オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

水晶の島のデモの末路 ダブモン!!9話/12

水晶の島のデモの末路 ダブモン!!9話12
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 男たちは街中の衣料店で代わりの安めの服を買った後去って行った
 「要らぬ出費だな・・・」
 「仕方無いだろ、無理矢理ついてきたのはこっちなんから、神父さん、俺達はこれで」
 等と言い残して・・・
 ついでに、俺達が買ったのは砂色のフードつきのマントだ、これなら容易に服装見抜けないし、日除けということにでもしとけばいいし、どーせ旅に必要だろうし、使いまわし効くし、処分するにしても簡単だろう・・・
 カンテーラも買って羽織っている、もっとも、こっちは単なる紫の色違いっぽいが・・・
 そして、街の中心部に入る、高い建物が地並び、向こうに人の頭が見えるところで、
 「うへぇ・・・こりゃすごい、絶景だな・・・」
 「何が絶景なんだよ?」
 上を飛ぶカンテーラに思わず問いかける
 「お前らも見て見ろよ、左手にある建物、屋上あるぞ、入れないか?」
 お!上に行くための階段がある・・・
 そこに入って神父と共に屋上に上る、
 そこからはるかに臨み見たのは、人、人、人、星の数以上の人々が、大きなレンガ造りの洋館風建物を包囲している所だった、
 建物の周りには金属の槍を並べ繋げたような柵があり、そのさらに周りを木製のバリケードと共に兵士たちが壁となっている、
 「あれが大統領府だ・・・」
 
 「うわー、すっごい・・・」
 「さすがに、僕もここまでのデモを見たのは初めてですね・・・」
 左右の部分が大きなへこんだ台形のような塔、上に楕円貫く金属の針立つその巨大な一枚石のような塔に、人々が殺到し包囲していた、
 無論、バリケードと共に兵士が守っているが・・・
 ・・・こういうの見るとわくわくするわね・・・
 「四葉さん、目が輝いてますね・・・」
 ん?人々の後ろの方に見たことある黒髪のおっさんがいる・・・?なんか、殺到する人たちの様子をうかがってる感じが・・・
 「ねぇ、あの人・・・」
 「ええ・・・なんでここにいるんでしょうね・・・?」
 私の意見にウィルピーが同意する
 
 「すごい人・・・」
 左右突き出したように幅のある入り口に柱並ぶ神殿風の建物に水が満ちるが如く人々が殺到している、もちろん、柵と兵士が守り近づけさせないようにしているが・・・
 「すごいわねー・・・」
 右肩斜め上のフリィジアも思わず感心して見ている・・・
 この島の人々が残らず集まっているという雰囲気だ、
 しかし、なんでここまでになってるんだろ・・・
 「あら、あなたは・・・?」
 左手から話しかけてきたのは、元は白かったであろう日に焼けた肌に切れ長の目、まっすぐにカットされた髪が印象的な貫頭衣とズボンを着た女性だった
 「誰?知り合い?」
 「いや、知らないけど・・・」
 フリィジアの言葉に反射的に答える、こんな人知り合いにいたっけ・・・?
 「あら?そっか、あの時兜かぶってたんだっけ?」
 
 「すごい人だなこりゃ・・・」
 きっちりと採寸され組み合わされた石造りの建物、おおよそ、横に出っ張った中央部が三角屋根の神殿のような構造で、
 そこに山のように人が殺到している、もちろん、それを兵と柵が守っているが・・・
 「さて、ここからどうするんだ?様子を見てほしいって言われたが・・・」
 「そうだね、深くかかわれそうにないし、とりあえず、色々・・・ん?」
 右手の方で街の様子を見ながら、離れようとする背中に木の籠を背負った黒い蟻のダブモンが、あれは・・・?
 思わず追いかけ声をかける
 「ねぇ!」
 
 「ん?お前・・・」
 「なんで異端審問官もがっ!」
 私が言いかけたところでいきなり口をふさがれた!
 「いきなり何言いかけてんだこいつは!どこで誰が聞いてるかわからんだろ!!」
 小声で慌て交じりの声を出し、一部の人が怪訝そうにこちらを見るがおっさんが愛想笑いしたところですぐにデモの方に戻った
 そこで私は解放される、
 私は少し不快感を感じながらも話しかけることにする
 「にしてもあの一件以来ね~」
 「ですね~」
 そう、私は軽く言うものの、向こうは皮の貫頭衣、日に焼けた肌、ぼさぼさの髪と無精ひげ・・・
 首から木に見える羽ロザリオは付けているものの、なんでこのおっさんはここまでこの国になじんでるのかしら・・・?
 「おやおや、お知り合いですか?」
 いきなり話しかけてきた後ろのレファンに目を見開き一瞬驚くおっさん、ダグザ、しかし、すぐに表情と調子を戻したように見えるが、よく見ると冷や汗らしきものをかいている、
 なんだ、レファンに何かあるのか?
 思わず問いかける
 「知り合い?」
 「ですか?」
 「いや、初対面だ」
 表情も何も変えずの返答、
 嘘つけ、絶対何かあるだろ、とはいえ、この場で訊いたって絶対答えてくれそうにないしなぁ・・・
 「で、おっさんはなんでここにいるの?」
 「ま、観光じゃねぇよ、」右手を呆れたように上げてひらつかせての返答「でそんなわけで俺がこんなとこにいる理由は一つしかないだろ?」
 任務か・・・
 「そういや、お前さんの仲間、確か・・・」
 
