バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

到着!魔道都市マジカラ!! ダブモン!!5話/03

 
到着!魔道都市マジカラ!! ダブモン!!5話/03
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 

f:id:OirenW:20190513145911p:plain

 
 森を抜け、照らす太陽の熱と光に、不意に先に砂漠が広がった・・・そして、砂吹く風がうっとおしく進む中の昼の砂漠の中心部に、唐突にそれは現れた、
 逆U字の大きな入り口のある白く紙粘土を固めて作ったような一枚壁、そこに囲まれた内部は、
 同じ材質の大きさの違う四角い家々が、隙間に砂が入り込んでいる白煉瓦の道の左右に立ち並んでいる、
 先頭のカンテーラが得意気にこちらに振り返る
 「さ、ここがお待ちかねの魔道都市マジカラだ」
 「ここが・・・」
 「すげー、あんな外壁始めてみたぜ」
 「異国情緒あふれてるって感じだね」
 「ここまでどれくらいかかったのよ・・・」
 「まぁまぁ、四葉さん」
 後ろから聞こえる四葉の呆れたような言い様をウィルピーがなだめるその中で、俺達は入り口に向かって踏み固められた砂で出来た道を踏みしめ歩を進めていく・・・
 入り口や街の中は、頭を覆うように白い布を巻いた日焼けして肌と髭の濃い男性や黒い布を頭からかぶって目だけ出した女性等が行きかい、
 中では奥の方や途中左手などで屋根より上や四隅にある大きな円柱に金の玉ねぎのような物が乗った大きな家があったりする
 しかし、砂漠であるはずなのにあまり熱くはない、先ほど言ったように風に流れ肌に張り付く砂がうっとぉしぃ感じはするが、俺が知る最大限の暑さと同程度で想像していた砂漠の熱さよりも涼しい感じだ、・・・なぜだろう・・・?
 「見ればわかると思うが、屋根に大きな玉ねぎの乗った家は権力者の家、もしくは公的機関だ、見張りもいるから、前を通る時は注意するように」
 「うぇ~い」「おう」「わかった~」
 カンテーラからの注意事項に、歩き詰めで力なく答える俺達・・・
 「後、ここじゃ教会の権威はあんまり届いてないから、教会に行っても仕事は受けられない、所持金には十分注意するんだ」
 「は~い」「おう!」「わかったよ~」
 「遠足の引率かしら?」
 「ははは・・・です」
 またも後ろから四葉の余計なひと言、さらに、笑いをこらえ苦笑いするウィルピーの声が聞こえてきた・・・
 俺の名前は双運 良星(そううん りょうせい)、小学4年生、
 黒い瞳に黒いバンダナで立てた黒髪を持ち、身にまとうは左肩後ろに炎翼のブローチを付けた赤銅色袖なしシャツに、腰掛けの袋、
 それに左右に大量にポケットを下げているベルトに、下にはいたジーパン、一応これらの服は定期的に洗濯はしている、こっちで手に入れた衣類を代わりに着て、
 で、俺の後ろについている内、少し身長が高いのが稲走 兎白(いなばしり とはく)、その後ろの少し横に大きいのが海象 鼓動 (かいぞう こどう)、
 兎白は少し無頓着なぼさっとした髪をしていて、着ているのは波から飛び出る鮫の絵が描かれた長袖シャツ、その下にポケットのたくさんついた青いジーパン、それに背腰掛けの袋を持っている、
 鼓動は短めの髪をしていて着用しているのは橙と緑の長袖のサバンナシャツに腰からはボックス上のポケットがいっぱいついた革を左右に垂れ下げ、シャツの下には長ズボンのジーンズをはき、背腰に袋を掛けている、
 そして、その少し離れた後ろを歩くのが蜜羽 四葉(みつば よつば)である、同い年ぐらいの、金のツインテールに青眼白皙を持つ一応かわいげのある女の子だ、
 ヒラヒラが前方一直線に付いた白シャツにこれまたひらひら多めの黒スカートを着こなし、
 首にワンポイントの黒リボンをつけ、左胸に意の字の金ふち、黒バッチを付けている、
 で、そのそばに付き従うようにいるのはウィルピーというダブモン、炎のような光の体に黒い両目を持ち、その体よりは白い両手が生え、その背には火事挟みとハンマーを交差させるように背負っている・・・
 「さて、そろそろ入ろうか、はっきり言って治安もあまりよくないけどな・・・」
 そう言って目の前の、黒いフードつきマントに身を包み、左手にカンテラを持った幽霊型のダブモン、カンテーラが先頭切って門の中に入って行く、
 潜り抜けた門の向こう、塀の中は、そこかしこに絨毯が敷かれ、上につくられた木と布を組み合わせて作った日よけの下に入り、様々な物を売っている露店が並んでいる、
 主に道の左右に、さすがに道の中央にはいない、売っているものは土器からツボから宝石のような丸い玉を付けた首飾りなどのアクセサリ、それに白と緑の縞の長いスイカのようなものや黄色い皮が厚そうな果実など、食料類もある、
 そして、それらの奥に座る商人と、手前の行きかっていた人々に似た客たちが、買い物のためなのか、いろいろ手でジャスチャーしつつ言葉を交わしていた・・・
 「そういえば、」そこで俺は独り言のように歩きながら話し出した・・・「食料の補充もしとか無いとな、もう少なくなってきてたし・・・」
 「少し重くなるけど、便利そうな調理道具があったら欲しい、俺の袋に入れるから」
 「逸話とかも聞いてみたいなぁ・・・」
 「それらもいいけど、ここに来た本来の目的忘れてない?」
 「忘れてねぇよ、魔とは何か?だろ?」
 そう、ここには魔の情報を探しに来た、魔道都市っつー呼び名なんだから何かしら手掛かりはあるだろう、
 女神が俺達に善行をなせと言った、が、それが具体的には何か示されてはいない、
 この世界のためになることとは言われたが、それを考えるためにも情報が欲しい、
 魔とは何か、それがこの世界を知ることに重要な情報だと考え、ここまで来たのだが・・・
 あれ、なんか、前の方左手の大きな家、入り口からあふれるように妙に人が多いな・・・あ、看板が立ってら・・・
 手前に立っていた木で出来た中の字型の看板、近づいて見てみると、前面の板にはこう書いてあった
 「歴史的大発見、ついに裁定の剣発見す、見学者はこちらに」
 裁定の・・・剣・・・?
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――