到着!魔道都市マジカラ!! ダブモン!!5話/06 妖魔版
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街中-2
中程の宮殿ともあろう白く大きな家に、たくさんの人が集まっている、
2段ほどの階段の上にある、入り口の大きく開かれた左右に大きな逆U字の扉が、そこに集まった人々で誰も入れない程・・・
「裁定の剣て、何だ?」「歴史的大発見・・・?」「どんな剣なの?っていうか、剣なの?」
「覗いてみたらわかるんじゃない?」
「でも、覗けますか?」
「裁定の剣(さいていのつるぎ)ね・・・?本物なのか?」
ん?
思わず足元横にいる幽霊型ダブモンの方に視線を向ける
「カンテーラ、何か知ってるのか?」
「この世界の命運を握る剣、って感じかな?」涼しい顔で人ごみに顔を向けたまま答えるカンテーラ、
「それぐらいしか教えられてないです」
「あれ・・・本物なのか?」
観客が何か言ってる・・・白黒の服の後ろ姿しか見えないけど・・・
「もし本物なら、長き戦いが終わる・・・」
「本物ならな・・・偽物なんて、歴史上でいくつも出て来たじゃないか・・・」
「さぁさぁ、近寄って見たい方は金貨十枚!もしくは大金貨でも結構だ!!」
パンパン!!
今度は観客の向こうからの男の声と気前よく手の叩く音、しかし、俺達には観客が邪魔で何も見えやしない・・・
「金貨十枚って、どの位だ?」「金貨って、手持ちにあった事なかったよな・・・?」「両替しても、多分、一枚も手に入らない・・・」
「つまるところ、私達じゃ払えないってことね・・・」
観客たちが男の声にかざわつくものの、残念ながら人が引く気配はない、
どうやら、みんな遠目からでも拝んでおこう、という考えらしい・・・
というか、だんだん増えてる感じがするな・・・
「・・・」
「どうした四葉?」
なんか、右手を口元に当てて考え込んでるぞこいつ、多分、ロクな考えじゃないと思うんだが・・・
「ウィルピー、カンテーラ」
「です?」
「なんだ?」
四葉の方を振り返り見上げる二者
「とりあえず、一目だけでも見て来てくんない?飛べば簡単でしょ?」
「まぁ、簡単だが・・・」
「ですね」
「しゃあない、アイドル様のために、一目だけでも見てきてやりますか」
「後で、出来る限りの詳細、お教えしますね」
そう言って、カンテーラとウィルピーが宙に浮いて、観客たちの上に
「ぎゃ!」
「げふわっ!」
が、扉の右の方から振り回された槍に強引に吹っ飛ばされる!
「カンテーラ!?」
「ウィルピー!?」
吹っ飛び落ちた二体に駆け寄る俺達、
「いちち・・・」
「ぬうう・・・」
なんとか体を上げようとする両者、誰がこんなことを・・・?そう思って槍が来た方を見ると、入り口脇内側に、緑の肌をした蜥蜴が立っていた・・・
濃緑の体に黒の斑点を持っていながらも、頭に白い布を交差せながら球状に巻き、
体に革のマントを羽織っていて、中に黄色い衣類が見える、もちろんその右手には少し離して持つ位置を調整する途中の槍が携えられていた、
しかし、その目にはやる気が無い、まるで槍など持ちたくない、本来持ってはいない、が、渋々やってる、そんな感じだ、
そいつは、顎で中の対岸側の壁の方を差し向かす、何だってんだよ・・・
「あ!あれ・・・遠くで読みづらいけど・・・」
「いくつかの注意事項のなかに飛行禁止って書いてある・・・」
飛んできた声は兎白と鼓動のもの、二人はいつの間にか壁の方を見て、そこにあった張り紙を読んでいたのだ、確かにそんなことが書いてある・・・
・・・なるほど、最初から飛んでみるのは禁止行為だったわけね・・・
「なろ・・・」
カンテーラが立ち上がって蜥蜴を正面切ってねめつけるようににらみだし
「うわぁ!!」
俺達と蜥蜴の間に、一人の、俺達と同じ年ぐらいの子供が観客たちに押されて吹き飛び尻餅を突いた、
「ううぅぅ・・・」
痛そうに右手で尻をなでるそれは、優しげな雰囲気を持ち、先がくるんと内外さまざまに回った金の髪に少し焼けた白い肌に青い瞳をしていて、
黄色を基調とした長袖と長ズボンに白地のショルダーバック、革のベルトに簡素な革の靴を履き、
それらの上に青色のマントを羽織っている・・・
「ん?」
と、その少年が、突如俺達の方に気が付いたように向いて来て、その顔が口角が上がり目が見開かれた笑顔となり、その目が輝き出す
「うわぁ・・・!カンテーラとウィルピーじゃないか!!」
名・砂風の塩金交易遊牧民 スナシオゲ ダブモンNo.165
概・M モンスター コスト2 パワー1400 爬虫・風属性
発・戦闘前・自任意・時限無し・条文の頭に指定:
条・主対象:このモンスターが次の戦闘に参加する時
・自分の手札と山札がそれぞれ2枚以上存在している時
主対象単体であるため全対象とする
効・第一効果:無し
・自分の手札を2枚相手に見せてから自分の山札に送ってシャッフルし、
山札から同じ枚数引いて相手に見せ、手札にする
文・どこからか塩か金を届けるサバクトゲオアガマ型ダブモン、生体上塩が足りな
くなりやすく塩の匂いに敏感で塩鉱のある人里にも姿を現す塩と引換に手持ち
の様々な物を渡すが余った塩は必要とする存在とまた何かを交換してしまう
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