 「私、あの時、異端審問官と一緒にシスターたちを教皇庁に連行した・・・」
 あ、あの時の女騎士!?
 女性が少し喜んだように微笑んだ
 「そうそう、思い出してくれた?そういう顔してるわ」
 思いきしにらむぐらいにフリージアが見てるけど・・・
 と、その女性が周りを見渡し・・・
 「そういえば、カンテーラちゃんいないのかしら?その子に頼んだらすぐに探し物見つけてくれるかなーって」
 探し物・・・?なるほど、それで俺達に話しかけて来たのか・・・
 「今あいついないわよ」
 棘のある言い方でフリィジアが反応する
 「あ・・・ああ、そう、ならいいわ・・・」
 「そのかわり・・・私が見つけてあげる!」
 え!?
 フリィジアの返答に、俺と女性がフリィジアを見て驚き同時に声を上げた・・・
 「あんな奴に見つけられるんなら、私にだって見つけられるわよ、そのかわり」
 「そのかわり・・・?」
 「見つけたら、二度と相棒に近づかないでね!」
 「え・・・ええ、いいけど・・・」
 戸惑ってるけど、始めから俺に近づくつもりなんてなかったんじゃ・・・
 
 「アントイワン!」
 かけられた声にアントイワンが横から少しだけ目線を向け、先へと歩き出す、
 「おい、知り合いなのか?というか、その時の個体なのか?」
 「間違いないよ、木に見せかけたのロザリオ着けてるもん!」
 「木に見せかけた・・・?ふむ・・・」
 イグリートが近づきロザリオを手に取る・・・
 「確かに、微かだが銀の気配がするな・・・」
 驚き目を見開くアントイワン、
 「やっぱりあの時のアントイワンだ!ねぇ、こんなとこで何してんの?」
 「訊いたって無駄だろ?これ系の虫系ダブモンは人語話せない奴多いからな」
 「イグリートはわからないの?」
 「無理だな」
 ああ・・・そっか・・・
 等と思っている間も、アントイワンは森の中に入って行く・・・
 「ああ!待って!!」
 
 「なるほど、今はお前さん達しかいないわけか、」
 「そうよ」
 「ですね」
 「なら、用はねぇや、じゃあな」
 ダグザが振り返る中で私は声を掛ける
 「あら、一緒に探してあげるわよ、探し物」
 「は?」
 驚いたように目を見開きながらこちらに振り替えるダグザ
 「なんでわかった?」
 「いや、あなたのような人が道に迷ってるとも思えないし、だとしたら探し物じゃないかって・・・」
 みるみるダグザの表情と目が力なきものに代わっていく
 「まぁ、そりゃそうなんだが・・・」
 「それに、仕事でしょ、面白そうじゃない!」
 そう言って、私は思い切り不敵に笑い、呆れ振り返り直しその場を去ろうとするダグザについていく・・・
 と、デモの外周を歩く中で横目で後ろを少し、というかレファンの方に目線を向け
 「そういやそっちの」
 「レファンです」
 いつもの笑顔で返すレファン
 「レファン、お前はついてこなくていいぞ」
 「いえいえ、面白そうですから、お供しますよ」
 ダグザが生涯忘れられないであろう程に嫌そうな顔をする・・・
 そして、正面向いてデモ隊から離れつつ・・・
 「そういや、お前ら、今回のデモが何で行われているのか知ってるのか?」
 
 「そういえば、あなた達、今回のデモ、どうして行われてるのか知ってる?」
 法案院の裏に回るように移動する中で、女騎士の人が話し出した
 「いや・・・」
 「聞きそびれたわね」
 「それはね・・・」
 と、デモの声が聞こえ、看板が・・・
 
 法決院の裏、ある程度高い山を登った時、デモ隊の声が聞こえ、看板が掲げられた
 あれは・・・
 
 「そういえば、このデモの原因は知っているのか?」
 「いや」
 「あいつが行って来いって言ったから付き合ってるだけだしな」
 神父の言葉に、俺とカンテーラがそれぞれ答える
 「ならば教えておこう、それは・・・」
 それは・・・
 「不正選挙だ」
 
 「不正選挙だ」
 
 「不正選挙だ」
 
 「不正選挙だ」
 
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