氷漬け罪の雪女と氷精霊との出会い ダブモン!!6話/10
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バトル4
グリブレイがやられた、状況は明らかに劣勢、
このまま行けば2番も制圧される・・・
1番のあのシャチを倒してどうにか挽回しなければ・・・
「リチャージ!「リチャージ!「ドロー!「ドロー!」
引いたカードは・・・待てよ、これと手札のこれを組み合わせて、向こうの効果を・・・よし!
「セット!「セット!、さて、このまま攻めさせてもらおうかしら?」
「そうはいかないよ!フリィジア、行ける?」
「行けるに決まってんじゃない!」
フリィジアが俺にウィンクを投げかけてくる、よし・・・
「オープン!」
「オープン!」
「来なさい、ヒョウノウン!」
「オーブカード、エレメンタルフロストリチュア!」
「ダブモンNo.189、氷嚢の氷運び、ヒョウノウン!」
大きな氷が現れたと思ったら、それが多面的に砕けて行き、中からそれが現れる、
そこに現れたのはわらを左右以外に巻いたような氷の箱をリュックのような配置の紐で背負った丸め多面的なカチカチの氷にその一部が手足となってコミカルな顔と口が付いている濃紺ボディで黄色瞳の一頭身
あれが・・・ヒョウノウン!?
だが、それよりも重要なのは・・・
「こっちはオーブカードだ、そっちのコストをどうぞ!」
「私はヒョウノウンのコストにアイスウォールシールドウィークエレメンタルを指定、前のターンのフロストシスオーバーバーストの効果でコストは1枚のみ、さ、あなたはどんな手品を見せてくれるのかしら?」
スノゥメアの得意そうな微笑み・・・
ま、手品って程でもないんだけど・・・右手を出しつつ宣言!
「それなら、僕はエレメンタルフロストリチュアの効果を発動、選択したカードではなく、このカードの効果を発動させます、まずは、手札にあるバセチルサーをパワーを800、コストを2下げて召喚します」
「ダブモンNo.176、氷殻まといの家紹介、バセチルサー!」
いきなり氷の壁をその鋏の拳を打ち付けて出てきたのはヤドカリのボクサーか、
大きな両バサミを閉じ、三本の足をまとめて両足にし、腰に2対の脚を巻きつけている、が、その目は両目とも閉じられ、明らかに使えなくなっている、
それだけでなく、背中から後頭部から側頭部から鼻口顎首出しの一部前まで、前面の大部分除く全身にまるでボクサーの防具か鎧とばかりに氷をまとっている、
「それが?折角の強いカードも弱い状態で出しちゃ意味ないわ・・・」
「まだです、エレメンタルフロストリチュアの効果によって、デシャチベ・オーバーの効果を全対象に出来ないようにします」
「ん・・・?ちょっと言ってる意味が分からないわ・・・」
「効果が全対象に出来ないってだけです」
「???」表情が全く変わらないため理解できないという表情なのがわかる「わからないけどまぁいいわ、それで勝敗が覆るわけじゃなし、さぁ、1番戦闘よ!」
デシャチベがその体をくねらせ飛びだし、バセチルサーに襲い掛かる、
だが、バセチルサーはその気配に瞬時に反応、一気に距離を詰め避ける間もなく右拳を叩き込んだ!
「やっぱり、パワーが低いとダメなのかしらね・・・私は、フロストシールドエレメンタルの効果を発動し、この戦闘をスキップするわ」
デシャチベの前に透明で大きな氷の壁が・・・
「そうはさせない、バセチルサー、砕け、相殺だ」
バセチルサーが壁に跳躍、その飛び蹴りで氷の壁を軽く撃ち砕く
そのまま拳に切り替えてデシャチベを殴りにかかる、
「甘いわ、私は、フロストパドリックエレメンタルの効果を発動!これは・・・相殺タイミングのカードよ!」
相殺タイミング!?あいつも持ってるのか!?
「その効果により、私は、互いに1枚ずつ裏側表示のカードを封印、私はフローズンアタックエレメンタルパワーを指定!」
「ぐっ・・・!俺はアイスエレメンタルパワーを指定」
「さらに、フロストパドリックエレメンタルの続けての効果、セイグリアフリーズエレメンタルをコスト0で発動させ互いのパワーを2000下げる、これは相殺できない・・・!」
ちぃい・・・だけど、セイグリアフリーズエレメンタルを使うこと自体は呼んでいたっ!
