バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

この争い起きた戦場で ダブモン!!8話07

この争い起きた戦場で ダブモン!!8話/07
 
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バトル-3
 
 「リチャージ!」「リチャージ!」
 「ドロー!」「ドロー!」
 私と向こうの将軍の声が響き渡る・・・
 引いたカードは・・・これ、役に立つのか?思わず右手で持つカードに疑問符が浮かぶ、
 このために入れたカードじゃないんだけど・・・ま、いいや、置いておけば役に立つでしょ・・・
 「セット!」「セット!」
 「オープン!」「オープン!」
 「来なさい、メイコーリン!!」
 「ダブモンNo.112、一点星の愛玩番犬、メイコーリン!!」
 私の前に光が集まって現れたのは一体の子犬だ、
 虎のような光の文様を宿した小さな体躯、首元より背中の方にマントのように伸びた毛、
 しなやかさと力強さを兼ね備えた四足も持つ、
 「ならばこちらも・・・来い、ウキグサ!!」
 「ダブモンNo.268、草集めの腐葉土師 ウキグサ!!」
 葉っぱが周囲より集まり、一つの塊を形成し・・・形成し・・・宙に浮き、そこで止まった、
 えっと・・・
 「さぁ、そちらのコストを出してもらおう・・・」
 「え?」
 向こうの将軍のさも、これで終わりだというような言葉、
 ただ葉っぱが集ったようにしか見えないけど・・・
 「その葉っぱ、戦えるの?」
 「侮ってもらっては困るな、これぞ、我が、植物、樹属性、コスト0のモンスター、その名も、ウキグサなり」
 「え!?」
 単に広葉樹の葉っぱが集まっただけにしか見えない・・・!?それに・・・
 「樹属性?」
 「ほう、樹属性を見るのは始めてか?そこそこの魔術学校では属性は基礎知識として習うものだが・・・」
 あのね・・・
 私はあきれてこちらを見据える将軍のの方に視線を戻す
 「おあいにくさま、魔術学校なんて通ったことないわ、私、人間なのよ」
 「ふむ・・・」
 顎に手を当て私の方を見ながら何かを考えだす向こうの将軍
 「人間の方では属性の概念があまり必要ないと見える、樹属性とは地と水の属性の間にあるものだ、覚えておくといい、他にレクチャーは?」
 「いらないわ、」
 私は右腕をひねるように右手を外に出し言葉通りのジェスチャーをしつつ返す
 「いざとなればウィルピーに教えてもらうもの」
 「お褒めにあずかりありがとうございます」
 そう言って、私の前にウィルピーが浮かぶ
 「それでは、コストの宣言をしてもらおうか・・・」
 おっとそうだった
 「私は、ウィルピーキラメントとシャインライトフラッシングバスターエレメント!を指定し、両方とも発動させる、まず、ウィルピーキラメントを裏に返し、メイコーリンの戦闘直前にウキグサをトラッシュに送る、コストはウィルピーキラメントとシャインエレメンタルパワー」
 「ほう、」
 感心したように口を開く向こうの将軍
 「面白いカードを発動させるな・・・ウキグサのことは知らなかったようだが・・・」
 「偶然、たまたまよ」
 「なるほど、運も実力の内ともいうな、だが、それはしょせん努力と知略には勝てぬものだ、努力と知略が互角であった時、初めて運は意味をなす」
 ・・・確かに、ね・・・
 「では、1番戦闘を行かせてもらおう・・・」
 「プーマヤ、お願い!」
 プーマヤが勇んで一気に突進、ウキグサをその剣で貫いた、
 が、
 パサッ!
 呆気も無いほどに乾いた音をだし、ウキグサはばらけて風に乗り飛んで行ってしまった・・・
 へ・・・?
 「私は、ここで、『ウキグサの効果を発動し、ウキグサを3番に移動する』」
 風に乗り、再び木の葉が集まり出す・・・!
 でも!
 「2番戦闘、メイコーリンが戦闘結果に入りさえすれば問題無いわ、行け、メイコーリン!」
