到着!魔道都市マジカラ!! ダブモン!!5話/05
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「走れ!あれはダブモンだ!!」
「あれもダブモンなのかよ!?」
夜の宮殿の廊下で岩に追いかけられ、走り出す俺達・・・
「こっち!」
カンテーラは一旦キッチンの前まで戻り、左手側の廊下に逃げ込む、
俺達も急ぎそちらに入り込んだ
幸い、兵士たちは曲がり角を曲がったのか見えない
と、岩が何と、俺達がいた場所近くの壁の直前で何事も無かったかのようにピタリと止まったではないか・・・!
「あれ~おかしいな~この辺りに誰かいたように見えたんだけどな~」
岩から声が聞こえ、それは丸まった体を伸ばすように岩がのび、頭と手足と尻尾が生える、なんか、タヌキみたいだ、
全体的に茶色い体だが、鼻先が尖り丸い耳持つ頭、後ろに生えた尻尾は焦げ茶と茶色の縞々でふわふわだが、体の側部から背部は岩のようにゴツイ、岩の甲羅でも背負ってるみてぇ、
それに、よく見ると、体の左脇から上に先に二つに分かれた葉っぱが付いてる緑のつるが生えてたりするな・・・
等と観察していると、そいつが、体を縮めながら後ろ、俺達がいた場所までその鼻を体を回して移動させて地面に寄せ・・・
「ふんふん、確かに嗅いだ事の無い人とダブモンの匂いがするなぁ、でも、こっちに来たばかりな上、ここ最近新しい警備の人がたくさん入ってきて、まだ全員の匂いを記憶しきれてないんだなぁ・・・相手がだれか確認しないと・・・」
「っち、あれは化かし岩のコーヒー嗅ぎ、コヒカヌキだ」カンテーラが覗きながら愚痴り出した「知ってるのかカンテーラ?」「鼻がとにかく効くんだよ、まずい、こっちにくる・・・」
カンテーラの言う通り、コヒカヌキはこっちに向いてのっそりのっそり歩いてくる・・・
「まずいな、このまま移動しても匂いを嗅ぎつけられるだけだぞ・・・」
匂いか・・・
「なぁ、カンテーラ・・・」カンテーラの耳元、多分、人間ならそのあたり、に口を寄せ
ごにょごにょごにょごにょ
思いついた作戦をごにょごにょ小声で伝える・・・
すると、カンテーラがこちらに、少しの期待からかそんな感じに素早く目線を向ける
「お、確かに、やらないよりかはましだな・・・よし!とにかく離れよう・・・」
俺達はキッチンとコヒカヌキから離れるように廊下の奥に向かって走り出し、そのまま次の曲がり角を左に・・・、曲がり角の影から見ればコヒカヌキものったりのったりとだが確実に追ってきて・・・
そんなコヒカヌキの様子を見て廊下の奥に向かい・・・十字路を右に曲がり次の次の十字路を左に曲がり、その先で作戦にちょうどいい場所を見つける・・・左に長い田の字の廊下で四つの部屋が繋がった場所、コヒカヌキのいるであろう廊下とは直接は繋がっていなさそうだ・・・
「カンテーラ、ウィルピー、人の気配は・・・?」
「大丈夫だと思う、だが、急いだほうがいい」
「ですね・・・」
ううむ時間は無いか、
「だが、ここなら好都合だろう、」
お!カンテーラもそう思ってたか!!
「おし、」横の方からチラと微小に後ろの皆を見る「みんな、走れ!」
「仕方無い・・・」
「見つからないようにね!」
「私もやるの・・・?しょうがないわねぇ・・・」
そして、そこで俺達はほんの少しの間、コヒカヌキがひとつ前の曲がり角を曲がる前にがむしゃらに走り抜け、一番左手前の所で集まり、やはり曲がり角の影から先ほどいた場所を見守っていると、コヒカヌキが俺達のいた場所に出てきた!
「あれ・・・匂いが分散してる・・・」鼻をしきりに三方の廊下に順繰りに向けて匂いを嗅ぐが・・・顔を上げ、「これ・・・どっちに行けばいいんだぁ!?」
よし!コヒカヌキが嘆いて混乱して動きを止めてる
「それとももしかして、元からあった匂いなのかぁ!?ああ、匂いが消えちゃう!!とりあえず・・・」コヒカヌキが唐突に顔を向こうに向ける「みぎだぁ!!」
おっし!
コヒカヌキが右に曲がり、いよいよもって俺達から離れて行く・・・
「今のうちに行くぞ、すぐ後ろ十字路から離れる方の先に階段があった、少し狭目の階段だからコヒカヌキは通れないだろう、匂いも直ぐに感知できなくなるようだし、早めに行けば感づかれないはずだ」
俺達はカンテーラの案内に従い通路を走ると・・・
右手の方の前方に、壁材を使い同化するように作ったような二階への階段を発見した・・・
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