到着!魔道都市マジカラ!! ダブモン!!5話/16
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バトル-6
「リチャージ!」
「リチャージ!」
状況はあからさまに悪い、向こうは前のターンセットしてないんだぞ、
それを前のターンに召喚できるタイミング以外でモンスターを召喚する、自身のダメージと引き換えに場を維持するという選択で、
こちらに付け入るすきを与えなかった・・・
「ドロー!」
「ドロー!」
だが、これなら・・・?ササノヤミ、頼む・・・
「セット!」
「セット!」
「オープン!!」
「オープン!!」
「まずは俺から・・・来い、ドジョドザ!!」
「ダブモンNo.61、水ざるの洗濯屋、ドジョドザ!!」
地中より、一体の背側が泥色腹側白の胴長魚が勢いよく飛び出し着地!
それは、幾本の髭の生えた胴長の体を後ろのヒレで支えており、その右前ヒレに、先に回転する鉄長刃付きのU字竹網ざる盾を持つ、
「ならばこちらはこれだ、昏影の独房僧、クラウスラ!!」
「ダブモンNo.110、昏影の独房僧 クラウスラ」
アグニスの前で、影が上にせり出すようにそれは現れた、
竜巻のような、手足をマントに巻き込んだ人のような、帽子をかぶり髪の長い影のような黒い液体のような塊に赤い中心部を持ち、表情も無く、ただ虚ろで感情が読み取れず、ただただそこにある・・・
ええい!あんな変なのにおじけづいてどうする!!
「俺は、ドジョドザのコストにマルチパニッシュエレメントとマルチセイバングエレメンタルを指定!!」
「ではこちらは、クラウスラのコストに、ダークエレメンタルパワー、ダークネスエレメンタルパワー、O-カウンター・エレメンターを指定!!」
「そして1番戦闘!」
「望むところ!!」
ドジョドザとエビグルマが相対する、魚とエビだが、その武装と闇が、まったく違う異種闘争を思わせる、
ドジョドザが跳躍し、エビグルマに飛びかかる、銃弾を四つの腕から撃ち出すが、右手の盾剣振り回し、
剣の切っ先で二つを、距離の差から直後に、体を狙ってきた二つを盾で防ぎきる!
おおっ!
そのまま懐に入り込むも、エビグルマがバックステップショットでドジョドザの動きを止めつつ後ろに飛ぶ、
奴の弱点はわかってる、すなわち懐、長い刺突腕が邪魔をして、至近距離には対応しきれない、
「俺は、マルチパーストエレメンタルパワーを発動!パワーを1000上げる!!」
「ならば俺はダークラスターエレメンタルで相殺させてもらおう!!」
これならばどうだ!?思い切り右手を前に出し宣言!
「だが、そこで俺はドジョドザ自身の効果を発動する!!エビグルマのパワーを300下げる!!」
「それぐらいは許してやろう!!」
ドジョドザが泥を吐きだし、
対するエビグルマがそれを撃ち抜く、
その陰に隠れてドジョドザが跳躍突進、が、これもエビグルマは予期していたのか四つの銃を連射して弾幕を張る!
これに慌てたドジョドザ、いきなり姿勢を低くして・・・着地しつつ撃ち落とされた泥で腹ばい移動する!
これには面食らったのか、エビグルマはあわてて銃を向けて連射するも、
蛇のようなドジョドザの動きに一発足りとて当てられない!!
そこで近づき切ったドジョドザ、離れようとするエビグルマを一気に突く!
が、その装甲に刃が突き刺さるも、ほんの少しで奥には行かない・・・堅過ぎるのか!?それなら・・・
「俺はマルチエレメンタルパワーの効果を発動!!パワーを600上げる!!」
「通すわけにはいかないな、エビグルマ!!」
ドジョドザの刃が回転を始め、徐々にエビグルマの装甲を削り出す、
しかし、エビグルマはそれを避けるように大跳躍!無理矢理ドジョドザの刃を外した!
ちくしょう、あとちょっとだったのに・・・
が、俺にはこれがある!
「俺は、マルチプルエレメンタルパワーの効果を発動!コストにマルチエレメンタルパワーを指定し、パワーを1200上げる!!そっちは、出せるやつ、無いだろ!!」
「ぐ・・・無い・・・」
「いけぇ!ドジョドザァ!!」
上空のエビグルマが四つの手をドジョドザに向け弾丸を撃ち出す!
しかし、ドジョドザは回転する刃をただただ真上に出し、弾丸の二つを防ぎ、残り二つはドジョドザから外れた地面に落ちた、
何の事はない、上から撃ったせいでドジョドザの当たる範囲が狭まった、それだけのことである、ドジョドザは正面より真上から見た時の大きさの方が小さい、そして、その状態なら盾と刃で大部分をカバーできるのだ、
連射してもそれは同じこと、というより、連射だったせいか明らかに狙いが甘かった!!
そのままドジョドザがエビグルマに向かって跳躍、撃って来た弾丸を弾き、守ろうと体の前に横出しした突剣を弾き、そのまま腹に刃を叩き込み、回転させ削り切り一気に貫通、
エビグルマを爆発、消滅させた!
おおっし、今だ!
「俺はプランプライバルエレメント!!を発動!!コストにマルチパーストエレメンタルパワーを指定し、こいつのパワーを0にしてルンゴレムとクラウスラをトラッシュに!!」
突如、ササノヤミから幾枚のもの葉っぱが飛び出し、辺りを切り刻み始める、
すると、ルンゴレムがいきなり正座をし、
「ええええ、この間、」なんか、身振り手振りを交えて話始めたぞ!?「からくりを作った時の話でね、
これがまたね、一瞬動いただけですぐ止まっちまうんだなこれ
ええっ、何でだい?
ホワイル、書き忘れちゃった・・・あっはっはっ!!」
何を突然言い出してるんだこいつは・・・
皆が呆然とする中でなおも話は続く・・・
「今度はね、ちゃ~んと入れた、ちゃ~んと、
おおすごい、ちゃんと動いてるじゃないか、あ、おいおい、どこまで行くんだい!?
あ!
どうした!?
ブレイク、書き忘れちゃった、止まらない、あっはっはっ!!
いやいや、止めて、誰か、あ、止めてくれ~!」
ひょうきんな様子で言い切った後、
「あ、お後がよろしいようで~」
その様子にルンゴレムとクラウスラにササノヤミの葉が突き刺さって行き、爆発、
「私は、ダークグライシストエレメント!!を発動!!相手のパワー0のモンスターを全てトラッシュに送り、次のターン、セットをターン終了時に変更し、チャージゾーンにセットしたカードに次のリチャージをチャージさせる!!」
な・・・!?何を考えてやがる!?
「お前達の好きになどさせないさ、さぁ、存分に打ってくるがいい!!」
ササノヤミが突如真上から現れたクラウスラのような闇に闇と共にぺちゃんこに押しつぶされていき闇ごと爆発消滅する中で、
俺はアグニスの宣言に戦々恐々しつつ呆然とするのだった・・・
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