スノゥメアがあたりに冷気を振りまきデシャチベとバセチルサーの動きが遅くなるなか、デシャチベがバセチルサーの殴りをきっちりと受け止めきり、弾き返す、
これにはバセチルサーもあえなく吹っ飛ぶが、すぐに着地、
思い切り右拳に力を籠め、先ほどよりも速いスピードで殴りにかかる、
これにはデシャチベも動揺し、対応しきれず、殴り飛ばされる!
さらに吹っ飛んだ先にまで追撃しようと走る、バセチルサー、
これを飛んだ先で地に潜りかわそうとする、デシャチベ、
しかしながら、拳を地に思い切りたたきつけた衝撃に、思わずデシャチベが飛び出る!
「デシャチベ、今こそその効果で、パワーを元に戻しなさい・・・」
「そうはいかない、ブリザードシールドエレメンタルで相殺だ!」
このまま行けばこっちの勝ち・・・!
デシャチベが大きく振り降ろす尾を、バセチルサーが両の拳で受け止めきった、
しかし、スノゥメアの口元が歪む、
「私は、アイスパクニガルシールドエレメンタルの効果を発動、これにより、この戦闘をスキップする!」
デシャチベとバセチルサーの間を、またも氷の壁が分かつ、
「さぁ、デシャチベ、砕きなさい!」
「いいや、デシャチベの効果の前に、俺はアイススキップレゾナンスの効果を発動させてもらう!」
「何を言っているの、だったらデシャチベの効果で相殺するだけだわ、」
「それは出来ない、いいや、俺が許可しない!デシャチベの効果はエレメンタルフロストリチュアの効果により全対象にはできないんだ、よって、アイススキップレゾナンスと同等ではなく、こちらが主導権を握らせてもらう!アイススキップレゾナンスの効果により、この戦闘のスキップを破壊し、この戦闘前を終了するっ!!」
互いの意地をかけた一撃、
デシャチベの飛び込みから後ろを上に回転させつつ尾を、バセチルサーは跳躍からの拳を、
両者の一撃は間にあった氷の壁を一瞬で砕き、互いの攻撃をぶつからせる、
刹那とも永遠ともつかぬその間は思ったよりも瞬時に過ぎ去り、
デシャチベの体が軽々と宙を舞い、その背を壁に叩きつけられ爆発、消滅したのだった・・・
「ぐ・・・でも、3番戦闘は貰うわ、アイスパクニガルシールドエレメンタルの効果によってヒョウノウンは3番に移動してるんだから!」
こっちには前の戦闘で発動できなくなっていたフロストエレメンタルパワーがある、
それをクリオネシンの効果の後に発動させればいくらパワーで勝っているヒョウノウンでもクリオネシンに負ける可能性がある、
だから3番に移動させたのか最初からの予定だったのかいずれにしても・・・
クリオネシンが天井近くにまで飛んで触手をスノゥメアに伸ばす間に、
ヒョウノウンが大口を開けてこちらに走り込んでくる、これにはフリィジアも拒否反応を示したのか、
「っつ、やめなさい!」
それをフリィジアが槍を投げてヒョウノウンがほおばって口閉じ止める、
が、それでは飽き足らないのか、背中に一体化したかのように背負っていた箱の中から氷を両手で取りだして大口を開けて口の中に入れると、
口から大きな氷の両刃の刃が俺もろともに当てるように伸びてきた!?
思わずフリィジアと共に右手に避けると風を切り裂いて向こうまで伸びて壁に当たり儚く砕け散った・・・
ドシャィイイリン・・・
強度無視でとにかく伸びる様に形成された氷の刃かよ!?当たってたら・・・想像したくないな、あの風を切る感じ、間違いなく切れ味は本物だった気がする・・・
向こうの方も触手をこともなげに右手ではたいて下がらせた・・・
ともかく、これでクリオネシンもヒョウノウンも動きを止めたし、ダメージは終了だろう・・・
俺とスノゥメアは互いにライフカードを1枚取る・・・
しかし、スノゥメアが冷たく真正面に俺の方を見て
「でも、このまま勝たせるわけにはいかないわね・・・」
背筋が凍るような声でつぶやいた・・・
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