炎の精霊と火山と謎の剣 ダブモン!!7話/14
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探索5
満たされた熔岩の池を見て僕は口を開いた
「誰か熔岩の中行ける人いる?」
「無茶言うな」
「同じく」
「私も行けるわけないじゃない」
「僕もダメ」
「いくらダブモンだろうとこればっかりはな」
「です」
「私、熔岩になんて入ったら即死だわ・・・」
そりゃ人間も一緒だって・・・
「ええっと、心当たりがないわけではないんですけど・・・」
「俺だな」
あ、イグリード、思わずそちらの方を向く、熔岩の中行けるのか・・・
「だが、ネクポッダの泳ぐスピードにはかなわんぞ?逃げられたらそれで終わりだし、打ちのめされる可能性もある、俺だって、万能じゃないんだ」
だよねぇ・・・ううんと・・・
「少し、根気のいる案なら・・・」
そう言って、僕は思いついたことを話し始めた・・・
・・・しばらくして・・・
予想してたより早い目にネクポッダが熔岩から顔を出す、
周りを見渡すが、誰もいない、といっても、僕達は気付かれないように遠巻きから見ているだけだが・・・
そうして様子を見つつ、もう少し上に顔を出していく、真上から岩が降りてくるのもわからずに・・・
そして、その岩がネクポッダの首を捉え、熔岩から引きずり出した!!
「つかまえたぁああ」
ネクポッダが思わず見ると、そこにあったのは熔岩を顔の周りに張り付かせたイグリードの濃い顔である、
当然のごとく、ネクポッダは泡を吹いて気絶した・・・
・・・そうして・・・
「案外簡単でしたね・・・」
「でしょ!僕の案が良かったからだよ!!」
周りが黙り込む中で僕は得意げに言い放った、
ネクポッダは僕達の側で気絶したまま、熔岩より離されてここにいる、
いや、誰でも思いつける案とか言わないでよ!僕が考案したから、失敗したら当然、僕が責任を受ける形になるんだから!!
「とりあえず起こすぞ、おい!」
イグリードが頬をひとたたきすると、とたんに目を覚ますネクポッダ、
驚き逃げようとするも、イグリードに尾っぽを掴まれ逃げられない
「落ち着けよ、俺達はただ先に進みたいだけだ、道ふさいでる熔岩をどうにかしてくれたら解放するよ」
ネクポッダは本当かと言わんばかりの目を少し細めた疑わしい視線をイグリードに向ける
「黒幕のこと、言うなって言われてんだろ?大丈夫だ、先に進ませてくれたら訊きやしない」
「・・・」
疑わしい目は収まらない
「本当だ、だから、とっととこの先に進ませてくれ」
「・・・」
ネクポッダはゆっくりと熔岩の方に視線を向け
「行ってくれるのか?」
「・・・」
ゆっくりだが確実に、その首を縦に振ったのだった、
・・・後は簡単だった・・・
イグリードが尾っぽを掴んだままのネクポッダと共に熔岩の中に侵入すると、ほどなく熔岩の水位が下がって中ほどに岩の橋が現れていき・・・
「もういいぞ」
上がってきたイグリードの声に、僕達は慎重に橋に足を踏み入れ歩を進め、このエリアを脱出したのだ、
「結局、どうなってたの?」後ろ右のイグリードに視線のみ向けて話しかける「熔岩の中?」
「なに、ネクポッダが熔岩に溶けにくい岩を形成して、川をせき止めていたんだ」
なるほどね・・・
そうして火山の洞窟なような通路を歩く先に、底が近いのか、ある程度広い場所に出て、あれは・・・
「熔岩の・・・柱・・・」
そう、熔岩の巨大な柱が、僕達の行く手を阻んでいたのだった・・・
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