バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

炎の精霊と火山と謎の剣 ダブモン!!7話/09

 
炎の精霊と火山と謎の剣 ダブモン!!7話/09
 

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 熔岩の津波を思わず剣で防ごうと(防げるわけないのだが)前にかざすと、剣が赤く輝き、瞬時に熔岩から飛び出した赤い気みたいなものを吸収し、
 熔岩の赤味が増していき、刃根元からの央部に強く炎の色を宿す・・・
 ・・・あ、これが説明にあった・・・!
 普通の炎とかで練習してたのにいざとなると頭真っ白になるな~・・・
 そう、この剣を打ったウィルピー族のやつから説明があったのだ、
 人間の男とトカゲ男を割ってくっつけたようなその男は奥の窓穴から昼間の光差し込む鍛冶場でこう説明してくれた、
 「剣の練習はちゃんとしてきたか?」
 「ああ!一応、師匠からはOKもらってきた!」
 「ま、この村は名武器を求めて戦士がわんさか来るからな、師匠となってくれそうなやからも多いさ、で、これが注文のあった剣だ」
 そいつが両手で差し出すように渡してきたのは、熔岩の岩を剣の形にしたような赤黒い剣、一見するとと岩製にしか見えないのだが、そのたたえる雰囲気が岩だけではない何かでできていることを物語っている・・・
 内部は金属か何かなのか・・・?
 「これが?」
 手に取ってみるが、幾分か軽い、今まで訓練に使ってきた青銅の剣よりもずっと・・・
 「あんまり手荒に扱うなよ、強度は普通の金属製の剣より有るつもりだが、仕掛けの方が繊細なんだ、核属性のダブモンに協力してもらってな・・・」
 「そこまでしなきゃいけないものなのか?」
 見た目は岩をまとめて形作ったようなものにしか見えないのだが・・・
 「だったら、あんな依頼出さないでくれ、」呆れたような鍛冶屋の台詞、「おまけに無一文ときたもんだ、こちとら後払いで一生かかっても払うって話だから渋々協力してんだよ」
 「だったら、酒飲んで昼寝ばっかりしてんじゃねぇとは思うが」
 「うるせぇよ、それとこれとは関係ねぇだろ、それに、その分こうして仕事する時はするんだよ、さて、使い方を教えておくか」
 すると、後ろにある石を積んで作ったかまどにその目を向ける、
 「ちょうど鍛冶の火を消そうと思ってたんだ、かざして見ろ」
 「かざすって、こうか?」
 剣を突き出すようにかざすと、火が剣に吸い込まれるように飛んできて、一気に吸収される!
 「うわっ!?」
 そして、剣にほんの少し赤みが宿る、赤味はまるで熱せられた岩が温度を保つように少し大小している気がする
 「それがその剣の能力さ」
 剣を見つめながら話す鍛冶屋
 「能力?」
 つられて俺も剣の方を見る、
 「単純に、火の属性を引き寄せ、吸収し、その内部に溜めこむ、熱や炎はその典型だな」
 「それだけ?だったら火属性のダブモンに協力してもらうんじゃ?核属性・・・?」
 「器に地属性がいるのさ、依頼の関係上、内部に熔岩を溜めこむような形になるからな、それを色々利用する形だ、そうじゃないと依頼での能力が発揮できない」
 あ、なるほど・・・
 「火属性と地属性、合わせて核属性だ、そうじゃなきゃ、依頼は果たせない、後それから、中にたまった炎を解放する時は・・・」
 人の思念に反応するようになっているから、解放・・・と念じる・・・
 剣を斜め上に掲げ、解放・・・!
 剣から豪炎が吹き出し、元熔岩が熔岩としての色を取り戻しながら、炎の勢いに負け、向こうに吹っ飛ぶ、
 さて、回り道を・・・ん?周りを見渡しかけて思いつく、まてよ・・・
 もう一度剣をかざし、盛大に熔岩の川の火の属性を吸収していく・・・
 熔岩の川は熱を奪われ冷えて固まり、動きが止まる、
 上流から来た熔岩も熱を奪われてせき止められ高い壁を形成しながら別の道を求めて動きが変わり始める、
 ここが危険になる前に動こう・・・
 元熔岩の川に慎重に右足を乗せてみるときちんと熱が奪われているようでビクともしなかった、
 おし、これなら行けそうだ・・・
 あ、でも熱の貯蓄量には限界があるんだっけ・・・
 こうして・・・俺は剣を真上に掲げ、
 熔岩の熱を奪ってそれを天高く炎として放出しつつ、その熔岩の川を渡り切り、再び歩き出すのだった・・・
 このまま、魔の山の入り口まで・・・
 
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