バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

炎の精霊と火山と謎の剣 ダブモン!!7話17

 
炎の精霊と火山と謎の剣 ダブモン!!7話/17
 

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 探索6
 
 「ダブモンの気配がする・・・」
 カンテーラの一言に、僕達は思わず周りを見渡す
 「どのあたりだよ」
 「あそこ」
 良星の言葉にカンテラをこともなげに熔岩に向け、上げるカンテーラ、
 それを見て僕達は呆気にとられる、もしかいて、柱の向こう側にいるってことか・・・?
 「イグリード、ようすを」
 「了解」
 ユネッタの声に答え、イグリードが進もうと
 「待った、ストップ!」
 そこにカンテーラが止めようとするか、
 イグリードが熔岩の柱に入った次の瞬間、何かにぶつかり動きが止まる、
 「いった!」
 すると、熔岩の柱がまるで蛇か何かの様にうねり、辺りに熔岩をまき散らす!
 これは・・・!?みんなが声を上げ後ろに引く!
 「うわわわ・・・」「うおおお・・・」「わわわわ・・・」
 「ちょっと!」
 「ああああ・・・」
 「だから待ったって!」
 「これはだめですってば!」
 「熱いの嫌!熱いの嫌!熱いの嫌!!」
 「はわわわ・・・」
 「引くぞ!!」
 思わず、みんな降ってくる熔岩から避けるために後ろに引き、途中より様子を見つつ下がり・・・
 しばらくすると、熔岩の動きが止まった・・・
 「なんなんだろ、あれ・・・」
 「えーっと・・・あれが自然の熔岩でないなら・・・」
 「あいつかもしれんな・・・」
 ユネッタの言葉に返したイグリードがこともなげに熔岩の柱に近づいて行き・・・見上げる
 「おーい、お前、ヨルムンリだろう?」
 言われた熔岩の柱が驚いたように一瞬動く、
 「やっぱり、ヨルムンリなんだな?」
 柱は、緊張で背筋を伸ばしたようにほんの少し伸びた
 「ヨルムンリ?」「って」「誰だ・・・?」
 「私の知る限りだと、熔岩の中にいる大きなダブモンです、前に見たときは、ちょうどあんな感じの大きさの・・・」
 ああ・・・だとすれば・・・
 「生態は・・・えっと・・・」
 「熔岩の中に生息し、岩を食べて熔岩の流れを整えたり流れを止めたり替えたりするんです、熔岩をその物を食べたりすることもできるんですよ」
 へーそうだんだ・・・
 「だとするなら、あの熔岩の柱は、顔を下に潜らせてそこで食って無理矢理尾の方から出してるということになるな、気配もそんな感じだし」
 「えっ!?」「げげっ!?」「おい!?」
 「・・・汚いわね・・・」
 「汚くないって、あの手の生物は水やら土やら食った後、不純物を取り除いて綺麗にしてくれるんだぞ、あいつがそうかは知らんが」
 「いえ、それでヨルムンリはあってますよ」
 「だとするなら、きれいな熔岩を出してるってことになるな、きれいな熔岩が何なのかは俺はよく知らんが」
 「それは・・・」
 「ユネッタさん、知ってるの?」
 「少し、予想はつきますが」
 「この先に行っていいか~」
 と、イグリードが声をかけているが、さすがに質問攻勢に慣れたのか、ヨルムンリはびくともしない・・・
 ううん・・・そうだ!
 「イグリード、ちょっと!」
 「ん・・・?」
 イグリードがこちらを向いて戻ってくる・・・
 「カンテーラ、ヨルムンリに俺達の声聞こえそう?」
 「いや、ちょっと離れれば大丈夫だと思うが、あの手のやつは耳だけでなく気配でも追うが、あそこからは離れられないだろう・・・」
 「なら離れよう・・・」
 そうやって、僕達はカンテーラの指定する場所まで移動する、そして、円座を組み
 「ユネッタさん、イグリード、ちょっと質問いい?」
 「何でしょうか?」
 「なんだ?」
 「ここ以外の道ってある?」
 「ちょっと、思い当たりません」
 「俺もだ」
 「カンテーラ?」
 「無い、とりあえずは」
 ふむ・・・
 「じゃあ、こういう事ってできる・・・?」
 そうやって、僕は周りに作戦を話し始めた・・・
 ・・・
 僕たちは円座より立ち上がりヨルムンリに聞こえるよう少し大きな声で
 「ええっと・・・イグリード、そのルートで本当に行けるんですね?」
 「ああ、ちょっと強引なやり方だが、不可能じゃあないな・・・」
 「それじゃあ、そちらのルートに案内しましょう!!」
 ユネッタとイグリードの声に、ヨルムンリが慌てふためいているのが見える、
 そして、幾多の足音と熱源の移動
 ヨルムンリがそれを追い、急いで熔岩の中に・・・
 まだ駄目だ・・・動かない、動かない・・・
 「もういいぞ」
 カンテーラの一言に、僕達は急いでヨルムンリのいた場所まで向かう
 「中央の通路は使えなさそうですから、熔岩がギリギリまで近づいていた壁に張り付いていた通路を使いましょう」
 「落ちそうになったら俺達が支えるから、忍び足で走るぞ」
 僕は勇んで先陣を切り、横にカンテーラを並走させながら、広場の先の方の洞窟まで走り切る
 「ここまでくれば大丈夫だろ」
 カンテーラの声に、僕達は洞窟内でいったん止まり
 「よう、大丈夫だったか?」
 そこにイグリードが飛んできた
 「イグリード、ヨルムンリは?」
 「さぁ、な、」両掌を上にして肩まで上げ知らないというジェスチャー「いきなり足音が止まったんで、急いで元の場所に戻ろうとしてるんじゃないか?」
 「確かにそんな感じだな」
 カンテーラの確認言葉
 「にしても、すごいな、お前、俺ですら熔岩の柱の中にいるヨルムンリに気付かなかったのに、すぐに分かったのか?」
 「熔岩のエネルギーで気配が分散してたせいだろ、そうじゃなきゃ、誰にだってわかる」
 「そういうもんかねぇ・・・」
 「いや、今回のこれ、突破できたのは僕のおかげなんだけど!?」
 そう、全部僕の発案なのである、
 嘘の会話でヨルムンリを誘導するため、イグリードに指一本一本に熔岩を靴型に着け、熱を上げ、
 あたかもたくさんの足音と熱源が移動しているように見せかけてもらったのは!
 イグリードは熔岩の中を移動できるため、この任務に適任だったのだ
 「ははは、」
 僕の意見を聞いたのかイグリードが笑いかけてきた
 「確かにお前さんがいなけりゃ、この状況は突破できなかったな、ありがとうな」
 まったく・・・
 「ですが、ヨルムンリが自身の身体をカベにしてでもそこまでこの先に行かせないようにしていたとなると・・・」
 「この先に何かあるってことだね・・・!」
 勇み、先の方へ向き
 「行こう!」
 歩き出す・・・!
 
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