氷漬け罪の雪女と氷精霊との出会い ダブモン!!6話/12
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台地4
「どう思う、あの話、裁定の剣だと思うか?」
「微妙」
「ですね」
が、宿屋の一室で別々に座るカンテーラとウィルピーから出てきたのは否定の言葉
「話聞いてると、なんか、軍部だけで教会が関わって無いじゃん、」カンテーラが退屈から逃げるためにか右手を上げつつ話を続けた「裁定の剣がらみってんなら、教会に秘密にする理由が無い、村に教会があるのに動いてないってことは、騎士団が手を回して動かないようにさせてるって事だろ?裁定の剣ってそういうことするようなもんかねぇ・・・」そして、話終わりに下げた
「じゃあ、何だと思うんだよ?」
「なんていうか、騎士団が事情知ってるってことは、魔王軍が侵攻してきた際にどちらかの誰かが使った剣、って感じじゃん?魔族の侵攻があったらしいし・・・」
まぁ、確かに・・・
「確かに裁定の剣の可能性もあるけど、なんていうかさ、裁定の剣ってそういうのじゃない気がするんだよな、」
「どういうことだよ?」
カンテーラそばの良星が疑問を呈す、
「ほら、そこそこ貴重な剣でも、炎や雷が出て広範囲に攻撃できるってんなら、前線に出す意義もあるし、逆に、まったく貴重じゃなくて、それこそ、普通の剣より頑丈だったり切れ味が良かったりするって程度なら、それこそ、単純な戦力アップだし、敵に奪われてもただの剣に毛が生えたようなもんなんだから、奪われても痛くないし、対処のしようはいくらでもある、」
「そりゃ、まぁ・・・」
今度は俺、
「でもさ、裁定の剣ってものすごく貴重な上、別に遠距離攻撃とか広範囲攻撃とかできなさそうなイメージなんだよな、神や魔王は斬れるし頑丈だけど、それだけって感じで、」
「う、うーん・・・」
疑問を頭に抱えたような表情で唸る鼓動、
「それなら、俺だったら前線に出して敵に奪われるリスク背負わせるよか、どこかで盗まれないように大切に保管して、その間に魔王か女神へのルートを確保、堂々と軍で攻め込めるなら前線の騎士に、それができないなら暗殺者にでも渡すな、もちろん、両方それぞれの方法でルートは確保したという前提で、」
「ふーん・・・」
「そうですねー、私の裁定の剣に関するイメージもカンテーラさんと似たようなもんで、他に何か戦場で活用できる特殊攻撃とかあったら今もどこかの戦場で猛威を振るっていそうなものですし、確かに話の場所にある感じは訊かれた時に言った通りで・・・大体、戦場に持ってったいうんなら、それだけで話題になって、偽物が出てくるなんて言う事も無くなるでしょうし・・・」
「だろ?もっとも、実際に見てみるのが一番確かだが・・・」
「どの道」「行かなきゃ、」「いけねえぇってこったな!」
「寒いの、あんまり好きじゃないんだけどねぇ、家の中とか宿屋なら、暖かいんだけど・・・」
「地下に暖めているダブモンがいるのかもな」
「ですね」
「え?」
「冗談だよ、そもそも、宿自体にきちんと暖房設備がある感じがするしな、ま、そういうダブモンがいるかもしれないが、いずれにしても、明日は、氷の洞窟に行くのは決定だ、今日はゆっくり休んで、あしたはちゃんと暖めてやるから、今日はゆっくり寝ろよ」
そうして、そんなこんなで翌日、俺達は宿を出て、雪原を行く・・・
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