果たした議員、大統領、最高裁判官と結託、彼らを当選させたという話だ、つまり、彼らは公務に携わる資格すらないということだ」
神父が答えてくる
「どうしてそんな事・・・」
「10年前、分都が行われたことは話したな?」
「ああ・・・」
「あの時、問題視されていたのは行政側の税金の増大だった、無駄が多い、公務員の給料も多すぎるのみならず、刑事事件沙汰になるような違法事件や企業の癒着、天下り、虚偽の報告、統計の不正など、数限りない問題点を抱えていた・・・」
「そうなのか・・・」
「たちが悪かったのは官僚達上層部がこれを率先して行っていたことだ、さらに、選挙で選ばれた政治家たちも知らずに便乗していた」
「なぜだ?そんなことしたら選挙で落とされるんじゃ・・・」
「言っただろう、虚偽の報告や統計の不正があったと、それに騙されたり、あまつさえ、官僚達の裏の見返りに惹かれ、協力してしまっているものもいた、だからこそ、法案院が生まれた」
「法案院が?」
「当時、国政選挙の対象は三つしかなかった、すなわち、国のトップを決める大統領選、法律を決める法院議員選、司法を司る最高裁判員選、その中で、当時の大統領と法院議員たちは無駄を省こうと行政改革を断行」
「それで・・・」
「ひどいものだった、虚偽報告は山の様、断行していた主要議員は検察からの捜査を受けてそれどころではなくなり、あまつさえ、警察が捜査しない暗殺騒ぎが巻き起こる始末だった、当時の大臣も一人死んだよ、それ以外にも・・・」
「・・・」
「なので、急務は官僚、警察、司法達の罰則、その後の再発防止策ということに落ち着き、その次の選挙では官僚を信じる者達から落とされ、結果、既存の法院は法決院となり、法案院が生まれた、」
「なんで?」
「当時は法案の大半を行政に頼っていたのだ、それを完全にシャットアウトするためにな、そうやって官僚の影響力を0にしようとしたのだ、法案院法決院共に独自の調査機関も持っていて、データ集めもそこで行っている」
「官僚の悪に議員が染まらないようにしたわけだ・・・」
カンテーラが補足した
神父がカンテーラの方に視線を行かせつつ
「そうだ、」
と応え再び視線を俺に戻す
「だが、ヴィジュアルブックに告発されていた全ての事実に、ついに国民たちは怒り、立ち上がり、このような事態となったのだ」
確かに、俺はもう一度、デモ隊の方を見る、
黒山人だかりは、兵士と大統領府に向かい、今も怒号を上げていた・・・
「で、あんたは何探してるわけ?」
「教えるつもりはねぇよ」
まぁ、おっさんがそんな簡単に話してくれるわけないけないか・・・
「裁判所に行くんですから、きっと、何かの裁判の記録ですよ」
レファンの一言に、おっさんの目が一瞬とんでもなく嫌そうに歪み開いた
「だとするなら、原因となっている不正選挙の裁判の記録ですかね?でも、まだ裁判とか行われていないのでは?」
「今回の事例が初めてではないのであれば可能性はありますねー」
ウィルピー、レファン、の方に私も顔を向かせ
「今回の事例が初めてじゃないって・・・前にもあったってこと?」
好き勝手に話し出す
「そうですね、あって、裁判を起こされたけれども、その裁判で何らかの方法でそんな物ないと結論付けられたなら・・・そしてそれが不正な裁判であるなら・・・」
「本来、再開票に反対することそのものがおかしいわ・・・」
「四葉さん?」
「選挙というものは利権の塊、誰一人中立の第三者などいない、国民のみならず公務員もそれに関わる、というより、公務員の方が選挙の利権が欲しいはず、選挙に選ばれた人間によって税金と行政サービスのみならず給料、仕事内容、利権、そのすべてが決定されてしまうのだから、だから本来、再開票という選挙のチェック手段の妨害は誰あろうと許されない、大統領、最高裁判官、衆参議院議長、総理大臣、公務員、国民や外国人の一人一人に至るまでね、妨害したということはこの選挙は不正であるという自白であり自身がその犯人であると言っているようなものなんだから」
「四葉さん・・・?」
「選挙にそこまで造詣が深いとは・・・」
ウィルピーが目をすぼめて点にして動きが止まり、レファンは笑顔のままに言い放つ
「ま、私のことはこれくらいでいいわよ、」
私はダグザのおっさんに振り返り、得意げに言い放つ
「で、どう?しゃべる気になった?」
「はぁ・・・わかったよ、これ以上勝手に推理推論繰り広げられても色々厄介なことになりそうだ、話せばいいんだろ、話せば・・・」
等と言い出して再度歩き始めると、いつの間にかダグザのおっさんが次の口を開く前に最高裁判所の裏手を望む場所へとたどり着く・・・
そこで兵士に見つからないうちに裏手すぐ裏の茂みに隠れ様子見しようと・・・
「以前の選挙において、再開票を求める裁判が行われた・・・」
そうして裏手を見るところでおっさんが口を開いた・・・
「でも、行われなかったのよね?」
「その通り、その裁判、おかしい点が多くてな、それで、その不正の証拠を掴んでくるように、って上からな・・・」
「不正選挙・・・」
「そ、不正選挙、私は、それに関連した証拠を探しに行くの」
「一体何の?」
法案院の裏に入ったところで僕は問い返した
「それはね、不正選挙のために法整備が行われてね、どうやら、その為に禁じられていた官僚との接触を裏で行っていたようなのよ、その証拠を探しに、ね」
「ねぇ、どこまで行くのさ!」
入って行ったのは山の奥、確実にデモとかよりも離れて行った森の中・・・
そこを辛抱強く歩く、だんだん、獣道とかになってきたけど・・・
ん?ここは・・・村・・・!?
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