 「さ、2番戦闘だ、行け、サイコボア!」
 サイコボアが後ろから岩の棍棒を出しメイコーリンを殴りつけてくる!!
 「遅ればせながら憑依させてもらいます!!」
 ウィルピーがメイコーリンに入り込み、その額に炎のような光が宿る・・・
 「それでは・・・行きます!!」
 その直後に棍棒を右にかわしつつサイコボアに跳躍し、棍棒部分を足場にして再度跳び、その口でサイコボアの本体に噛みつき残りの体を足場にして一気に向こうに引きはがす!
 が、棍棒は止まったものの、残った体全体が崩れ落ちる・・・!
 「うどわわわ・・・」
 慌ててサイコボアから口を離しながらも何とか跳んで岩の崩落を避けると、立ち込めた煙の向こう、ウィルピーとサイコボアが対峙している・・・
 その向こうではみんなというか、三バカとそのダブモンとか兵士たちがかたずをのんで見守り
 「迷惑だからとっととどいてくんないか?」
 「わかってますよ!」
 カンテーラの言葉に乗り、ウィルピーがサイコボアに吠える!
 「ワォオオオオ!!」
 言葉を発したカンテーラの方に少し気が行っていたサイコボアがうるさそうに眼をつむり、ウィルピーの方に視線を返し、ウィルピーに向かって走り出す!!
 「来ましたね・・・!」
 走る途中で岩を浮かべて3つ続けざまに飛ばす!
 それをウィルピーは左、右、左と華麗なステップで避ける
 「よっ!はっ!よっ!」
 おお、いいぞ、このまま避けきって反撃に・・・いや、反撃になんて出なくてもいいけど・・・
 そんな思いにも関わらず、ウィルピーが一気に跳躍して、噛みついた!
 が、サイコボアは何のリアクションも示さず走ったまま岩を操りウィルピーに横から叩きつけ
 「がっ!」
 2発め
 「がはっ!」
 3発目で上にかちあげた!
 「ぐはぁあああっ!!」
 だが、ウィルピーの目はあきらめてはいない!
 「ですが、この一撃であれを吹き散らせばいいのです!!」
 口内に光を溜め、ウキグサの方を向くウィルピー、
 「私はここで地力交代咄嗟エレメントを発動!『コストに地力恩恵エレメント!!とアースプルダウンエレメントを指定し、その効果により、プーマヤとメイコーリンを交代!』」
 な!?
 すると、サイコボアが迅速に再び岩で人型を取り、ウィルピーの後ろに人型化すると、
 岩棍棒でこともなげにウィルピーを地に叩きつけた!
 「ええっ!?」
 そして、私が驚く中でプーマヤの方にその手を伸ばし、逃げるプーマヤの襟首をひっ捕まえると
 さっきまでウィルピーのいた場所まで持ってきて離し、そこに岩棍棒を思い切りたたきつけて爆発、消滅させた・・・
 と、私の周りに木の葉が・・・って、これは?!ウキグサ!?
 っつ!
 木の葉の端が、私の体を切って傷つけて行く・・・
 「四葉さん!!」
 そこにウィルピーが駆けてくる・・・
 「この、いい加減にしなさい!」
 思い切り右手を振って木の葉を退け
 「ワォオオオオ!!」
 ウィルピーの咆哮に吹き散らされる。
 「四葉さん、大丈夫ですか!?血が・・・」
 「何のこれぐらい・・・」
 「四葉!!」「蜜羽さん!!」「蜜羽さん!!」
 「・・・」
 「・・・」
 「・・・」
 「・・・」
 3バカとダブモン達とその他大勢が心配そうに見てるが・・・
 「このぐらい何ともないわ!!」
 「いいのか、痛みで集中が途切れるぞ?」
 「おあいにく様、」
 いたわりかもしれない言葉をかけてくる向こうの将軍を、私は思い切りとっさに見据え返す!
 「このぐらいでへたれてちゃ女の子ってのはやっていけないのよ、おじさん?」
 「ならばいい、さぁ、カードバトルを続けようではないか!」
 「今度こそ、お守りします!!」
 ウィルピーが私の前に立つ!
 「ありがと、さ、行くわよ!!」
 
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