バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

到着!魔道都市マジカラ!! ダブモン!!5話/17

 
到着!魔道都市マジカラ!! ダブモン!!5話/17
 

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宮殿-6
 
 「どうやって行けってのよ!!」
 徐々に雲晴れ、影で隠れなくなる中、左右で違う長さのキャタピラが如くに周遊するケープペンの群れに頭を抱える俺達、
 確かに、あの数をおびき出すのは不可能、こっちが見つかる、隠れて進むなんてのも雲が晴れちゃ・・・ううむ・・・
 「階段の上には・・・誰かいるか?」
 「いないと思うぞ」
 「ですね」
 「・・・あの帽子?真上が見えないんじゃないかしら?」
 突如ケープペン達を見つめながら言い放つ四葉
 確かに、一体一体の帽子はかなり大きめだし、見ない感じではあるのだが・・・
 「そうなのかもしれんがな、少し離れりゃ見えるぞ、それにまさか、上を飛んでけっていうのか?」
 「ううん、短時間は出来ると思いますけど・・・」
 カンテーラとウィルピーの呆れた様な反論・・・
 ん?・・・あれ、空気の流れを感じる・・・これは夜風・・・?
 と、ほんの少しの風の流れから、いきなり風が強く吹きすさび、ケープペン達が帽子をその羽で抑えた!
 そうか、今まで夜風の音が聞こえていたように、風が吹くんだ、さらにここは高層階だから窓から余計に強い風が吹くんだな!なら!!
 「これならどうにかなるかな、」思わずカンテーラの方に顔を向けてその名を呼ぶ、「カンテーラ!」
 「まさか、」目を見開き驚いたように俺を見返すカンテーラ「上を飛べって言うのか!?気配を隠しながらだし、長時間は無理だぞ?」
 「ああ!三人で、ケープペン達に一番近いあそこの十字路まで飛んで、そこから階段まで!!」
 カンテーラがどこか諦めたようにケープペンの群れの方を見つめ直す・・・
 「・・・多分・・・ギリギリ行ける・・・かな・・・」
 「決まりだな」「え!?マジかよ」「一緒に頑張ろう!!」
 「行ってらっしゃい、私はあんたたちが行った後でウィルピーと行くわ、行けるわよね?」
 「・・・何とか・・・」
 ウィルピー、あきらめたように苦笑いしてるが・・・?
 「・・・そろそろ風が吹くかな、しゃあない・・・」
 と、カンテーラが俺を頭に、兎白と鼓動をそれぞれ左右手に乗せて、天井スレスレまで一気に浮く、
 「天井に這うように両手両足を付けて置けよ、その方が俺に負担がこないから、」そう言われ極力上下反転する俺達「いろいろ擦るかもしれないが音と声だけは出すなよ、バランスは保証しないから自分で取ってくれ、おっと、そろそろか・・・」
 風が来て、ケープペン達が帽子を押さえた瞬間、一気に一番近い十字路二つ前の十字路右にまで飛ぶ!もちろん俺達も手足動かしてカンテーラをサポートする、
 そして降り、姿勢を解除しつつケープペン達の様子をひっそりとうかがう、
 ・・・動きは変わらず・・・
 「ぜぇぜぇ・・・これぐらいなら・・・げ、風が来る・・・」
 そしてカンテーラが息を切らしながらも俺達と共に先ほどと同じように今度は目標十字路一つ前の十字路右にまで飛ぶ
 「はぁはぁ・・・き・・・きつい・・・」
 カンテーラがさらに強く息を切らして背中をカベに預け、風がこないことしばし・・・
 「・・・来る・・・じゃあない・・・」
 突如として言い放ち先ほどと同じように昇って、今度は目的の十字路右に降下・・・
 「ぐほっごほっ・・・」
 「大丈夫かよ・・・」「おいおい・・・」「咳まで・・・」
 「これくらいはどうってことない、」かなり息苦しそうな声だが・・・「さ・・・来るぞ・・・」
 カンテーラが気丈に言葉を吐きながら俺達を天井まで運び、俺達が反転した直後、風が来て、ケープペン達が帽子を押さえ・・・
 「今だ・・・!」
 一気に階段まで飛んで行こうとし、バランスを崩す!
 「うわっ!」
 「うわわっ!」
 「うわわわっ!」
 「何のこれくらい・・・こんなことで倒れてるようじゃ案内屋の名折れ・・・!」
 今案内屋とか関係なくない・・・?
 思わず小声で驚いてしまった俺達をカンテーラが天井に押し戻し運ぶ、どうやら下にいるケープペン達は左右を見回してる・・・まずい!
 それでも、どうにか階段の方までもぐりこみ・・・ケープペン達が気付いてようやく自分たちの真上の天井を見上げている所を斜め上に当たる階段の真上から遠巻きに見降ろす俺達、
 が、ケープペン達は何事も無かったかのように顔を下げ、元の動きを取り戻した、
 ほっ・・・
 そのまま階段の先に降り立ち
 「ぜーぜー・・・」
 カンテーラの息が上がり、床にへたれこんでいる、
 そして、俺達が階上よりこっそり見守る中で、四葉とウィルピーも少し様子見で待機した後、俺たちと同じ方法でやってきて、俺らの目の前に降り立った、
 「蜥蜴みたいだったぞ」
 「あんたたちもね」
 そういう軽口を言い合い、
 「あの・・・早く離れましょうですよ・・・」
 「そうね」
 「だな」
 「うん」
 「そうだね」
 「待った・・・」
 ん?カンテーラ・・・
 「力の使い過ぎで、ぜー、ぜー、」床に仰向けに寝っ転がり会話中にも呼吸を乱すカンテーラ「飛べないし、ぜー、歩けない・・・」
 「じゃあ、どうすりゃいいんだよ・・・」
 「おぶって・・・」
 「はい・・・!?」
 「おぶって・・・」
 
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